アフリカ最大の国土面積を誇るアルジェリア。サハラ砂漠に広がる古代の遺跡や、砂漠にオアシスの町が点在しています。そして、美しいビーチとフランス風の建物が特徴の第二の都市オランは代表作「ペスト」を持つノーベル賞作家アルベール・カミュの出身地として知られています。アルジェリアには現在7つの世界遺産が登録されていますが、そのうちのひとつ「ティムガッド」がどのような世界遺産かご存知ですか?
この記事では、アルジェリアの世界遺産「ティムガッド」の魅力を紹介し、英語でどう説明するのかみていきます。
アルジェリアの基本情報を紹介
アルジェリアは、アフリカ大陸の北部に位置する国です。
まず、ティムガッドのある国アルジェリアについて、簡単に基本情報を紹介します。
アルジェリアの英語表現
アルジェリアの英語表現はAlgeria、正式名称はPeople’s Democratic Republic of Algeriaで日本語では「アルジェリア民主人民共和国」となります。
訳)アルジェリアは北アフリカの国です。
訳)アルジェリアの人口は、約4,500万人です。
この例文のように「アルジェリアの◯◯」と言いたいときにはAlgerianを使います。
アルジェリア基本情報
さて、英語圏と違いあまり多くが訪れることのないアルジェリアについて、基本情報を紹介します。
アルジェリア民主人民共和国
首都:アルジェ(Algiers)
通貨:アルジェリア・ディナール(Algerian Dinar)
宗教:イスラム教
公用語:アラビア語、ベルベル語
豊富なエネルギー資源を持ち、日本の約6倍というアルジェリアの国土は80%以上がサハラ砂漠であり、アトラス山脈が南北に走っています。モロッコやチュニジアに近く、地中海を挟みスペインやポルトガルがあります。
「ティムガッド」の基本情報を紹介

それでは、世界遺産であるティムガッドがどのようなものなのか、ここで基本的な情報を紹介しましょう。
ティムガッドの基本情報
ティムガッドとは遺跡です。それも保存状態がとてもよく「アフリカのポンペイ」と呼ばれるほどです。
ローマ皇帝トラヤヌス帝によって築かれたローマ帝国の軍事植民都市だったことから、凱旋門、劇場や大浴場など当時の都市計画の好例が残っています。
ティムガッドの英語フレーズを紹介
ここからは、ティムガッドをどう英語で表現するのか紹介します。例文とともにみていきましょう。
ティムガッドの英語を紹介
ティムガッドは英語でTimgadです。Timgadがあるロケーションや築かれた時代を英語で説明してみます。
訳)ティムガッドは、アルジェリア北東部に位置しています。
訳)ティムガッドは、首都アルジェから約480キロ離れています。
ここまで、ティムガッドがどこにあり、首都からかなり離れた場所にあることが分かりました。ちなみに、東京~京都は約514キロですので、ティムガッドの位置関係をイメージしてくださいね。
ティムガッドが世界遺産になった理由は?
ティムガッドは、ローマの都市建設技術を北アフリカで具現化した珍しい例です。ここで、ティムガッドが世界遺産になった年や理由をみていきます。
ティムガッドが世界遺産になった年
訳)ティムガッドは、1982年にユネスコの世界遺産に登録されました。
ティムガッドが世界遺産になった理由
次に、ティムガッドが世界遺産に登録された理由を2つ紹介しましょう。
訳)ティムガッドのローマ都市遺跡は、古代ローマ帝国の文化と都市計画を伝える貴重な遺産です。
訳)ティムガッドのローマ都市遺跡は、ローマ都市計画と建築芸術の傑作です。
ローマの都市建設技術を北アフリカで具現化した珍しい例として、ティムガッドは世界的に評価されています。遺跡と言えばヨーロッパではポンペイが有名ですが、貴重な遺跡ティムガッドがアフリカに存在します。
なお、これらの例文で分かるように、世界遺産であるティムガッドはRoman Ruins of Timgad(ティムガッドのローマ都市遺跡)とします。
ティムガッドにまつわる歴史を紹介

次に、ティムガッドの歴史や都市計画についてみていきましょう。その時代、都市計画の特徴などを紹介します。
ティムガッドの歴史
ティムガッドは西暦100年ごろ、古代ローマ帝国の皇帝トラヤヌス帝(Trajan)によって築かれた軍事植民都市です。
トラヤヌス帝は在位が98年〜117年、古代ローマ帝国の「五賢帝」のうちの一人です。軍事・政治・土木事業などで高評価を受け、後世まで理想的な皇帝と呼ばれることもある人物です。
領土を拡大するなか、ティムガッドもその軍事植民都市となります。
訳)ティムガッドは、西暦98年~117年までローマ皇帝であったトラヤヌスの時代、西暦100年ごろに都市として建設されました。
ティムガッドの歴史的都市計画
トラヤヌス帝は、ローマがもっとも広かった時代の皇帝として知られていますが、建設好き、インフラ整備の名手としても有名です。
この時代、ローマには都市整備とインフラの開発が行なわれ、道路、水道、橋などの公共事業が積極的に推進されました。それらの技術がティムガッドにももたらされたのです。
訳)ティムガッドはローマの都市計画の特徴である、通りが直角に交差する完全な正方形の格子状に配置されていました。
perfect square grid(完全な正方形の格子状)という基板目状の街路構造が特徴です。
訳)グリッドプランは機能的に設計されており、住民に整理された移動しやすい都市を提供します。
これらの計画に凱旋門、劇場や大浴場など当時の都市計画の好例が見られます。
古代ローマ都市「ティムガッド」の見どころ

アフリカのポンペイと呼ばれるほど、保存状態が良いティムガッドですが、最後に観光ポイントを紹介します。
ティムガッドの見どころを紹介
ローマ皇帝であったトラヤヌスに造られ、ローマの都市計画の特徴である基板目状の区画を北アフリカの地で珍しい例として見ることができるのが世界遺産ティムガッドです。
ローマ劇場(Timgad Theatre)は約3,500人を収容できる半円形の野外劇場です。紀元1世紀に建てられ、ティムガッドの文化生活における舞台芸術の重要性を物語っています。現在でも文化イベントや公演が行なわれています。
そして、トラヤヌスの凱旋門(Arch of Trajan)も必見です。この都市の入り口に建つ3つのアーチを持つ門です。皇帝トラヤヌスに捧げられたティムガッドの象徴的存在です。
そして、ローマといえば公衆浴場です。コミュニティの大切な場としての浴場は、ティムガッドでも多数見ることができます。当時の人々の生活を想像し、散策するのが遺跡の楽しみですね。
まとめ
本記事では、アフリカのポンペイと呼ばれるアルジェリアの世界遺産「ティムガッド」の魅力を紹介しました。アルジェリアにはなかなか行く機会がないかもしれませんが、イタリアのポンペイに行けば、その後にロマンを求めてティムガッドの素晴らしい遺跡、当時の技術や人々の生活もみてみたいとなるかもしれませんね。
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