「ビッグフット(Bigfoot)」とは、アメリカやカナダを中心に目撃されている大型の猿人型未確認生物(UMA)です。全身が毛で覆われ、身長は2~3メートル、巨大な足跡を残すことから「ビッグフット」と名付けられました。
目撃情報は特に北アメリカの森林地帯で多く、非常に人間に似た姿をしている点が特徴的です。いまだにその正体は明らかになっておらず、UMA(未確認動物)の中では最も有名な存在の1つとも言えるでしょう。
未確認生物ビッグフットを詳しく解説
ビッグフットは、身長約2メートル、体重200〜350kgの大型で、全身に褐色や灰色の毛が密生した未確認生物(UMA)です。二足歩行をし、足跡は最大で約47cm、歩幅は1〜1.5mとされています。顔には毛がなく、鼻が低く、目が落ち窪んでおり、強烈な体臭を放つと報告されています。
ビッグフットの正体については「猿人やギガントピテクスの生き残り」などの説がある一方、学会では「クマの誤認」や「作り話」とする否定的な意見が多数です。実在論者の中でもアイダホ州立大学のジェフリー・メルドラム准教授は科学的証拠をもとに実在を主張しています。
また、ビッグフットに類似する伝承は古くからあり、1840年にはアメリカ先住民の間で「毛深い巨人」の話が記録されています。カナダ西海岸の先住民はこの存在を「サスクワッチ」や「サスカッチ」と呼び、神聖視していますが、現代のビッグフットと同一かどうかは不明です。これらの名称の語源や意味には諸説があり、「人に似た動物」といった解釈も存在します。
英語での説明
- Bigfoot is a large, unidentified creature (UMA) about 2 meters tall and weighing 200 to 350 kg, covered in thick brown or gray hair all over its body.
(ビッグフットは、身長約2メートル、体重200〜350kgの大型で、全身に褐色や灰色の毛が密生した未確認生物(UMA)です。) - It walks on two feet, and its footprints are up to about 47 cm long, with a stride of 1 to 1.5 meters.
(二足歩行をし、足跡は最大で約47cm、歩幅は1〜1.5mとされています。) - Some theories about Bigfoot’s identity include it being a survivor of ape-men or Gigantopithecus, but many scientists think it’s just misidentified bears or made-up stories.
(ビッグフットの正体については「猿人やギガントピテクスの生き残り」などの説がある一方、学会では「クマの誤認」や「作り話」とする否定的な意見が多数です。) - Native Americans on Canada’s west coast call this creature “Sasquatch” or “Saskatchewan” and consider it sacred, but it’s unclear if it’s the same as the modern Bigfoot.
(カナダ西海岸の先住民はこの存在を「サスクワッチ」や「サスカッチ」と呼び、神聖視していますが、現代のビッグフットと同一かどうかは不明です。)
ビッグフットは「妖怪」なのか?
日本には「妖怪」という文化があります。妖怪とは、人知を超えた存在であり、時には恐れられ、時には民話や伝承の中で親しまれてきました。
一方、ビッグフットも明確な証拠がなく、長年語り継がれてきた存在であることから、「西洋版の妖怪」と言えるかもしれません。現代の科学では説明しきれない存在に対し、地域ごとの文化や信仰が生み出したイメージが、妖怪=未確認存在としての共通点を見せています。
類似する日本の妖怪:山童(やまわろ)・猿鬼(えんき)
日本にもビッグフットに似た妖怪が存在します。
猿鬼(さるおに)
中国や日本の伝説に登場する巨大な猿のような鬼。人間と敵対することもありますが、信仰の対象となる場合もあるなど、存在意義が地域によって異なります。
これらの妖怪も、ビッグフットのように「山中の謎の存在」として語られています。
山童(やまわろ)
山に住むとされる毛むくじゃらの妖怪で、人間にいたずらをする存在。動物とも人間ともつかない容姿で、人里に現れることもあります。
日本の妖怪とビッグフットの共通点と相違点
北米で語られるビッグフットと、日本の伝承に登場する猿鬼(さるおに)や山童(やまわろ)は、どれも「人間のような姿をした毛むくじゃらの巨大な存在」として知られています。山深い自然の中に住み、目撃談があるものの、その正体は謎に包まれているという点で共通しています。
猿鬼(さるおに)との違い
猿鬼は、日本の山岳信仰や民話の中に登場する妖怪で、頭に一本の角をはやした猿の妖怪です。体はけむくじゃらで赤く腫れた顔をしていたと言われています。
田んぼや畑を荒らし、悪さばかりをするので、神様の怒りを買ってしまい住処であった西山から追い出されてしまいました。その後に心がすさみ切ってしまい、本物の化け物になってしまったのでした。
本物の妖怪となった後は村々を荒らして回りました。困り果てた村人たちは氏神様にお願いをし、とうとう退治されたのでした。
英語での説明
- The Saru-oni is a monster from Japanese mountain beliefs and folk tales.
(猿鬼は、日本の山岳信仰や民話の中に登場する妖怪です。) - It’s a monkey monster with one horn on its head.
(頭に一本の角をはやした猿の妖怪です。) - People said its body was very hairy and it had a red, swollen face.
(体はけむくじゃらで赤く腫れた顔をしていたと言われています。)
山童(やまわろ)との違い
山童(やまわろ)は主に九州や西日本に伝わる山の妖怪で、10歳の子どものような姿で描かれることが多いですが、猿鬼ほど凶悪ではありません。山の精霊のような存在で、人間に悪さをすることもありますが、どこか憎めない、いたずら好きなキャラクターとしても語られます。
例えば風呂を勝手に使い迷惑をかける一方で、山中での仕事を手伝ってくれるなど、人間とある程度の距離感で関わる存在です。
これは、日本の自然信仰や精霊信仰の延長線上にある存在であり、善悪で単純に割り切れないグレーな妖怪像を体現しています。
英語での説明
- The Yamawaro is a mountain monster mainly known in Kyushu and western Japan.
(山童は主に九州や西日本に伝わる山の妖怪です。) - It often looks like a 10-year-old child, but it’s not as mean as the Saru-oni.
(10歳の子どものような姿で描かれることが多いですが、猿鬼ほど凶悪ではありません。) - It’s like the spirit of the mountains. It sometimes does bad things to people, but it’s also seen as a mischievous character that you can’t really hate.
(山の精霊のような存在で、人間に悪さをすることもありますが、どこか憎めない、いたずら好きなキャラクターとしても語られます。)
以上のことから、ビッグフットは自然と人間の境界に立つ“未知の生物”、猿鬼は人間に災いをもたらす“怪物的な存在”、そして山童は人間と共存する“精霊に近い存在”として、それぞれ異なる文化的背景と意味合いを持って語られています。
ビッグフット=現代の妖怪?
ビッグフットはUMA(未確認動物)として科学的な検証の対象でもありますが、人間の想像力や恐れが生み出した怪物としての側面も強く持っています。
これはまさに、日本の妖怪文化にも通じるものです。妖怪は科学では解明できない自然や社会の不安を象徴し、人々がその存在を通じて世界を理解しようとした証です。
ビッグフットはアメリカ人にとっての妖怪であり、人間の想いや自然愛護が実体化したものとも言えるかもしれません。
まとめ:ビッグフットはUMAであり妖怪的存在でもある
- ビッグフットはアメリカで語られる未確認生物(UMA)
- 日本の妖怪文化と比較すると多くの共通点がある
- 山童や猿鬼など、日本にも類似する存在がいる
果たしてビッグフットは科学的に説明のつく人間の祖先的な存在なのか。それとも人間の妄想が作り出した架空の生き物なのか。その実態は長らく謎のままでした。そして、今後もその謎が解明される日が来るのでしょうか。
参考記事:Wikipedia