拓殖大学准教授 矢ヶ崎先生をゲストにお迎えしてお届けする特別企画!
拓殖大学の学生たちによる『1ヶ月間 Kimini英会話50回チャレンジ』の成果をご紹介します。
初回から50回目までの英会話力の伸びを客観的なデータに基づいて分析。矢ヶ崎先生による専門的な効果検証と解説をお楽しみください。
どんな取り組み?
まずは今回行われた英語学習における実験・取り組みについてざっくりご紹介。
拓殖大学の学生さんたちが短期集中型レッスンを通じて、英語力アップに挑戦しました!
夏休み(1カ月)を使ってオンライン英会話を受講
短期間で50レッスンを受講すると、英語力ってどのくらいアップするのか気になりませんか?
今回はそんな素朴な疑問にお答えするために、拓殖大学の学生さんに対し主にスピーキング力にフォーカスした実験を行いました。
対象は英語系の学部に限らず、主に商学部・経済学部の学生となります。
Before/Afterで英語力の上達度を比較
英語力の中には4技能(リーディング・リスニング・スピーキング・ライティング)がありますが、今回はスピーキングに注目。
中でも「プロソディ」に注目し、短期集中型のレッスンでどのくらい改善がみられるかを実験しました。
プロソディとは?
今回研究の軸となった「プロソディ」の概念は以下の通りです。
言語学における韻律(いんりつ)あるいはプロソディー(Prosody)とは、発話において現れる音声学的性質で、その言語の一般的な書記記録からは予測されないものすべてをいう。具体的には抑揚あるいは音調、強勢、音長、リズムなどを含むが、これらのうちで文脈によって異なりうるものを指すのであって、その言語で決まっているアクセント(高低アクセントあるいは強勢アクセント)、声調言語の声調、音長を弁別する言語における長母音・短母音の区別といった性質は含めない。
参考:ウィキペディア 様
先生の言葉をお借りするとプロソディとは、「喋っているリズム」のことです。
スピーキングという抽象的な概念の中から、プロソディに注目し音声解析というアプローチを使って、どのくらい差が出るのかを実験しました。
どうなった?
今回のプロソディに注目した研究では、実際どのような結果が出たのでしょうか。
英語学習者のレベルに応じて少し結果に変化があったので、以下に情報をまとめました。
初学者ほど大きな改善が見られた
結論からいうと、短期集中型のオンライン英会話レッスンを通じて、初学者ほど英語力に改善が見られました。
前提オンライン英会話という今回の取り組み以外にも、個人単位で学習をしていた場合それがきっかけの可能性もあります。
ただし、今回の取り組みがきっかけで学習に目を向けることになったともいえるので、いずれにせよ「効果的であった」と言えるでしょう。
Before/Afterで150点ほどスコアアップ
具体的に定量データで示すと、今回の短期集中型レッスンを通じて全体の点数が150点ほどアップしました。
またより細分化したデータをみると、語彙力(Vocabulary)や聴く力(Listening)。文法(Grammer)も全体的にスコアアップしていることが分かります。
特に発音(Pronunciation)や流暢さ(Fluency)が顕著に伸びている、これがオンライン英会話の成果であるといえるでしょう。
プロソディにおいてもポジティブな結果が出た
英語の様々な側面からスコアアップしたのはもちろんですが、今回は特に研究の軸であった会話のリズム(プロソディ)の部分もしっかりと結果が出ていることが分かります。
こちらは英語講師と生徒さんの英会話音声データですが、波が出ている=英語ならではの抑揚が出ているということなので、「英語っぽいリズムで喋れている」ということになるのです。
一方で緊張感は取れなかった
インセンティティ(緊張度)の部分を見ると、1カ月では英語を喋ることに対する緊張感は解消されませんでした。
実際データをみると、英語講師の音声データは緑の線が下の方にある一方で、生徒さんたちは緑の線について常に高く出てしまっていることが分かります。
ただしこれはどんなに英語が得意な人であっても、日本人は特に緊張しがちなので仕方がない部分でしょう。
もちろんコミュニケーションに置いては緊張感がない方がベターではありますが、1カ月という短期間では深層心理的な部分の改善はできなかったようです。
無言の時間が減ってきた
緊張感は改善が見られなかった一方で、ポーズしてしまう時間(無言の時間)は減ったことがわかりました。
緑の線がない所を=ポーズの時間なので、ビフォーアフターでその時間が明らかに減っていることが分かるでしょう。
中でも中級の人は「音の連結」が特に改善されて、会話と会話の繋ぎ部分がしっかりと繋がっていることが分かります。
ボキャブラリーの誤用が減った
最後にボキャブラリーの部分です。
こちらは英語を喋っていく中での、単語や文法の使い方の間違いがどのくらいあったのかを定量化したデータとなります。
ボキャブラリーのミスは英会話レッスンだけの効果ではないかも知れませんが、ビフォーアフターでしっかりと減っています。
中級の学生よりも、初心者の方が喋る節、語彙数、誤用に大きな改善が見られました。
大学生が1ヶ月で50レッスン!Before / After事例
今回記事で取り上げていた短期集中型レッスンの事例をご紹介します。
実際の生徒さんがどのように英語力が変化したのか。そもそもどんな取り組みだったのかを実際の声を元に見ていきましょう。
①拓殖大学の学生3名のBefore/Afterです。
動画では拓殖大学の学生さん3名が実際に英語を喋っている姿がまとまっています。
それぞれ英語力に差はありますが、短期集中型レッスンを通じて顕著にスピーキング力、プロソディが改善しているでしょう。
②拓殖大学政経学部准教授 矢ヶ崎邦彦(やがさき くにひこ)先生 が、Kimini英会話学習効果をデータを基に解説。
矢ヶ崎邦彦プロフィール
矢ヶ崎邦彦(やがさき くにひこ)。1983年生まれ。拓殖大学大学院言語教育研究科博士前期課程を2008年に修了し、修士(言語教育学)の学位を取得。その後、浦和実業学園中学校・高等学校の教諭を務めた経験を持ち、現在は新たな職場で活躍中。専門分野は英語教育学および応用言語学となる。
今回の研究に至った動機:
先行研究の中で初級学習者は、オンライン/短期集中型の英会話で伸びたという証明はあった中、我々は音声解析を通じて、プロソディ(喋っているリズム)が育成されるかを実証的に研究した。
先生からのアドバイス:
長くやり続けることが英語学習において重要だと思うし、何かしらの目標が必要だと思います。
その上で重要なのが「パッション」。情熱を得るためには好きなこと(アメリカ人の彼女が欲しいでもなんでも)、つまり最終的案着地点を持っていただきたいし、忍耐強くやっていただきたいと思います。
あと「一歩踏み出す勇気」。留学に行く前の段階でオンライン英会話は特に重要だと思うし、留学にいく事前にオンライン英会話など、自分で勉強することが重要だと思います。