歯の痛みやトラブルは訪日外国人や在住外国人であっても、国境を超えて起こります。海外の方が日本の歯科医院を訪れる機会が増える中、基本的な英語対応ができることは大きな強みです。
この記事では、歯科医院の受付スタッフや歯科衛生士などが日常業務で使える実用的な英単語とフレーズを紹介し、具体的なロールプレイングを通して実践的なコミュニケーション方法をまとめていますので、ぜひトライしていきましょう。
1. 歯科医院の受付で使える英単語とフレーズ
まず、受付でよく使われる英単語と基本フレーズを紹介します。
基本的な歯科関連英単語
- 歯科医院:dental clinic / dental office
- 歯科医師:dentist
- 予約:appointment
- 保険証:health insurance card
- 診察券:patient card
- 問診票:medical questionnaire
- 治療費:treatment fee
- 自己負担:out-of-pocket expense
- 待合室:waiting room
- 診療時間:office hours
- 急患:emergency patient
受付での基本フレーズ
- “Welcome to our dental clinic. How may I help you today?”
(当院へようこそ。本日はどのようなご用件ですか?) - “Do you have an appointment?”
(ご予約はありますか?) - “Could I see your health insurance card, please?”
(保険証を拝見できますか?) - “Please fill out this medical questionnaire.”
(こちらの問診票にご記入ください) - “The dentist will see you in about 15 minutes.”
(あと15分ほどで診察になります)
2. 歯科衛生士・歯科助手のための英単語とフレーズ
歯科治療関連の英単語をまとめて覚えましょう。
- 虫歯:cavity / dental caries
- 歯垢:plaque
- 歯石:tartar / calculus
- 歯茎:gum
- 歯周病:gum disease / periodontal disease
- 抜歯:tooth extraction
- 詰め物:filling
- かぶせ物:crown
- 入れ歯:denture
- インプラント:implant
- スケーリング:scaling
- クリーニング:cleaning
- 歯ブラシ:toothbrush
- デンタルフロス:dental floss
- フッ素:fluoride
治療前後の説明フレーズ
- “I’m going to clean your teeth today.”
(今日は歯のクリーニングを行います) - “This might cause some discomfort, but please let me know if it hurts.”
(少し不快感があるかもしれませんが、痛みがあれば教えてください) - “Please rinse your mouth with this water.”
(この水でうがいをしてください) - “I’ll show you the proper way to brush your teeth.”
(正しい歯磨きの方法をお見せします)
3. 実践ロールプレイング
実際に、歯科医院の現場を想定したロールプレイングをシーン別に見ていきましょう。
シーン1:初診受付
(おはようございます。さくら歯科へようこそ。どのようなご用件ですか?)
(こんにちは。歯が痛くて歯医者に診てもらいたいです)
(承知しました。初診となりますので、この問診票にご記入いただけますか?また、保険証を拝見できますか?)
(はい、保険証はこちらです。歯医者に診てもらうまでどのくらい待ちますか?)
(約20分ほどでお呼びできます。記入が終わりましたら、待合室でお待ちください)
シーン2:歯科衛生士による説明
(こんにちは、山田と申します。歯科衛生士です。今日は鈴木先生の診察の前に、歯のクリーニングを行います)
(痛みますか?私は歯が敏感なんです)
(優しく行います。不快感があれば教えてください。いつでも中断できます)
(歯垢が少したまっていますね。定期的にフロスをしていますか?)
(あまりしていません。それは重要ですか?)
(はい、フロスは歯ブラシが届かない歯の間の歯垢を取り除くのに役立ちます)
4. 症状や治療の説明に役立つフレーズ
実際の治療で役に立つフレーズをチェックしていきましょう。
症状を聞き取るフレーズ
- “Where does it hurt?”
(どこが痛いですか?) - “When did the pain start?”
(いつから痛みがありますか?) - “Is the pain constant or does it come and go?”
(痛みは常にありますか、それとも断続的ですか?) - “Does it hurt when you eat hot or cold foods?”
(熱いものや冷たいものを食べると痛みますか?)
治療の説明フレーズ
- “You have a cavity that needs to be filled.”
(虫歯があるので詰め物が必要です) - “We need to take an X-ray of your teeth.”
(レントゲン撮影が必要です) - “This procedure will take about 30 minutes.”
(この処置は約30分かかります) - “You might feel some numbness for a few hours after the anesthesia.”
(麻酔の後、数時間は少ししびれを感じるかもしれません)
5. 外国人患者対応のヒント
言葉や文化の壁がある外国人の方とのコミュニケーションは、下記の4つをヒントに取り組みましょう。
- 専門用語はできるだけ避け、シンプルな表現を使いましょう。
- 必要に応じて絵や写真を使って説明すると理解が深まります。
- ゆっくり明瞭に話し、患者の表情を見ながら理解度を確認しましょう。
- 翻訳アプリや多言語説明資料を準備しておくと安心です。
まとめ
歯科医院での英語コミュニケーションは、単なる言葉の置き換えではなく、患者さんの不安を和らげ、適切な治療につなげるためのものです。基本的な英単語やフレーズを覚え、ロールプレイングで練習することで、自信を持って外国人患者に対応できるようになります。スタッフ全員で英語力を高めることが、歯科医院の国際化対応と患者満足度向上につながるでしょう。