アフリカ北東部に位置する国エチオピア。そのエチオピア南部の高地にはコンソ族と呼ばれる人々が石垣を積み上げて築いた段々畑があります。その一帯、そして彼らの独自文化が世界遺産に登録されていることをご存知ですか?

この記事では、エチオピアの世界遺産「コンソ」を解説します。どのような世界遺産なのか、何が特別なのか、英語表現とともに紹介します。なかなか訪れることのないエチオピアの世界遺産の旅に出かけましょう。

「コンソ」の基本情報を紹介

「コンソ」の基本情報を紹介

まず、コンソのあるエチオピア、そしてコンソがどういう場所であるかを紹介します。

アフリカ北東部のエチオピア

エチオピアは英語でEthiopia、正式にはエチオピア連邦民主共和国(Federal Democratic Republic of Ethiopia)になります。
人口は約1億1700万人と多く、長い歴史を持つ多民族国家です。貨幣はエチオピア・ブル(Ethiopia Birr)、公用語はアムハラ語になります。エチオピアは、コーヒー発祥の地としても知られています。

エチオピアの「コンソ」とは?

「コンソ」とは、エチオピア南西部リフトバレーに広がる広陵地帯を指します。この地域では、コンソ族が数百年に渡って築き上げてきた独自の農業技術や集落構造、そして精神文化が存在します。

コンソの英語フレーズを紹介

コンソを英語にすると”Konso”になります。ここでは、コンソに関する英語表現を例文でみてみましょう。

コンソを英語で紹介

コンソを英語は”Konso”でしたね。コンソがどこにあるのか、どのようなエリアなのか英語で説明します。

Aさん
Konso is located in the arid highlands of Southwestern Ethiopia.
訳)コンソはエチオピア南西部の乾燥した高地に位置しています。
Aさん
Konso Cultural Landscape is an arid property of stone walled terraces and fortified settlements in the Konso highlands of Ethiopia.
訳)コンソ文化的景観は、エチオピアのコンソ高原にある石壁の段々畑と、要塞化された集落からなる乾燥した土地です。

例文では「コンソ文化的景観」を英語フレーズ”Konso Cultural Landscape”で表現しています。
日本にも美しい段々畑がありますが、英語では”terrace”と表し、コンソの特徴として”stone walled terraces”で「石壁の段々畑」としています。

Aさん
The terraces continue in their original arrangements, use and function.
訳)段々畑は、当初の配置、用途、そして機能を保っています。

コンソは、標高800~1,800メートルの丘陵地帯に位置するコンソ地域を指します。

引用:UNESCO World Heritage Centre

コンソが世界遺産になった理由は?

コンソは石段による段々畑と、要塞化された集落という特徴を持っています。ここでは、コンソが世界遺産に登録された年や理由を英語でみていきましょう。

コンソが世界遺産になった年

Aさん
Konso was designated as a UNESCO World Heritage Sites in 2011.
訳)コンソは、2011年にユネスコの世界遺産に登録されました。

ちなみに、コンソは約55平方キロメートルもの面積になります。

コンソが世界遺産になった理由とは?

次に、コンソが世界遺産に登録された理由を紹介しましょう。

Aさん
The association between these stone terraces and the fortified towns in their midst are features of an exceptional cultural landscape, which also bears testimony to a living tradition of stele erection.
訳)これらの石段とその周囲に築かれた要塞都市とのつながりは、類まれな文化的景観の特徴であり、石碑建立の伝統が生きていたことを証明しています。

このように、独自の文化的伝統の証拠であり、なおかつ、人間と環境の相互作用の顕著な例としての価値がコンソにはあり、それが世界遺産に登録された理由なのです。石段は環境へ洗練された適応戦略を示し、石段の建設に必要だった労働力は氏族間の強い絆を必要としました。

引用:UNESCO World Heritage Centre

コンソ族を紹介

コンソが世界遺産になった理由は?

エチオピア南部は、多様な少数民族がいることで有名です。その数80、言語は100を超えると言われています。例えば、既婚の女性が下唇に平らなプレートをつける文化を持つムルシ族をはじめ、ハマル族やカロ族などなど多くいます。そして、コンソ族も少数民族のひとつです。

コンソ族関連の英語

少数民族コンソ族は、600~700年前に集落が形成されたと言われています。
コンソ族は”Konso people””Konso tribe”といった英語フレーズで表現します。

Aさん
The Konso people tend to be small and wiry, with high cheekbones and pointed chins.
訳)コンソ族の人々は小柄で筋肉質、頬骨が高く顎が尖っているという傾向があります。

“wiry”は人や体などが筋張った、毛などが硬いという意味を持ちます。例文の訳では(顎が)尖っているというコンソ族の特徴を表現しています。

Aさん
The estimated total population of the Konso tribe is around 476,000.
訳)コンソ族の推定総人口は約47万6,000人です。
Aさん
The Konso people are well known for their distinctive religious and cultural traditions, including their unique funerary rituals involving elaborate music and dance.
訳)コンソ族は、精巧な音楽と踊りを伴う独特の葬儀の儀式を含む、独特の宗教的、文化的伝統でよく知られています。

コンソ族は、石垣を積み上げて築いた段々畑を用いた農業を行ないます。この農法によって、土壌の侵食を防げたり、限られた土地資源を最大限に活かすことができます。主な作物はとうもろこしやソルガム(稲科の穀物)、そして家畜の飼育や養蜂も行なわれます。

コンソの見どころとアクセス紹介

コンソの見どころとアクセス紹介

コンソでは現地のガイドとともに集落を訪れ、コンソ族の伝統的な様式、また文化に触れることができます。

コンソの文化的景観

コンソの村は、他の部族との戦いや野生動物に備えるため、周囲を石垣で囲っています。人々の住む住宅は円形のとんがった屋根が特徴です。その村では、働き者のコンソ族が効率的に作物を育て、自給自足を維持するための工夫が随所に見られます。

コンソへのアクセス

日本からエチオピアへは乗り継ぎ1回で、首都であるアディスアベバ(Addis Ababa)に到着します。アディスアベバからコンソへの直行バスがないため、アルバミンチ(Arba Minch)という街までいき、路線バスでコンソへ向かうことになります。

まとめ

本記事では、エチオピアの世界遺産「コンソ/Konso」を紹介しました。コンソは標高800~1,800メートルの丘陵地帯に位置するコンソ地域を指し、そこには今も少数民族のコンソ族が生活をしています。コンソ族の築き上げた生活と文化が人類の文化遺産として2011年、世界遺産に登録されたのです。