ドイツ西部の都市アーヘンは、ベルギーやオランダの国境にも近い場所にあります。小さな街ですが、ヨーロッパの歴史を動かした偉大な皇帝・カール大帝が築いた、壮大な大聖堂が今も町の中心にそびえ立っています。

アーヘン大聖堂」は、北ヨーロッパ最古の大聖堂の一つであり、1978年には世界で初めて登録されたユネスコ世界遺産の一つでもあります。

アーヘン大聖堂とは?

アーヘン大聖堂とは?
かつてヨーロッパの支配者として名を馳せたカール大帝が建て、そして埋葬された大聖堂、それがアーヘン大聖堂です。

この聖堂は、カール大帝が8世紀末に建設を始め、何世紀にもわたって増改築が繰り返されてきました。現在は時代ごとの建築様式が融合した独特の姿を見せています。

かつては神聖ローマ帝国の皇帝の戴冠式もここで行われており、神聖な場所としてだけでなく、政治的にも重要な意味を持つ建物でした。

皇帝の大聖堂?

アーヘン大聖堂が「皇帝の大聖堂」と呼ばれる理由は、まさにこの場所に眠る偉大な皇帝・カール大帝の存在にあります。

カール大帝はフランク王国を統一し、西ヨーロッパの大半を支配した人物で、カロリング朝ルネサンスという文化的復興を推進したことでも知られています。彼が786年にこの地に王宮と礼拝堂の建設を始めたことが、アーヘン大聖堂の始まりです。

814年に彼が亡くなると、その遺体は自らが建てたこの大聖堂に埋葬されました。そしてその後、10世紀末から約600年間にわたり、30人の神聖ローマ皇帝がここで戴冠式を挙げたことにより、「皇帝の大聖堂」として知られるようになったのです。

アーヘン大聖堂-Wikipedia

世界遺産としての価値

アーヘン大聖堂(Aachen Cathedral)は、1978年ユネスコの世界遺産に登録されました。これは世界遺産制度が始まったその年の登録であり、実は「ドイツ初」かつ「世界でも初期の登録」の栄誉を持つ建造物です。

登録理由は?

ユネスコがアーヘン大聖堂を世界遺産に登録した理由は以下の通りです。

  • 文化的・歴史的重要性:中世ヨーロッパの宗教・政治の中心地であり、皇帝の戴冠式という儀式が繰り返された特別な場。
  • 建築的価値:カロリング朝建築の傑作であり、後のロマネスク建築に大きな影響を与えたこと。
  • 保存状態の良さ:オリジナル部分(八角形の礼拝堂など)が良好に保存されており、歴史を直接感じられる点。

このようにアーヘン大聖堂は、建築、歴史、芸術の面でヨーロッパ文化の核といえる存在なのです。

UNESCO World Heritage Convention:Aachen Cathedral

覚えておきたい英会話フレーズ

アーヘン大聖堂を訪れると、その美しさと歴史に圧倒されます。そんな体験を英語で話す場面を想定した会話を紹介します。

Aさん
I can’t believe how old that cathedral is. Over 1200 years!
訳)あの大聖堂が1200年以上前のものなんて、信じられない!
Bさん
And it’s still standing strong. The architecture is amazing.
訳)それなのに、まだあんなにしっかり残ってる。建築が本当にすごいね。
Aさん
Did you see the golden shrine? That’s where Charlemagne is buried.
訳)黄金の棺、見た?あそこにカール大帝が眠ってるんだよ。
Bさん
Yes! It felt like touching history.
訳)うん!歴史に直接ふれた気がしたよ。
Aさん
The stained glass was breathtaking.
訳)ステンドグラス、息をのむほどきれいだったね。
Bさん
Especially the ones in the glass chapel. So colorful.
訳)特に「ガラスの礼拝堂」のは色彩がすごかった。
Aさん
I learned that 30 emperors were crowned here.
訳)ここで30人の皇帝が戴冠したって知ってた?
Bさん
Really? No wonder it’s called the Imperial Cathedral.
訳)本当に?それで「皇帝の大聖堂」なんだね。
Aさん
Let’s visit the treasure chamber next.
訳)次は宝物館に行こうよ。
Bさん
Great idea! I want to see Charlemagne’s bust.
訳)いいね!カール大帝の胸像が見たい!

おすすめスポット

おすすめスポット

アーヘン大聖堂の見どころを厳選してご紹介します。歴史的・芸術的に魅力あふれる場所ばかりです。

ガラスの礼拝堂

カール大帝没後600年を記念して設けられた礼拝堂は、「ガラスの家(House of Glass)」とも呼ばれます。その理由は、高さ25メートルにも及ぶゴシック様式のステンドグラスが、周囲をまばゆく彩っているからです。

ここには「カールのシュライン(Charlemagne’s Shrine)」と呼ばれる黄金の棺が安置されており、その細工の緻密さと荘厳さは必見です。

八角形のドーム

大聖堂の中心部分にあるのが、八角形の礼拝堂(パラティン礼拝堂)です。ロマネスク様式のこの建物は、カール大帝自身が最も重要視した空間でした。

中世ヨーロッパでは「8」はキリスト教で「復活」を象徴する数字とされ、この形にされたと考えられています。32メートルの高さを持つドームには、ビザンティン風の金色のモザイク画が壁と天井に施され、中央には48灯のシャンデリアが堂々と吊るされています。

シャルルマーニュの玉座

八角形の礼拝堂の2階には、カール大帝(シャルルマーニュ)の玉座が今も残っています。シンプルながら荘厳なこの石の椅子は、10世紀以降の皇帝たちが戴冠式で実際に座ったとされる歴史的な品です。中世の神聖さを感じる空間です。

バルバロッサシャンデリア

八角形ドームの中央に吊るされているのが、金色に輝く「バルバロッサシャンデリア」。12世紀に皇帝フリードリヒ1世(バルバロッサ)が寄進したもので、48の燭台が放射状に広がる姿は圧巻です。

Pala d’Oro

主祭壇の背後には、「Pala d’Oro(黄金の祭壇画)」があります。これは金と宝石で装飾された豪華な祭壇画で、キリストや聖人たちの姿が細やかに彫られています。ビザンティン様式の影響を色濃く受けたこの作品は、美術的にも非常に価値が高いものです。

宝物館(Cathedral Treasury)

大聖堂に隣接している宝物館では、中世ヨーロッパのキリスト教文化を代表する宝物を見ることができます。
代表的な展示品には以下のようなものがあります。

  • カール大帝の黄金の胸像
  • 聖遺物箱(聖人の骨を納めた箱)
  • 戴冠式に使われた祭具や装飾品

その美しさと荘厳さは、まさに「生きた中世の博物館」です。

おわりに:英語で世界遺産を旅しよう

アーヘン大聖堂には、ヨーロッパ統一の夢を見たカール大帝の精神や、宗教と権力が一体となっていた時代の空気が色濃く残っています。

英語でその感動を誰かと分かち合えたら、旅はさらに深く、思い出深いものになります。

世界遺産を通じて、英語を使いながら歴史や文化を味わう体験を、ぜひあなた自身の旅に取り入れてみてください。