スイス南東部、イタリアとの国境近くにひっそりとたたずむ小さな村・ミュスタイア。そこにあるのが聖ヨハネ修道院(Benedictine Convent of St John at Müstair)です。
この修道院は8世紀末に建てられ、今なおカロリング様式の建築美と、中世ヨーロッパ最大級のフレスコ画を残しています。1983年、ユネスコ世界文化遺産に登録されました。
この記事では、修道院の歴史や見どころを紹介しつつ、すぐに使える英語フレーズも散りばめました。
ミュスタイアのベネディクト会聖ヨハネ修道院とは?

聖ヨハネ修道院は、8世紀末にカール大帝の時代に建てられたとされます。建物はのちにゴシック様式やロマネスク様式の要素を取り入れ、保存状態が良いカロリング建築の一つと評価されています。
内部のフレスコ画は9世紀から12世紀に描かれたもので、スイス最大規模。旧約聖書から新約聖書にわたる壮大な物語が、壁一面に広がります。
ミュスタイアとはどんな町?
ミュスタイアは、スイス南東部のグラウビュンデン州にある小さな村。人口は数百人ほどで、イタリア国境のすぐ近くに位置します。
「Müstair」という名前は、ロマンシュ語で「修道院」を意味する言葉から来ているといわれています。まさにこの町の存在そのものが、修道院と共に歩んできた歴史を物語っています。
聖ヨハネ修道院の歴史
修道院は780年頃、クールの司教によって建設されたと考えられています。以来1200年以上にわたり、ヨーロッパの政治・宗教・文化の影響を受けながら存続してきました。
1035年には敷地内にロマネスク様式の司教邸が建設され、聖ウルリッヒと聖ニコラウスの礼拝堂が設置されます。1167年頃には女子修道院に改められ、12世紀以降、修道院教会に新たにロマネスク様式のフレスコ画が描かました。20世紀、修復作業中にカロリング時代の壁画が再発見されます。
ベネディクト会とは?
ベネディクト会は、6世紀に聖ベネディクトゥス(St. Benedict of Nursia)によって創設された修道会です。修道院の規範として、「従順、清貧、貞潔、定住、祈りの共同生活」などを立ち上げました。
この規範は後のフランシスコ会やドミニコ会などにも影響を与え、西欧の修道院文化の基盤となりました。
聖ベネディクトゥスの妹・スコラスティカも女子修道院を設立し広がりを見せました。
アクセスと訪問のヒント
ミュスタイアへは、スイス鉄道でサンモリッツやクールから最寄り駅まで行き、そこからバスでアクセスするのが一般的です。チューリッヒからは車で約3〜4時間。周辺は自然豊かな谷あいで、夏はハイキング、冬は雪景色の中で静かな修道院を訪れる楽しみがあります。
訳)ミュスタイアへはどう行けばいいですか?
訳)修道院は今日、見学できますか?
世界遺産としての価値
ミュスタイアのベネディクト会聖ヨハネ修道院は1983年にユネスコ世界遺産に登録されました。
主な登録理由は次のようなことです。
- カロリング朝時代の宗教的建築と芸術の保存状態が非常に良好であり、キリスト教の図像的テーマの進化を理解するという点において重要である。
UNESCO World Heritage Convention:Benedictine Convent of St John at Müstair
覚えておきたい英語
ここで、この記事に関連のある単語をピックアップして覚えましょう。
fresco(フレスコ画)
The frescoes depict scenes from the Bible.(そのフレスコ画は聖書の場面を描いています)
World Heritage Site (世界遺産)
The convent was registered as a World Heritage Site in 1983.(その修道院は1983年に世界遺産に登録されました)
faith(信仰)
The convent has been a place of faith for centuries.(その修道院は何世紀にもわたって信仰の場であり続けました)
pilgrimage(巡礼)
Many people visit the convent as part of their pilgrimage.(多くの人々が巡礼の一環として修道院を訪れます)
旅先で使える英会話フレーズ
旅先で感動を言葉にしたいときに使えるフレーズを紹介します。
訳)わあ、このフレスコ画、本当に息をのむほど美しいわ!
訳)そうだね、スイス最大規模だと言われているよ。
訳)この修道院はいつ建てられたの?
訳)780年ごろ、カール大帝の時代だよ。
訳)今もここで人は暮らしているの?
訳)うん、今も修道女たちが暮らしているよ。
おすすめ見どころ

聖ヨハネ修道院は、歴史を感じさせるフレスコ画や修道女たちの生活を支えた施設など、多彩な魅力を備えています。訪れる人を中世の世界へと誘う見どころをご紹介します。
聖ヨハネ修道院
修道院そのものが最大の見どころです。8世紀末の創建以来、今も修道女が暮らし、祈りと労働の伝統を守り続けています。歴史と生活が息づく「生きた世界遺産」として訪れる人を魅了します。
聖十字架教会
修道院の一角に建つ小さな教会で、9世紀の壁画が残されています。静謐な雰囲気の中で、中世の祈りの世界を体感できます。
プランタ塔
塔と居住施設を兼ねた城塞として10世紀頃に建てられた石造りの塔。現在は博物館として公開されています。
ロマネスク様式のフレスコ画
9世紀から12世紀に描かれたフレスコ画は見どころです。20世紀初頭、改修工事の最中に発見され、中世フレスコ画としては最大かつ最も保存状態の良いものとされています。
南側の壁にある「神の創造」のシーン、さまざまな聖人たちが描かれているフレスコ画は、中世の宗教観や芸術のスタイルを「リアルに体感」できる感覚を与えます。
農業のための付属的な施設
修道院の敷地は高い外壁で囲まれており、その中には農業のための施設も含まれています。これは修道女たちが「祈りと労働」を実践し、自給自足の生活を営んできた証。
おわりに:英語で世界遺産を旅しよう!
ミュスタイアの聖ヨハネ修道院は、1200年を超える信仰の歴史と、人々が紡いできた物語が刻まれています。
英語でその魅力を表現できれば、旅はもっと鮮やかになります。たとえば「The frescoes are breathtaking!」と口に出すだけで、その感動がより深く心に残るはずです。
