スペイン中西部、カスティーリャ・イ・レオン州の中心にあるサラマンカ。トルメス川のほとりに広がるこの街は、古代ローマ時代からの長い歴史を持ち、1988年に「サラマンカの旧市街」として世界遺産に登録されました。
旧市街は芸術・建築の傑作で彩られ、「La Dorada(ラ・ドラダ/黄金の街)」とも呼ばれています。
本記事では、サラマンカ旧市街の歴史や魅力を英語を交えながら紹介します。
サラマンカの旧市街とは?

13世紀にサラマンカ大学が設立されると、この街にはヨーロッパ中から学者や神学者、芸術家、科学者たちが集まりました。この頃黄金期を迎え、「知を求める者はサラマンカへ行け」という言葉まで生まれたほど。
街全体が大学とともに歩んできたこの地は、ロマネスク、ゴシック、ルネサンスなど、多彩な建築様式が重なり合う「生きた博物館」のような場所です。
サラマンカの歴史
サラマンカの起源は古代ローマ時代。交易都市として栄えた後、8世紀にはイスラム勢力に支配されましたが、11世紀後半にはキリスト教徒によるレコンキスタ(再征服運動)で奪還されます。
13世紀、レオン王国のアルフォンソ9世がサラマンカ大学を創設し、学問都市としての地位を確立しました。中世には神学や哲学だけでなく、天文学・地理学・法学の研究が盛んで、大航海時代を支える知識の礎がここで築かれました。
一方で、宗教裁判や反宗教改革運動など、スペインの光と影の歴史も刻まれています。
建築様式
サラマンカの街並みの魅力は、その建築様式の多様さにあります。
イスラム様式、ロマネスク、ゴシック、ルネサンス、そしてバロック。特にこの地で発展した「プラテレスコ様式(Plateresque style)」は、繊細な彫刻装飾で知られ、まるで銀細工のような美しさを放ちます。
建物の多くは、酸化鉄を含んだ石材で造られており、夕方の光を浴びるとオレンジ色や黄金色に輝きます。
世界遺産としての価値
サラマンカの旧市街(Old City of Salamanca)は1988年にユネスコの世界文化遺産に登録されます。
登録された理由
世界遺産に登録されたのは、以下のような点が評価されたことからです。
登録基準ⅰ
サラマンカは、ヨーロッパの建築美を集めた壮麗な都市景観を今に伝えています。マヨール広場はバロック式の美しい広場で、18世紀のヨーロッパを代表する都市景観です。
登録基準ⅱ
ロマネスクからバロックまで多様な建築様式が融合し、スペイン建築の発展を物語っています。チュリゲラ様式はイベリア半島だけでなくラテンアメリカにも影響を与えました。
登録基準ⅳ
中世から近世にかけて学問・信仰・文化の中心地として栄えたサラマンカは、大学都市としての典型例です。その街並みは、知と文化の発展を支えたヨーロッパ都市の姿を伝えています。
覚えておきたい英語
この記事に出てきた英単語をピックアップして例文とともに紹介します。
scholar(学者)
Salamanca attracted many great scholars.
サラマンカには多くの偉大な学者が集まった。
cathedral(大聖堂)
The cathedral shows both Gothic and Baroque styles.
その大聖堂はゴシックとバロック様式の両方を示している。
carved(彫られた/刻まれた)
The university’s facade is beautifully carved.
大学のファサードは美しく彫刻されている。
heritage(遺産)
The old city is full of cultural heritage.
旧市街は文化遺産に満ちている。
astronomy(天文学)
Astronomy was one of the main studies here.
ここでは天文学が主要な学問のひとつだった。
旅先で使える英会話フレーズ

海外の旅先で、英語で質問したり感動を共有したりするときに英語で話せると便利ですね。そんなときに使える会話フレーズを紹介します。
訳)わあ、この広場すごくきれい!
訳)そう、ここがサラマンカの中心、マヨール広場だよ。
訳)この大学、13世紀に建てられたって知ってた?
訳)本当に?今もすごく荘厳だね!
訳)なんで建物が日差しで金色に見えるの?
訳)建材に使われてる砂岩の色なんだよ。
訳)広場でコーヒーでも飲んで景色を楽しみましょう。
訳)いいね!ここは最高の教室だね。
おすすめ見どころ
サラマンカの旧市街には、歴史と芸術が息づく見どころが点在しています。美しい広場や荘厳な大聖堂、知の象徴である大学など、どこを歩いても感動するところばかり。たくさんある中でもとくにおすすめしたい見どころを紹介します。
マヨール広場(Plaza Mayor)
「スペインで最も美しい広場」のひとつ。18世紀にチュリゲラ家によって設計されたこの広場は、優雅なアーチが連なるバロック建築の傑作です。「マヨール(市庁舎)」があるという意味です。カフェやバルなどが並び、作家や芸術家が集まる場所でした。現在は地元の人々と観光客が集う憩いの場となっています。
サラマンカ新大聖堂(New Cathedral of Salamanca)
16~18世紀にかけて建てられた壮大な大聖堂。ゴシックからバロックまで複数の様式が融合しています。外壁にはなんと宇宙飛行士の彫刻もあり、訪れた人を驚かせます。
サラマンカ大学(University of Salamanca)
1218年創設のスペイン最古の大学。プラテレスコ様式の精緻なファサードが有名です。ファサードに隠された「カエルの彫刻」を見つけると幸運が訪れると言われています。
旧市街の街並み
サラマンカの街はオレンジ色の石造りの建物で統一され、夕方には街全体が黄金に輝きます。石畳を歩けば、過去と現在が調和する不思議な時間旅行のような体験ができます。
おわりに:英語で世界遺産を旅しよう!
サラマンカは、学問と芸術の香りが漂う知の都。石畳の路地を歩けば、そこかしこに中世の面影と大学文化の誇りが息づいています。
世界遺産を訪れることは、歴史を学ぶだけでなく、英語を通じてその背景に触れる絶好のチャンスでもあります。英語で世界遺産の案内板を読んだり、現地の人と会話したりすると心が通じ合うはず。次の旅では、英語を味方に、世界の街をもっと楽しんでみましょう。

