今回は「お母さん」の英単語がテーマです。
一見簡単そうですが、mom/mum/mommy/mummy/motherの使い分けはバッチリできていますか?
そしてその中のどれにも当てはまらない、日本語の「ママ」って何なのでしょう?
という点も考えます。
例文を含めてまとめたので、ぜひ参考にしてみて下さいね。
「お母さん」の英語の呼び方その1
mom/mum
「お母さん」の最も一般的な呼び方は“mom/mum”です。
スペルは、アメリカ英語では”mom”、イギリス英語では”mum”になります。
“mother”と呼ぶと、よそよそしい感じがしたり、厳格な母親である印象を受けます。
“mom”はより親しみや愛情を感じる言い方で、大人でも普通に使います。
一部、アメリカの地方によっては”mama”という言い方もある様ですが少数派です。
What is your mom like?
訳)あなたのお母さんてどんな感じ?
My mom is very friendly and talks a lot. I’m sure you’ll like her.
訳)僕のお母さんはすごく社交的で良く話す人だよ。気が合うと思うよ。
Dad, did you see Mom?
訳)お父さん、お母さん見た?
She went out with Sara’s mom.
訳)サラのお母さんと出かけてったよ。
上の例の様に、例えば家族内では、「私の~」という”my”をわざわざいれると不自然ですよね。
この場合の”Mom/Mum”は、固有名詞であると考えます。よって最初の文字は大文字にします。
それから、同じ様な発音の単語として“Ma’am”がありますが別物です。
これは女性に話かける時などに使われる”Madam”の略称なのです。
ちなみに”Madam/Ma’am”の使われ方には、英米や時代を超えての違いがある様です。
若い女性の中にはそう呼ばれるのを好まない人もいるので、一応頭の片隅に入れておきましょう。
余談ですが、“Monkey puzzle (Where is my mom?)”という絵本ご存知ですか?
“My mom is ~”という表現が何度も出てきて、”mom”という言葉の温かみが心地よい絵本です。
小さいお子さんの英語学習にもおススメですよ。
それから面白いなと感じたのが、日本語では両親に話しかける時にこう切り出しますよね。
「お父さん、お母さん、実はね・・」
これ英語だと、
“Mom, Dad, there is something I need to tell you..”
お母さんが先に来るのです。深い意味があるのかは定かではないですが、ちょっと新鮮ですよね。
「お母さん」の英語の呼び方その2
mommy/mummy
一方で、”mommy/mummy”という呼び方も聞いたことがあるかと思います。
これは小さな子供が使ったり、大人が小さい子に対して話すときに使います。大人同士で使うのは不自然です。
幼稚園生くらいまでが使う印象で、それ以降は少なくとも家の外では自然と”My mom/mum”を使う様になります。
スペリングは、アメリカ英語ではmommy、イギリス英語ではmummyになります。
【例文】
- I can’t find my mommy.
(訳)ママが見つからないの。(小さい子が泣きながら言っているイメージ) - Your mommy will come back right away sweetie.
(訳)ママすぐ戻ってくるからね。(大人が小さい子に優しく話しているイメージ) - Did you ask your mommy if you can have that cookie?
(訳)ママにそのクッキー食べていいか聞いた?
I am thinking of taking her to the “Mommy & Me” singing session tomorrow.
訳)明日あの娘を”マミー&ミー”お歌の会に連れてこうと思うの。
Great idea. It’ll be a good chance for you to meet other moms too.
訳)いいじゃん。他のママ達にも会えるいい機会になるんじゃないかな。
ちなみに、”mummy” は「ミイラ」の意味の単語とスペリングも発音も同じなのでお間違えない様に。
「母親」は英語でMotherでOK?
さて、面識のない人に母親のことを話すようなときや、フォーマルなシーンでは「お母さん」は“Mother”となります。
主に、自分の母親のことを他の誰かに話している場面で使います。
一方で、”Mother”を自分の母親を呼ぶときに使うのはあまり自然ではりません。かしこまりすぎた言い方になってしまいます。例えば「母上」といったところでしょうか。
ただ、冗談ぽくや、皮肉っぽくするなどのために、あえて使うということは結構あったりします。
Hello, may I speak to your mother please?
訳)こんにちは、お母さまとお話させていただけますか?
I’m sorry but my mother is out at the moment.
訳)すみませんが、母は今外に出ております。
Dad, Mom won’t let me go to the party tonight.
訳)お父さん、お母さんが今夜のパーティー行っちゃいけないって。
Listen to your mother, Sara.
訳)サラ、お母さんの言うことを聞きなさい。
上の例は、“Listen to your mom”の代わりに、 “Listen to your mother”ということでよりシリアスな感じを醸し出しています。
こういう感じで、あえて”mother”を使っているのをよく聞きます。
ちなみに、”father、dad、daddy” の使い分け方も “mother、mom、mommy” と同じですよ。
「ママ」は 和製英語?
それでは、日本で使う「ママ」はいつ・どこから来たのでしょう?
実は、明治前半まで東京では「おとっさん・おかっさん」が主流だった様です。
その後、明治後半に「おとうさん・おかあさん」という呼び方が教科書を通して普及し、同じ時期に、西洋から帰ってきた華族から「ママ・パパ」という呼び方も始まったとのこと。
ということはやはり西洋から輸入してきた言葉で、和製英語(日本で作られた英語っぽい言葉)ではないということになりますね。
ちなみに、「ママ」のそもそもの語源は赤ちゃんの喃語から、「パパ」はギリシャ語の”pope”だという説が有力そうです。
さらなる余談ですが、アラビア語の世界ではお父さんへの愛称は何だと思いますか?
「バーバ」です!
日本でいうところの「おばあちゃん」になってしまう訳ですね。
ちなみに、アラビア語で「おばあちゃん」は「タータ」です。
それでもやっぱりお母さんは「マーマ」。「ママ」はユニバーサル度が圧倒的に強いですね。
まとめ
英語で「お母さん」は一般的に“mom/mum”です。
“mommy/mummy”は小さい子の言い方なので、大人同士に使うとちょっと恥ずかしいことになってしまいます。
それでは、「お母さん」の英単語、それぞれのニュアンスを意識してヒアリングしてみて下さいね。