今回のテーマは「風呂」です。英語で風呂を何と言うか、「風呂に入る」などの言い方も含めて解説していきます。
また、日本と海外では風呂に対する考え方や文化に異なっている点が多いので、その辺りの事情についても詳しくご紹介します。
これを読めば、風呂を英語で何と言うかだけでなく、日本と海外での風呂の認識の違いも理解できるようになりますよ。
それでは、早速始めていきましょう!
「風呂」は英語で何て言う?
「風呂」は英語で “bath” と言います。
bath はもともと古代ゲルマン語で「暖める」を意味しており、そこから「身体を暖める場所」の意味で風呂や浴室を意味するようになりました。
ちなみに、イギリスには同名のBath(バース)という都市が存在します。この地は、古代ローマ時代に温泉地として栄えたことから、このように名付けられ、それが英語で風呂を bath と呼ぶことに繋がったとされています。
There is no bath in this house.
訳)この家には風呂がありません。
Seriously? Well, I guess if the rent is lower because of that, it’s fine.
訳)まじか。まぁ、その分家賃が安いならいいか。
bath の発音は要注意!
bath は発音が少し難しく、アメリカ英語だと【bæθ】、イギリス英語だと【bɑːθ】と発音され、いずれの場合も最後のθの音に注意が必要です。
θの音は、舌先を上の歯に軽く触れさせ、空気が擦るようにして発声します。カタカナ英語のままに「バス」と発音すると、路上を走る bus に聞き間違えられ、意味が通らなくなる可能性が高いので注意しましょう。
There is no bus in this house.
訳)この家にバスはありません。
Yeah, buses are not usually found in houses, right?
訳)うん、まぁ普通、家にバスはないよね。
「風呂に入る(入浴)」は英語で何?
「風呂に入る(入浴)」は、英語だと “take a bath”、または “have a bath” と言います。
主にアメリカ英語では take a bath が、イギリス英語では have a bath が好まれる傾向にあります。
また、詳しくは後述しますが、アメリカやイギリスでは浴槽に浸からないことも多く、シャワーのみの場合は “take a shower”、”have a shower” という表現が使われます。
日本と海外の風呂文化の違い
英語が主に話されるアメリカやイギリスの風呂文化は、日本のものとは大きく異なっています。そのため、英語で風呂の話をする際、それぞれの文化の違いを理解していないと、言葉は通じるのに話が噛み合わないという事態に陥りかねません。
ここでは、日本と海外で特に違っている点について、詳しく確認しておきましょう。
アメリカやイギリスでは浴槽に入らないことが多い
私たち日本人にとって入浴というと、浴槽(bathtub)に浸かってゆっくりするイメージが強いです。しかし、アメリカやイギリスの人々は、シャワーだけで済ませることが多い点で違いがあります。
もちろん、bathtub が付いているのだから、湯を溜めて入浴することもあります。しかし、3日に1回程度だったり、人によっては滅多なことがなければ入らなかったりと、その頻度は多くありません。また、中にはそもそも bathtub が備わっていな家庭も一定数存在するようです。
Japanese people, many of them take a bath every day.
訳)日本人は、多くの人が毎日風呂に入るよ。
Oh, really? In my case, I often just take a shower.
訳)へえ。僕の場合は、結構シャワーで済ませることが多いな。
お風呂のお湯は使い捨て?
日本の場合、お風呂のお湯は家族全員で使いまわしたり、前日のお湯を追い炊きしたりするのが一般的ですよね。その一方、アメリカやイギリスでは、お風呂にお湯を溜めたとしても、お風呂から上がる度に捨てるのが普通です。
海外の入浴では、浴槽のお湯は身体をリラックスさせるためというより、身体の汚れを洗うために使われるイメージが強いです。そのため、前の人が使ったお湯を再利用するという発想がなく、都度流して綺麗にするのが一般的とされています。
When I stayed with a host family in Japan, I was surprised that the bathwater was left in the tub.
訳)日本にホームステイしたとき、浴槽のお湯が残ったままでびっくりしたよ。
In the U.S., we usually drain the bathwater after each use.
訳)アメリカではお湯はその都度捨てるもんね。
また、浴槽の中で身体を洗うことから、アメリカやイギリスの浴室には洗い場がなく、トイレや洗面台が同じ空間内にあります。そのため、浴槽の外にお湯が漏れないよう、少量のお湯しか使わないのが一般的です。
bathroom は浴室とは限らない
日本の家庭では、1人暮らし用などでユニットバスになっている物件を除けば、浴室(bathroom)とトイレ(toilet)が別々になっているのが一般的です。その一方、海外では風呂、トイレ、洗面所が一体になった場所が bathroom と呼ばれています。
他人の家にお邪魔して、おもむろに風呂に入る人はいないですよね。そのため、英語での会話で “Can I use your bathroom?” などと聞かれたら、たいていはトイレの意味だと考えた方がよいでしょう。
もちろん toilet と言っても通じますが、便器そのものがイメージされる直接的な言い方なので、bathroom を使った方が無難だといえます。
また、レストランやホテルなどでトイレを表す際は、”restroom” や “washroom”、”lavatory” などの表現が使われることもあります。
Can I use the bathroom?
訳)トイレ貸してくれる?
Sure, but why are you taking a bath at this time? What’s the reason?
訳)いいけど、こんな時間に風呂入るの?何で?
Huh?
訳)え?
Huh?
訳)え?
「温泉」や「銭湯」、「風呂掃除」など、風呂の関連表現を英語で言ってみよう!
最後に、「温泉」や「銭湯」など、風呂に関連する表現を英語で何と言うか、1つずつ詳しく確認していきましょう。
「温泉」in English
「温泉」は英語で “hot spring” と言います。
spring は「春」の意味が有名ですが、その根底には何かが湧き出すイメージがあります。春になって草木が地中から湧き出せば「春」に、地中からお湯が沸きだせば「温泉」になるということです。
また、近年では日本の温泉文化が海外で取り上げられることも多いので、そのまま “onsen” と言っても通じる可能性が高いでしょう。
「銭湯」in English
「銭湯」は、英語で “public bath” あるいは “bathhouse” と呼ばれます。前者は公衆の(public)な浴場が、後者はそれが入っている施設(house)がイメージされます。
ただ、銭湯の場合も温泉と同様、日本独特の文化として年々知名度が上がってきています。そのため、日本に観光で来ている外国人などに説明する際は、単に “sento” と言った方がスムーズに伝わるかもしれません。
「風呂掃除」in English
「風呂掃除」は英語で “bathroom cleaning”、または “bathtub cleaning” と言います。
前者は、トイレや洗面所も含めた空間全体を掃除する場合、後者は浴槽だけを掃除する場合を指します。「風呂掃除をする」と動詞で表現したい場合は、“clean the bathroom” や “clean the bathtub” と言えばOKです。
「長風呂」in English
「長風呂」は英語で “take a long bath” とすれば表現できます。
また、前述の通り、アメリカやイギリスでは浴槽に湯を溜めること自体が少ないので、「浴槽に浸かる」の意味で “soak in a bath” と言うだけでも、十分長風呂のイメージを伝えられるでしょう。
まとめ
今回は「風呂」を英語で何と言うかについて、詳しく確認してきました。
風呂は英語で “bath” と言い、「風呂に入る」は “take a bath” や “have a bath” と表現します。しかし、アメリカやイギリスでは、日本と入浴に関する文化が異なる部分も多いので、こちら側の常識を一方的に押し付けないように注意が必要です。
今回ご紹介したことを参考に、日本と英語圏の国々の風呂文化について、それぞれの言語で上手く表現していきましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!