ドラマや映画、小説のタイトルなどにも使われる「カルテット」ということば。

「聞いたことはあるけれど、どういう意味なのか、いまいちよく分からない」という方も多いのではないでしょうか。

ここでは、カルテットの基本的な日本語の意味や英語の表現、またシチュエーションごとの使い方をご紹介します。

カルテットってどういう意味?

カルテットってどういう意味?

まず、日本語のカルテットの意味を確認しましょう。カルテットには大きく次の2つの意味があります。

  • 四重奏・四重唱
  • 四人組

カルテットの語源はラテン語で「4」を意味する”quattuor”。語源からも納得の意味ですね。

四重奏・四重唱4つの楽器のよる合奏や、4人で歌う重唱のことを指します。四重奏で代表的なのは弦楽四重奏ピアノ四重奏木管四重奏など。大規模なオーケストラとは違い、楽器それぞれの音色や一人ひとりの奏でる美しい旋律をより細かく聴き分けて楽しめるのが、四重奏の醍醐味です。

四人組を表す時にも「カルテット」が使われます。小説やドラマの4人の登場人物、バンドの4人のメンバー4人のスポーツ選手などが「カルテット」と表現されているのを目にしたことがある人も多いのでは?

英語で「カルテット」って何て言う?

英語で「カルテット」は”quartet”。 ”quartet”も日本語と同様に四重奏や四人組という意味です。

Aさん

The quartet of musicians formed a new band.

4人のミュージシャンは新しいバンドを結成しました。

Aさん

I listened to a beautiful quartet performance last night.

昨夜、美しい四重奏の演奏を聴きました。

代表的な四重奏とその英語表現をご紹介しますね。

弦楽四重奏 string quartet
ピアノ四重奏 piano quartet
木管四重奏 woodwind quartet
フルート四重奏 flute quartet
オーボエ四重奏 oboe quartet

ほかの人数は何て言うの?

quartet”以外にもそれぞれの人数に対する表現があります。音楽での表現を中心に確認しましょう。

独奏、独唱

英語では”solo”、独奏者のことは”solist”といいます。

1人の演奏者が楽器を演奏する独奏は、高い表現力が求められます。

Aさん

She sang a solo.

彼女は独唱した。

Aさん

She is a talented soloist.

彼女は才能のあるソリストだ。

二重奏、二重唱

二重奏、二重唱は”duet”。日本語でも馴染みのあることばですね。二人組の演奏者や曲を“duo”と言うこともあります。

Aさん

They played a beautiful duet on the piano.

彼らはピアノで美しい二重奏を演奏した。

Aさん

The duo is planning a world tour next year.

そのデュオは来年ワールドツアーを予定している。

三重奏、三重唱

三重奏、三重唱は”trio”。「トリオ」も、耳馴染みのあることばですね。”trio”は室内楽で最もポピュラーな型式です。

Aさん

The trio played a beautiful Mozart piano trio.

そのトリオは、モーツァルトの美しいピアノ三重奏曲を演奏した。

Aさん

This song is a beautiful trio.

この曲は美しい三重唱曲だ。

五重奏、五重唱

五重奏や五重唱は”quintet”。古典音楽から現代音楽まで幅広い時代の作品を楽しむことができるのが、五重奏の魅力です。

Aさん

The brass quintet performed a lively fanfare.

金管五重奏団は、活気のあるファンファーレを演奏した。

Aさん

The string quintet’s performance was breathtaking.

弦楽五重奏団の演奏は息をのむほど素晴らしかった。

2人組にはこんな表現も

2人組にはこんな表現も

日本語では、2人組の漫才師を「お笑いコンビ」なんて呼びますが、この「コンビ」は”combination”からきた和製英語。”combination”は「組み合わせ」を意味します。

「お笑いコンビ」を英語で言うなら、”comedy duo”が良いでしょう。

duo”以外にも「2人」を表現する英語はいくつかあります。主なものを確認しましょう。

pair

「2人」を表すもっとも一般的な英語です。

フォーマルなシーンでもインフォーマルなシーンでもどちらでも使うことができます。

Aさん

The pair won the first prize in the dance competition.

そのペアはダンスコンテストで優勝した。

夫婦や恋人を表すこともできます。

Aさん

There were many pairs dancing at the party.

パーティーにはたくさんのカップルがいた。

人だけでなく、靴下a pair of socks)やイヤリングa pair of earrings)、メガネa pair of glasses)やはさみa pair of scissors)など、2つ一組のものを表現するときにも使う表現です。

couple

couple”は、恋愛関係にある2人を指すのが一般的。「夫婦」だけでなく、交際中の男女も“couple”で表現します。「夫婦」と結婚していることを言いたいときは、「結婚した」という意味の”married”をつけ、”married couple”と言いましょう。

Aさん

The couple celebrated their anniversary at a fancy restaurant.

そのカップルは高級レストランで記念日を祝った。

Aさん

Maria and Jay are a happily married couple.

マリアとジェイは仲の良い夫婦だ。

partner

partner”は「一緒に何かをする人」という意味。日本語でも「ビジネスパートナー」なんてことば、よく耳にしますね。

恋愛関係にある2人を指すこともあります。その場合は、結婚しているかどうかは、問いません。

Aさん

He is my business partner.

彼は私のビジネスパートナーです。

Aさん

Jessie and Kate have been partners for over 10 years.

ジェシーとケイトは10年以上付き合っている。

twosome

twosome”は「2人組」を表すカジュアルな表現。一般的な2人組だけでなく、夫婦と交際中の男女にも使えます。

Aさん

The twosome spent the afternoon exploring the old town.

その2人は、午後は旧市街を散策した。

Aさん

The twosome were walking hand-in-hand down the street.

その2人は、手をつないで街を歩いていていた。

まとめ

カルテットとは四重奏や四重唱、また、音楽とは関係なく4人組を表すことばです。クラシック音楽が好きなら、独奏から、五重奏くらいまでの表現は覚えておくといいですね。

クラシック音楽に触れる機会があるなら、ぜひ、どのような英語で表現されているかチェックしてみてくださいね。

2人を表す表現も、シチュエーションや2人の関係性によってさまざま。どれもよく使う表現なので、しっかり覚えておくと安心ですよ。