「アラカルトで注文する」や「アラカルトメニュー」など、「アラカルト」という言葉を聞いたことがある方は多いでしょう。
おそらくほとんどの方が、「単品で頼む」または「一品料理」といった意味で使っていると思われます。
注文の際に何気なく使っている「アラカルト」は、フランス語に由来した英語をカタカナで表記した言葉ですが、本来の意味はご存知でしょうか?
今回は、オーダー時に恥ずかしい思いをしないために知っておきたいカタカナ言葉「アラカルト」ついて、フランス語を語源とする英語”à la carte”の意味と正しい使い方を解説します!
「アラカルト」の意味
「アラカルト」は、フランス語を語源とする英語”à la carte”をカタカナで表記した言葉です。
料理の種類または注文形式の中でも、あらかじめ料理が決まっているような定食やコースではない、一品料理のことを指します。
フランス語の”à la carte”には、「献立表によって」という意味があり、お客様が献立表から自由に選んで注文できる一品料理のことを表します。
フランス語をそのまま外来語として取り入れ、英語では”à la carte”または”a la carte”と表記されるようになりました。
フランス料理は、決められた料理が出てくるコースメニューが主流であるため、基本的に一つのコースを選んで食事をいただきます。
好みに応じて一品ずつ注文する「アラカルト」は、コースが当たり前のフランスだからこそ生まれた文化といえるでしょう。
なお、「アラカルト」の注文や食事では、注意しておきたいことが2つあります。
- アラカルトは一皿一人前
フランス料理では、一つのお皿をみんなでつついてシェアするのはNGです。
格式の高いお店では、あらかじめ取り分けてもらうようにお願いしましょう。 - オーダーを統一する
前菜からメイン、デザートまで、決まった料理が決まった順番で配膳されるコースと、好みに応じて一品ずつ自由に注文していくアラカルトでは、オーダー方法が全く異なります。
同じテーブルではオーダーを統一するのがマナーですので、混乱やトラブルを起こさないよう食事を楽しみましょう。
「アラカルト」は、単品や一品ずつという意味から転じて、「短編集」や「詰め合わせ」などを指して使われることもあります。
|
”à la carte”の意味
「アラカルト」の英語表記は、”à la carte”です。
辞書では以下のように定義されています。
If you eat à la carte, you choose each dish from a separate list instead of eating a fixed combination of dishes at a fixed price
アラカルトの場合、決められた組み合わせの料理を決められた値段で食べるのではなく、別々のリストから各料理を選ぶ
メニューから自由に選べる”à la carte”に対して、選択肢が限られたコースや定食は”table d’hôte”(ターブルドゥト)と呼ばれます。
”à la carte”と反対の意味を表す表現として一緒に覚えておきましょう。
food that is served in a restaurant as a complete meal at a fixed price but with little choice of dishes
レストランで定価の完全な食事として提供されるが、料理の選択肢はほとんどないもの
”à la carte”は、イギリス英語では /ˌælə ˈkɑːt/(アラカートゥ)、アメリカ英語では /ˌɑː lə ˈkɑːrt/(アーラカルトゥ)のように発音します。
カタカナの「アラカルト」とは、読み方が異なりますので注意しましょう。
”à la carte”を使った例文
”à la carte”を使った例文を紹介していきます。
「アラカルト」を説明する際の表現
訳)アラカルトメニューの方が、選択肢が広いです。
訳)アラカルトかセットメニューのどちらかを選んで注文できます。
訳)アラカルトメニューでは、好きなものを好きなだけ選べます。
お店のアラカルトメニューに関する表現
訳)ホテルでは、コースメニューとアラカルトメニューを提供しています。
訳)アラカルトメニューは、季節に合わせて年に4回登場します。
訳)ランチのアラカルトは午後2:30までで、その後6:00までは決まったコースとなります。
アラカルトの価格に関する表現
訳)レストランでの食事がアラカルトの場合、それぞれの料理に別々の値段が設定されています。
訳)アラカルトで食べると、セットメニューを選ぶよりずっと高くなります。
アラカルトメニューを選んだ場合のみ、追加料金を支払います。
実際に値段を説明するときには、以下のように表現できます。
訳)セットメニューは20ドル、3コースのアラカルトディナーは約37ドルです。
訳)アラカルトは、ドリンクとサービス込みで一人42ドルです。
まとめ
恥ずかしい思いをしないために知っておきたいカタカナ言葉「アラカルト」ついて、フランス語を語源とする英語”à la carte”の意味と正しい使い方を解説しました。
「アラカルト」は、フランス語を語源とする英語”à la carte”をカタカナで表記した言葉です。
あらかじめ料理が決まっているような定食やコースではなく、献立表から自由に選んで注文できる一品料理のことを指します。
決められた料理が出てくるコースメニューが主流のフランスでは、コースかアラカルトか、どちらかの方法でオーダーするのが一般的です。
日本語の感覚で「アラカルト」を使うと、思わぬ誤解を生んでしまいかねません。
カタカナ言葉は、英語本来の意味をしっかりと理解したうえで正しく使うようにしましょう。
おすすめ関連記事: