みなさんは、パンナコッタを食べたことはありますか?
プリンでもなくゼリーでもない、つるんとした口当たりとミルクの濃厚な味わいが魅力のデザートですね。

パンナコッタは、イタリア発祥の洋菓子で、生クリーム、砂糖、牛乳を煮詰めてゼラチンで固めて作ります。
少ない材料で簡単に作れるので、レストランやパティスリーだけでなく、家庭によってオリジナルのレシピがあったり、お好みのアレンジが加えられていたりとさまざまです。

今回は、甘くてクリーミーなイタリアのデザート「パンナコッタ」について、その魅力と起源、関連する英語表現を紹介していきます。

パンナコッタとは

パンナコッタとは

パンナコッタは、イタリアを代表する洋菓子の一つです。
材料はいたってシンプルで、生クリーム、砂糖、牛乳を混ぜて煮詰めたものにゼラチンを加え、型に入れて冷やし固めて作ります。
パンナコッタはイタリア語で「煮詰めた生クリーム」という意味を持っており、レシピがそのまま名前になっています。

パンナコッタの魅力

イタリア生まれのパンナコッタは、真っ白でつるんとした見た目とぷるんとした食感、そして濃厚なミルクの味わいが魅力です。

・牛乳と生クリームの真っ白な見た目
・つるんとした仕上がりとぷるんとした食感
・まったり甘くて濃厚なミルクの味わい
・フルーツソースやキャラメルソースともよく合う

ゼラチンで固めているので、ほど良い弾力があり、型から出しても崩れず、きれいに盛りつけられます。
ラズベリーやブルーベリーなどのフルーツソースとの相性が良く、他にもチョコレートやカラメルをかけても美味しくいただけます。
煮詰める際に、バニラやコーヒーなどで香り付けしたり、最後にリキュールやフルーツを乗せたりするアレンジもおすすめです。

パンナコッタの起源

「煮詰めた生クリーム」を意味するパンナコッタの起源は、北イタリアのピエモンテ州にあります。
1900年代初頭、イタリアの北西部に位置する酪農が盛んなピエモンテ州のランゲ地方で、ハンガリー人の女性が作った「ラテ・イングレーゼ」が始まりといわれています。

「ラテ・イングレーゼ」は、「イングランドの牛乳」という意味で、ゼラチンがなかった当時は、牛乳やその上澄みをデンプンと一緒に煮込んだり、卵を使って固めたりして作られていました。
19世紀後半になりゼラチンが普及し始めると、現在のパンナコッタのようなぷるんとした食感に仕上がっていきました。
家庭で作られていた洋菓子「ラテ・イングレーゼ」から誕生したパンナコッタは、後にイタリア各地で親しまれ、今でも世界中の多くの人々に愛されています。

日本のパンナコッタブーム

北イタリアのピエモンテ州で生まれた家庭的な逸品、パンナコッタは、1990年代に日本でもブームになりました。
シンプルながら上質なパンナコッタは、世界のスイーツが次々と上陸した平成時代に、ティラミス、クレームブリュレ、タピオカに続いて大ヒットし、広く知られる存在となりました。

1992年に、サントリーが粉末の「即席パンナコッタ」を販売したのを皮切りに、1993年には、森永乳業がカップ入りの量産品を発売、洋食レストランのデニーズも「パンナコッタ」を初めてメニュー化しました。

当時「イタ飯屋」と呼ばれたイタリア料理店をはじめ、喫茶店やファミリーレストラン、スーパー、コンビニなどでも続々と登場し、今や手軽に楽しめるスイーツとして幅広い年代の人々から親しまれています。

パンナコッタの英語

パンナコッタの英語

パンナコッタは英語で”panna cotta”です。
辞書では以下のように定義されています。

an Italian dessert made from sweetened cream and gelatine
甘いクリームとゼラチンで作ったイタリアのデザート

参考:Collins dictionary

“panna cotta”はイタリア語由来の言葉で、それぞれ”panna”は「牛乳・生クリーム」、”cotta”は「調理・煮つめる」という意味を表します。

“panna cotta”の発音は、日本語でいう「パンナコッタ」とは異なります。

  • イギリス英語 /pæn.əˈkɒt.ə/「ッパナコトゥァ」
  • アメリカ英語 /pæn.əˈkɑː.t̬ə/「パァナコォーラ」

イギリス英語は「p」を強めに「ッパ」と破裂するように発音するのがコツです。
アメリカ英語では最後の「ta」の音を「ラ」のように発音すると近くなります。
どちらも日本語のカタカナ「パンナコッタ」とは大きく違うので、正しい発音をしっかり覚えておきましょう。

“panna cotta”の例文

Aさん
To make the panna cotta, bring the cream to a fairly high heat along with the sugar and vanilla pod. Then, remove from the heat and add the soaked gelatine.
訳)パンナコッタを作るには、生クリームを砂糖とバニラビーンズと一緒に強火で加熱します。その後、火から下ろして、ふやかしておいたゼラチンを加えます。
Aさん
My mother’s recommended item is the matcha panna cotta with sweet red bean paste and brown sugar syrup.
訳)母のおすすめは、こしあんと黒蜜を使った抹茶パンナコッタです。
Aさん
For dessert, I made a white chocolate panna cotta with raspberries and matcha panna cotta, which is made with strained bean paste and brown sugar syrup.
訳)デザートには、ラズベリー入りホワイトチョコレートのパンナコッタと、こしあんと黒蜜を使った抹茶のパンナコッタを作りました。

喫茶店やカフェなどでパンナコッタのメニューを説明するときには、以下のような表現もおすすめです。

Aさん
The most popular food from the Café is the panna cotta, made with rich and fresh cream and egg white which gives it a smooth taste.
訳)カフェで一番人気のメニューは、濃厚な生クリームと卵白を使ったなめらかな味わいのパンナコッタです。
Aさん
It’s piled refreshingly with mango and orange panna cotta, pink grapefruit, and lemon-flavored granita.
訳)マンゴーとオレンジのパンナコッタ、ピンクグレープフルーツ、レモン風味のグラニテを爽やかに盛り付けました。

パンナコッタに関連するデザートの英語

パンナコッタに関連するデザートの英語

イタリア発祥の洋菓子パンナコッタは、手軽に食べられる甘いスイーツとして人気です。
スイーツといえば、他にも、プリンやゼリーなど、パンナコッタ同様にカップに入ったものがたくさんありますよね。

最後に、パンナコッタのようにいろいろなフレーバーを楽しめる洋菓子の英語表現を紹介します。

  • panna cotta(パンナコッタ)
  • bavarois(ババロア)
  • creme caramel / flan(プリン)※
  • creme brûlée(クリームブリュレ)
  • mousse(ムース)
  • souffle(スフレ)
  • tiramisu(ティラミス)
  • almond jelly(杏仁豆腐)

※プリンは”pudding”ではなく、”creme caramel”または”flan”です。
“pudding”は、小麦粉や米粉、卵、砂糖で作られたケーキのようなものを指します。

まとめ

つるんとした見た目と食感、クリーミーで濃厚な味わいが美味しいイタリアのデザート「パンナコッタ」について、その魅力と起源、関連する英語表現を紹介しました。

パンナコッタは、北イタリアのピエモンテ州の家庭菓子から誕生しました。
生クリーム、牛乳、砂糖というシンプルな材料でありながら、なめらかで食感が良く、控えめでやさしい甘さは、世界中の人々を虜にし、長く愛されています。

英語の”panna cotta”は、日本語の「パンナコッタ」とは異なるため注意が必要です。
スイーツやデザートの話題になったときは、”panna cotta”のレシピや美味しい食べ方などを紹介して、会話を楽しめると良いですね。

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