みなさんは、バウムクーヘンはお好きですか?
美しい断面に甘くてふんわりとした食感が、子どもから大人まで世代を問わず愛されている洋菓子ですね。
何層にも重なった木の年輪は縁起が良いとされ、結婚式の引き出物や贈答品としても人気があります。
バウムクーヘンはドイツ発祥ですが、日本のスーパーやコンビニでも販売されており、手軽に食べられるスイーツとしても親しまれています。
今回は、「木のケーキ」という呼び名もあるドイツ生まれの「バウムクーヘン」がテーマです。
バウムクーヘンの英語表現をはじめ、発祥の地や名前の由来、有名店などを紹介していきます。
バウムクーヘンとは

バウムクーヘンは、ドイツで誕生した年輪のような見た目をした洋菓子です。
材料は、小麦粉、卵、砂糖、バター、マジパンに、レシピによってラム酒やブランデー、シナモンやカルダモンなどのスパイス、ナッツ類などを加えて作ります。
芯になる棒に生地を少量かけて専用のロティサリーで焼き、厚さ1〜2mmの薄い層ができてきたら、上に生地をかけてまた焼きます。
生地をかける→焼くの工程を繰り返して、薄い層が10〜20層ほどになったら出来上がりです。
ドイツでは、表面の乾燥を防ぐために、外側にフォンダンやチョコレートをコーティングすることが多いです。
油脂はバターのみ、ベーキングパウダーは使用しないといった、国立ドイツ菓子協会が定めた「バウムクーヘンの基準」を満たしたものだけが正式なバウムクーヘンとして認められています。
ドイツの伝統的な製法で作ったバウムクーヘンは、生地を膨らませるベーキングパウダーを使っていないので、ぎゅっと中身の詰まった硬めの食感に仕上がっています。
日本のものと違い、ごつごつした見た目としっかりとした歯応え、甘さの中にピリッとスパイスの効いた深い味わいが特徴です。
バウムクーヘンの発祥
バウムクーヘンの発祥は、1800年代初頭、ドイツ北部ザクセン・アンハルト州の小さな町ザルツヴェーデル(Salzwedel)にあるといわれています。
ザルツヴェーデルは、旧東ドイツに位置するとても小さな町ですが、バウムクーヘンを世に生み出した、知る人ぞ知る「バウムクーヘンの町」です。
1807年に初めてバウムクーヘンが焼かれたという記録が残っており、ザルツヴェーデルには、当時のレシピ通り直火焼きのバウムクーヘンを販売するコンディトライ(菓子店)がいくつも残っています。
バウムクーヘンの名前の由来
バウムクーヘンは、”baumkuchen”と書き、ドイツ語で「木」を意味する”baum”と、「ケーキ」を意味する”kuchen”に由来しています。
専用オーブンで芯に生地を巻きつけながら焼いていくバウムクーヘンは、真ん中に穴が開いた形になっていて、輪切りにすると重なった生地の断面がまるで木の年輪のように見えることから「木のケーキ」=”baumkuchen”と名付けられました。
バウムクーヘンの英語

ドイツの伝統的な洋菓子バウムクーヘンは、英語で”baumkuchen”で、ドイツ語の”baumkuchen”がそのまま使われています。
ドイツ語の”baum”と”kuchen”は、それぞれ以下のように定義されています。
baum
tree:the largest kind of plant, with a thick, firm, wooden stem and branches
木:太くて硬い木の幹と枝を持つ、最も大きな種類の植物kuchen
cake :a food made by baking a mixture of flour, fat, eggs, sugar etc
ケーキ:小麦粉、脂肪、卵、砂糖などを混ぜて焼いて作る食べ物参考:
Baum | Cambridge Dictionary
Kuchen | Cambridge Dictionary
例文
以下の例文は、バウムクーヘンをわかりやすく説明するときに使える表現です。
訳)バウムクーヘンは、ドイツ語で 「木のケーキ」を意味します。
訳)バウムクーヘンを切ると、年輪のある木の幹を切ったような形になります。
訳)バウムクーヘンは、ロティサリーで薄く生地を重ねながら焼いて作ります。
バウムクーヘンの話題では、以下の表現も参考に会話を楽しみましょう。
訳)娘はバウムクーヘンが大好きなので、誕生日に買ってあげるつもりです。
訳)こちらは、最近SNSで話題のバウムクーヘンです。
訳)バウムクーヘンは何層でできているのかな。
バウムクーヘンの名店
ドイツで生まれたバウムクーヘンは、今や日本で食べたことがない人がいないほど広く知られた洋菓子になりました。
パティスリー、デパート、スーパー、コンビニなど、どこでも手軽に購入できますが、やっぱり、本場ドイツのバウムクーヘンも一度は味わってみたいものですよね。
ここでは、バウムクーヘンが美味しいドイツと日本の名店を紹介します。
ホレンディッシェ・カカオシュトゥーベ(Holländische Kakao-Stube)
ホレンディッシェ・カカオシュトゥーベは、ドイツのバウムクーヘンの老舗です。
北ドイツのハノーファーで創業し、約100年の歴史を誇る由緒ある名店です。
代々受け継がれた昔ながらの製法を守り、素材の風味がいきたホレンディッシェ・カカオシュトゥーベならではのバウムクーヘンは、まさにドイツを代表する伝統的な味といえるでしょう。
チョコレートでコーティングされたひと口サイズの「バウム・シュピッツェン」や、ラム酒が効いた四角い「バウム・リンデ」、アプリコットジャムがアクセントになったケーキ「バウム・トルテ」など、多種多様なおすすめ商品が揃っています。
ユーハイム(Juchheim)
日本のバウムクーヘンといえば、みなさんご存知のユーハイムではないでしょうか。
ユーハイムは、日本で初めてバウムクーヘンを焼いた創業者カール・ユーハイムの意志を受け継いだ名店です。
「純正な素材を使い、手作りを大切に、自然な味わいを追求する」を信念に、本場ドイツでマイスターに認定された職人が、国産バターや「無添菓」にこだわったバウムクーヘンを作り続けています。
定番人気は、看板商品である「ユーハイム バウムクーヘン」です。
油脂にマーガリンやショートニングなどを使わず、バター100%で仕上げているのが特徴で、ふっくらと柔らかい食感とバターの濃厚な風味は多くのファンを虜にしています。
丸っとしたミニサイズのバウムクーヘンが6個連なった「バウムクーヘンキュート」も人気があります。
層を薄く焼き上げ、しっとりと柔らかい食感が食べやすく、見た目のかわいらしさがギフトにもぴったりです。
外側のチョコレートコーティングは、ホワイト、ミルク、抹茶の3種類から選べます。
まとめ
バウムクーヘンの発祥の地や名前の由来、英語表現や名店を紹介しました。
ふんわりとした日本のものと違い、本場ドイツのバウムクーヘンは、外側に凹凸があり、中身がぎゅっと詰まった硬めの食感です。
濃厚なバターの風味にほんのりとスパイスが効いた素朴な味わいこそ、ドイツの伝統的なバウムクーヘンといえます。
そんなどっしり硬めのバウムクーヘンは、斜め横薄切りにカットするのがドイツ流。
ドイツを訪れた際には、ぜひ薄くスライスしたバウムクーヘンの本場の味を召し上がってみてはいかがでしょうか。
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