「朝からバタバタ」と「手足をバタバタ」
2つの「バタバタ」は、言葉は同じですが、意味は全然違いますよね。

日本語は、「バタバタ」のような擬音語を用いて表現することが非常に多い言語といわれています。
こうした擬音語を英語で伝えるには、どのように言えば良いのでしょうか。

今回は、忙しい状況と繰り返しの動き、いろいろな意味を表す「バタバタ」の英語表現を例文とともに紹介していきます。

忙しい「バタバタ」を表す英語

忙しい「バタバタ」を表す英語

仕事に追われて忙しいときに使う「バタバタ」を意味する英語はたくさんあります。
最も基本的な”busy”から比喩表現まで、例文で紹介していきます。

busy

“busy”は、「忙しい」を意味する最も代表的な単語です。
“I have been〜”の形にすることで「ここのところ忙しい」という意味になり、「バタバタ」しているニュアンスが伝わりやすくなります。

Aさん
I’ve been as busy as a bee, so I haven’t been able to visit home.
訳)いろいろ忙しくて、なかなか実家に帰れていません。

hectic

“hectic”は、「大忙し」「多忙をきわめた」「てんてこまいの」といった意味の形容詞です。

very busy and fast
非常に忙しい慌ただしいさま

参考:Cambridge Dictionary

“hectic”を使うときは、主語に人ではなく、物事や状況を置くのがポイントです。

Aさん
My work was very hectic last week.
訳)先週は仕事でかなりバタバタしていました。

be swamped

“be swamped”も、忙しい「バタバタ」を表す英語の一つで、日本語の「バタバタしている」イメージに最も近い表現です。

an area of very wet, soft land
湿地、沼

参考:Cambridge Dictionary

“swamp”(沼)にはまるとなかなか抜けられないことから、多忙や超過勤務など、仕事やタスクに追われている状況を表現するようになりました。

Aさん
I’m swamped with work today, so I have no choice but to work overtime.
訳)仕事が忙しすぎて、残業せざるを得ませんでした。

be tied up

“be tied up”も、「バタバタ」と忙しい状況でとてもよく使われる表現です。

busy or prevented from doing something
忙しくて何もできない

参考:Cambridge Dictionary

“tie up〜”で「〜につなぐ」という意味から、仕事やタスクなどにつながれていることによって、自由がきかないほど忙しい状態を表します。

Aさん
I was tied up with emails after the launch of our new product.
訳)新製品の発売後、メール処理に追われてバタバタしていました。

be occupied

“be occupied”は、「占有する」の”occupy”を受け身にした形で、「〜に占められている」=「〜でいっぱいいっぱい」という意味で使われる英語です。

full, in use, or busy
満杯、使用中、多忙

参考:Cambridge Dictionary

Aさん
I’m occupied with preparation for the event, so I can’t meet you. Let’s go somewhere next month.
訳)イベント準備でバタバタして会えないから、来月は、どこかに行きましょう。

be in the midst of a frenzy

“be in the midst of a frenzy”は、混乱やパニックが生じているような慌ただしい状況を表現する英語です。
コントロールを失った状態を意味する”frenzy”を用いることで、忙しさが限界を迎え、いわゆる「カオスな状況」に陥っているようなときに使われます。

uncontrolled and excited behaviour or emotion
制御不能で興奮した行動や感情

参考:Cambridge Dictionary

Aさん
We’re in the midst of a frenzy; it’s more than just a little busy today.
訳)今日はただでさえバタバタしていて、ちょっと忙しいとは言えないくらいです。

run around like a headless chicken

“run around like a headless chicken”は、無駄に忙しくなっているようなときにぴったりの英語表現です。
タスクに追われわけがわからなくなり、混乱してむやみに動き回ったり走り回ったりする様子を表します。

to be very busy doing a lot of things, but in a way that is not very effective
たくさんのことをするのに忙しいが、あまり効率的ではない

参考:Cambridge Dictionary

首を切ってもジタバタと動き回る鶏にたとえた比喩表現で、焦って混乱し、無計画に「バタバタ」しているときによく使われます。

Aさん
Sorry, I can’t talk now. I’m running around like a headless chicken!
訳)ごめんなさい、今は話せません。とにかくバタバタしているので!

連続する音や動作を表す「バタバタ」の英語

連続する音や動作を表す「バタバタ」の英語

ものが連続してはためく動きや音を表す「バタバタ」にも、いろいろな英語表現があります。
代表的な”flap”をはじめ、ハエやドミノにたとえたものなど、知っておくと便利な英語を紹介していきます。

flap

“flap”は、「振る」という意味を持った英語で、「バタバタ」した音や動作を表現するときにぴったりの表現です。
旗や羽などをはためかせる音や、赤ちゃんが手足を元気よく動かす様子などを表すときに使われます。

to wave something
何かを振る

参考:Cambridge Dictionary

Aさん
The baby is happily flapping his arms and legs.
訳)赤ちゃんが元気よく手足をバタバタさせて喜んでいます。

drop like flies

“drop like flies”は、「バタバタ」と倒れることを意味する英語です。
多くの人々や物事が急速に減少したり、消滅したりすることを指します。

to stop doing an activity in large numbers
ある活動を大量に中止する

参考:Cambridge Dictionary

“flies”は、虫のハエのことで、大量の、大勢のといった比喩として用いられています。

Aさん
When influenza season came, my coworkers started dropping like flies.
訳)インフルエンザの季節となり、同僚たちがバタバタ倒れ始めました。

fall like dominoes

“fall like dominoes”も、「バタバタ」と倒れることを意味する英語です。

to suddenly go down onto the ground or towards the ground without intending to or by accident
意図せず、または偶然に突然地面に、または地面に向かって倒れる

参考:Cambridge Dictionary

ある事象によって起こる良くない連鎖反応を、「バタバタ」と倒れるドミノにたとえた表現です。

Aさん
Due to the impact of COVID-19, many shops fell like dominoes into financial hardship.
訳)コロナの影響で、多くの店がバタバタと経営難に陥りました。

まとめ

仕事に追われて忙しい状況や同じ動きを繰り返す様子など、いろいろな意味を表す「バタバタ」について、英語表現を例文と一緒に紹介しました。

忙しくて時間がない「バタバタ」は、”busy”や”hectic”の形容詞のほか、”swamp”や”occupy”といった動詞を用いて表現できます。
鶏にたとえた比喩表現も、会話ではよく使われますので、覚えておくと便利ですよ。

擬音語を含め、日本語は多義語が多いので、英語に言い換えるときはそれぞれの意味と使い方をしっかりマスターしておきましょう!

関連記事: