南米ペルーのアンデス山中、標高2,430メートルの断崖に突如として姿をあらわす石造りの都市遺跡「マチュ・ピチュ」。まるで雲の上に浮かぶ空中都市のように、深い谷に囲まれた山の稜線にひっそりとたたずんでいます。
インカ文明の栄華を今に伝えるこの遺跡は、「天空の城」や「失われた都市」とも呼ばれ、世界中の人々を魅了し続けています。
本記事では、世界遺産「マチュ・ピチュの歴史保護区(Historic Sanctuary of Machu Picchu)」の魅力を、英語のフレーズを交えながらやさしく紹介していきます。
マチュ・ピチュの歴史保護区ってどんなところ?

マチュ・ピチュの歴史保護区(Historic Sanctuary of Machu Picchu)は、ペルー南部、アンデス山脈のウルバンバ谷に位置しています。高地の急な斜面に築かれたこの都市には、神殿、大広場、段々畑、住居跡、水路などが整然と残されており、約5㎢(東京ドーム約107個分に相当)にわたる遺跡群です。
そのうち約半分が段々畑で構成されており、農耕の工夫がうかがえます。もう半分は市街地で、最大で750人が暮らしていたと考えられています。
「マチュ・ピチュ」の名前の由来は?
「マチュ・ピチュ(Machu Picchu)」という名前は、現地の先住民の言葉・ケチャ語で「年老いた峰(Old Peak)」という意味を持ちます。
なぜ山の上に都市を築いたのか?
マチュ・ピチュが築かれた理由については、今もはっきりとしたことはわかっていません。インカ皇帝のための離宮だったという説、宗教儀式の場だったという説、あるいは薬草の一種であるコカの栽培拠点だったという説もあります。
いずれにしても、谷底からはその存在が確認できないほどの場所にあり、征服者たちの目を逃れ、数百年にわたり密林の中に眠っていたことから「失われた都市(Lost City)」とも呼ばれています。
マチュ・ピチュへのアクセス
日本からマチュ・ピチュに行くには、まずペルーの首都リマまで飛行機で向かいます。そこから国内線でインカ帝国の古都・クスコへ。さらに、列車とバスを乗り継いで「マチュ・ピチュ村(アグアス・カリエンテス)」へ行き、最後に山道を歩いて遺跡に到着します。
道のりは長いですが、その分、たどり着いたときの感動はひとしおです。
「天空の城ラピュタ」との関係は?
スタジオジブリの名作『天空の城ラピュタ』の舞台のイメージが、マチュ・ピチュから着想を得たと言われることがあります。実際に、雲の中に浮かぶ神秘的な都市の雰囲気は、ラピュタとよく似ています。
マチュ・ピチュの歴史をひもとく

マチュ・ピチュは、いまだ謎に満ちていますが、どのような歴史を持つのでしょうか。
マチュ・ピチュはいつ建てられた?
マチュ・ピチュは、15世紀半ば、インカ帝国の最盛期に築かれたと考えられています。しかし、16世紀にスペイン人がペルーを征服したのち、この都市は放棄され、長い間、人々から忘れ去られました。
発見されたのはいつ?
1911年、アメリカの探検家ハイラム・ビンガムによって、マチュ・ピチュは偶然発見されました。当時、この都市は深いジャングルに覆われており、地元の人々でさえその存在を知らないほどでした。
インカの人々は文字を持たなかったため、マチュ・ピチュが何のために建てられたのか、なぜ放棄されたのかといった謎は、今も多く残されています。
英語で紹介してみよう!マチュ・ピチュのフレーズ集
英語学習者にとって、旅先を英語で紹介できると楽しいですね。マチュ・ピチュに関する基本フレーズをいくつかご紹介します。
訳)マチュ・ピチュがなぜ建てられたのか、正確な理由はわかっていません。
訳)「インカの失われた都市」とも呼ばれています。
訳)マチュ・ピチュは、1911年、アメリカの探検家ハイラム・ビンガムによって偶然発見されました。
訳)頂上からの景色は息をのむほど美しいです。
訳)昔、マチュピチュで人々が暮らしていたことを想像すると、不思議な気持ちになります。
世界遺産「マチュ・ピチュの歴史保護区」とは?
マチュ・ピチュの歴史保護区が世界遺産にいつ登録され、どのような理由で登録されたのでしょうか。
世界遺産に登録されたのはいつ?
訳)マチュ・ピチュの歴史保護区は、1983年にユネスコの世界文化・自然複合遺産に登録されました。
登録の理由は?
文化的価値
- マチュ・ピチュはインカ文明の高度な建築技術と都市計画が見られる
- 自然環境との調和が取れた設計である。「自然と共存する都市」の見本
- 宗教・天文観測に関する重要な遺構が残っている
自然的価値
- 深い谷と鋭い山々に囲まれた神秘的な風景
- 絶滅危惧種も含め、多様な生態系の生息地である。珍しい植物や動物が数多く確認されている。
参照:UNESCO World Heritage Centre:Historic Sanctuary of Machu Picchu
マチュ・ピチュの見どころガイド

マチュ・ピチュには、見逃せないスポットがたくさんあります。いくつか代表的なものを紹介します。
見張り小屋(Guardhouse)
絶景を望める展望スポット。写真撮影に最適です。
王女の宮殿(The Princess’s Palace)
高位の女性が住んでいたとされる住居跡。マチュピチュでは珍しい2階建ての建造物。
コンドルの神殿(Temple of the Condor)
アンデスの聖なる鳥・コンドルの形に石が配置されています。
段々畑(Terraced fields)
山の斜面を巧みに利用した農地で、インカの農業技術を今に伝えます。
太陽の神殿(Temple of the Sun)
インカの太陽信仰の中心地で、夏至や冬至に光が差し込む設計が施されています。暦を知るために建造されたと考えられています。
インティワタナ(Intihuatana)
「太陽をつなぎとめる石」ともいわれる謎の祭壇。天文観測に使われたともいわれます。
まとめ:英語で世界を旅しよう!
マチュ・ピチュは、インカ文明の謎を秘めた壮大な遺跡です。15世紀に、山の断崖で確かに人々が生活していたことを証明するマチュ・ピチュ。植物や動物たち自然と共存する都市だったといわれています。
人々は、何を考え、何を感じながら、天空の都市で暮らしていたのか…。そんなことを空想すると、とても不思議な気持ちになってきます。
マチュ・ピチュの歴史保護区の魅力を英語で語れるようになると、海外の人たちとも感動を分かち合うことができるでしょう。
Let’s travel the world in English.

