日本のクリスマスと言えば、チキンを食べたり恋人とデートをしたりして過ごすイメージがあります。実はこれ、アメリカ人にとっては不思議な現象なのだそう。日本にずっと住んでいるとあたりまえに思えるクリスマスの過ごし方も、実はアメリカ人にとっては普通ではないことがたくさんあります。ここでは、そんなアメリカと日本でのクリスマスの一般的な過ごし方の違いは何か、それを話題としてどう英語で説明できるかを紹介していきます。
アメリカと異なる日本のクリスマスの慣習

日本にずっと住んでいると、毎年やって来るクリスマスの慣習にほっこりしてノスタルジックな気持ちになります。しかし、クリスマス本場のアメリカの人からしたらその慣習が実はまったくアメリカ本土には存在しない面白いものとして話題となることがあります。ここでは、いくつかの日本特有のクリスマスの慣習を挙げていきます。
クリスマスは恋人たちが過ごす日であること
日本のクリスマスは、とにかくカップルが幸せに過ごす日であるというイメージが根付いています。この謎を紐解くには、まずは日本がどのようにクリスマスを取り入れていったかを知る必要があります。
1900年前半からクリスマスが輸入
実は、日本におけるクリスマスの歴史は、案外古いんです。
1906年以降、日露戦争で日本がロシアに勝ったこと。大国ロシアに勝利したことで「西洋文化コンプレックスが軽減され、クリスマスを日本風に組み替えて取り入れていきました。最初は「子ども向けイベント」から始まり、1930年代に入ると、「大人のための遊興クリスマス」の一面も出現し、カフェー(喫茶店ではなく、女性の接待付き洋風飲み屋)やダンスホールで夜通し騒ぎ遊ぶ大人たちが現れてきました。
さらに、1970年から80年代にかけて、雑誌「アンアン」や「ノンノ」のクリスマス記事で「恋人同士で過ごす日」を前面に押し出すようになりました。
参考:ダ・ヴィンチ web
こんなに長い間、クリスマスが日本人の「楽しい日」として続いていることにもびっくりですし、思っていたより明るい戦前を日本人が過ごしていたことにも驚きます。
アメリカは家族中心のクリスマス
一方で、アメリカのクリスマスは基本的に「家族のイベント」です。恋人と過ごすよりも、実家に帰って家族と一緒に過ごすのが一般的です。多くのアメリカ人にとって、クリスマスは感謝祭(Thanksgiving)と並ぶ家族の時間です。家族みんなで集まって、プレゼント交換をしたり、食事をしたり、教会へ行ったりします。
もちろん、大人になって家を出た人も、この時期は里帰りする人が多いです。
日本ではクリスマスは「恋人と過ごすロマンチックな日」というイメージが強いですが、アメリカではそれはバレンタインデーの役割に近いです。
恋人のためのクリスマスについて英語で話してみよう
海外の人とクリスマスの話題する際、この話題はきっとみんなの興味を引くでしょう。恋人たちのためのクリスマスについて英会話の中で話してみましょう。
訳)日本では、クリスマスは恋人たちのロマンチックな祝日と見なされることが多いです。
訳)それは面白いね!アメリカでは家族と過ごすことが中心なんだ。
クリスマスにフライドチキンを食べること

日本では、いつの間にかクリスマスにフライドチキンを食べることが主流となりました。毎年クリスマスの時期になると、フライドチキンのCMや予約の宣伝が巷に広がります。このフライドチキンをクリスマスに食べる慣習が根付いた理由は2つあります。
まずは、一般的に日本ではターキーが手に入りにくく、その代わりにチキンを選択したということです。 日本では、アメリカなどでクリスマスに食べられてきた七面鳥(ターキー)が一般家庭向けには流通しておらず、その代わりに手軽に購入できて、家族や仲間でシェアしやすい「フライドチキン」が注目されました。そして2つ目の理由は、もちろんケンタッキーフライドチキンの宣伝効果です。
1970年代に、日本のケンタッキーフライドチキン(KFC)(最初の店舗は1970年に開店)で、店舗マネージャーが「クリスマスに七面鳥が入手できないなら、チキンで代用できないか」という発想を得たとされています。
参考:CNN.co.jp
日本でクリスマスにKFCを食べる文化を英語で紹介
海外の人とクリスマスの話題になった際、必ずびっくりされる話題は「ケンタッキーを食べること」です。会話のなかでさらっと話せるように以下参考にしてみて下さい。
訳)日本ではクリスマスには何を食べるの?
訳)日本では、多くの人がケンタッキーフライドチキンを食べるよ。
訳)本当?なんでまたKFC?
訳)人気の慣習なんだよ。ターキーは日本では一般的ではなく、しかもKFCがクリスマスの食事としてフライドチキンを宣伝して人気になったんだよ。
エルフって何?アメリカでは定番のキャラ

ちなみに、エルフって知っていますか?アメリカには定番に存在しているキャラクターですが、日本では一般的にはあまり知られていないため、せっかくなのでここでご紹介します。
「エルフ(Elf)」アメリカやヨーロッパではとても有名な北欧神話やゲルマン神話のキャラクターです。
参考:Wikipedia
ただ、アメリカではクリスマスの伝統的キャラクターのひとつとして、特別な位置づけがあります。アメリカのこの文化の発祥は”The Elf on the shelf”という本です。ファンタジー作品に出てくる高貴なエルフ(森に住む長耳の種族)とはまったく別物です。
「サンタのスパイ」としてエルフが家庭に来て、子どもたちの行いを見てサンタに報告する、という設定です。子どもたちは「エルフが動く!」と信じて、毎朝どこに移動しているかを探します。
今では全米で大人気のクリスマスの家庭イベントになっています。家の中に毎日場所が変わるエルフの場所を探して楽しんだり、エルフに監視されているからクリスマスのサンタが車でいい子でいなきゃね、と話をしたりしてクリスマス本番を楽しみにします。
子ども向けのアニメやお菓子パッケージにも、赤・緑の服を着た小さなエルフが描かれています。
各国のクリスマス文化の違いを楽しもう
アメリカと日本では、クリスマスの過ごし方が少し異なります。ただ、その違いを楽しんで会話のトピックにしたり、現地でその違いを味わったりすれば人生が少し豊かになるかもしれません。みんな大好きなクリスマス。各国のクリスマス文化の違いについては調べてみるのも良いかもしれませんね。
