「私ってケーキづくりが得意なんだ」
「娘はピアノが上手なのよ」
日本人にとって、自分や家族を堂々と褒めるというのは気が引けることかもしれません。聞かされた方はどうでしょう?「ちょっとちょっと、随分自信があるんだなぁ」的な反応になることも。
ところが、外国人との会話では気おくれせずに「息子ってサッカーがとっても上手なんだよね」といった感じで家族を褒めます。もちろん、話し相手についてもちょっとしたことを褒めるので、ポジティブなコミュニケーションになるわけです。
というわけで、英語の会話では得意なことについて話せるようになっておくことをおすすめします。相手にもどんなことが得意なのか聞ければ英会話も盛りあがります。
そこでこの記事では、「得意です」「上手です」の英語表現、普段の会話で使えるフレーズを例文で紹介していきましょう。
「得意です」「上手です」はなんて言う
興味のある分野や上手なものが分かることでその人の理解が進んだり、もちろんコミュニケーションに役立ちます。得意なことと言っても、何かのインターハイに出場したとか、表彰されたという大きなことに限りません。また、Aさんより上手でないからなどと謙遜しすぎる必要はなく、自分で得意と思えばそれは得意なことになります。
「得意です」「上手です」の代表的な表現はgood atになります。皆さんが使い慣れている「良い・優れた・素晴らしい」と意味を持つgoodを使ったフレーズですので覚えやすいですね。
good atの使い方には以下、2つのパターンがあります。good at後の違いにご注目ください。
パターン1 主語+be動詞+good at+名詞
意味:~は得意・上手です。
I’m good at swimming.
訳)私は泳ぎが得意です。
He is good at writing.
訳)彼は書くのが上手ですね。
パターン2 主語+be動詞+good at+動名詞
意味:~することが得意・上手です。
She is good at making cakes.
訳)私はケーキをつくることが得意です。
My brother is good at taking pictures.
訳)弟は写真を撮ることが上手なんです。
これらの例文、好きなことが得意なことになるという典型的パターンですね。
さらに進めます。good atを使って、いくつか変化させてみましょう。
過去に得意だったこと
I was good at swimming when I was little.
訳)小さいころは水泳が得意だったんですよ
得意でないと言いたいとき
I’m not good at swimming.
訳)私は泳ぎが苦手です。
※否定形not good atをterrible at(ひどく悪い)やhopeless at(絶望的な・能力がまったくない)に置き換えることもできます。
Tips – good atを使う対象とは?
good atは主語が専門家(=プロ)以外である場合に使いましょう。一般人が経験によって身につけたもの=得意・上手なものを表現するときにgood atが使われます。
例えば、ケーキづくりが得意でもプロのパティシエであればgood atは使わないということです。
このヒントはぜひ抑えていただけると、次の解説につながっていきます!
「~が得意」に”good at”はNG!
「~が得意です」はgood atだと知ったばかりなのに、ここでNGとはどういうことですかね?という声が聞こえてきました。
そこでですが、上で述べた”その得意なものを職業とするプロにはgood atを使わない”というヒントを思いだしてください。
プロや職業に関して「~が得意」という場合は、good atより経験を積んでいる・レベルが高いことを表現できるようにする必要があります。good atはカジュアルであり、フォーマルな伝え方は何なのか?と捉えていただければいいでしょう。
その代表的なものが、スキル・技能・腕前・熟練作業の意味を持つskillを使う表現です。
以下のように、skillを使って「~が得意です」を表します。
I’m skilled at ○○.
I’m skilful (skillful) in ○○.
※skilfulはイギリス英語、skillfulならアメリカ英語です。
I have skills in ○○.
こちらを例文で確認していきましょう。
Aさん
I’m skilled at IT.
訳)私はITに長けています。
I’m skilful in both English and Spanish.
訳)英語とスペイン語が堪能です。
I have skills in leadership.
訳)リーダーシップのスキルを持っています。
外国人との会話だけでなく、外資企業への就職活動に使用するresume(履歴書)でも得意なこと=他者より優れていることをアピールする必要があります。日頃、自分って何が得意なのか?と考えることがあまりなくても、英語を学ぶのであればこれを良い機会に説明できるようにするとよいですね。英語とスペイン語が堪能と書くのであれば、それを裏付けるようなエピソードや実績があれば他者との比較が明確になります。
ちなみに、skilfulはproficient(熟達した・堪能な)に置き換えることができます。
得意の前後の言葉(得意先、得意気、得意そう)
ここでは、「得意」という言葉が使われる様々な表現について触れておきましょう。
得意先
日ごろ取引のある相手、その中でもよく買ってくれるお客様を「得意先」と呼びます。取引のある相手は口座という意味でも使われるaccount、仕事上の相手はカタカナでも使われているクライアントclientになります。
I have a meeting with a client at 11:00am.
訳)11時にクライアントとの打ち合わせがあります
得意気
自慢気で誇らしげな様子を「得意気」と言います。得意気に当たる英語はproud もよいですが、triumphantly(トゥライアンファントリィ)であれば「勝ち誇って・得意満面で」というニュアンスになります。
He announced triumphantly that he has been selected as a national player.
訳)彼は国の選手に選ばれたことを得意気に発表した
得意そう
思い通りになって満足している人に対して、周りがいう言葉が「得意そう」ですね。show offで”見せびらかす”、talk bigで”得意そうに話す”とシーンによって使い分けます。
She wanted to show off her new boyfriend at the party.
訳)彼女はパーティで新しい彼を見せびらかしたかったのよ
得意なことを言えることは良いことですが、得意気になり過ぎたり、得意そうと多くに見えたりは外国人相手でもarrogant(傲慢な)と思われますのでご注意を!
「得意です」「上手です」フレーズ一覧
英語を学ぶことで人との出会いがひろがります。自己紹介に加えて、自分の好きなことや得意なことを伝えたり、話し相手がどんなことを得意としているのか発見すれば親近感が増すこともあるのではないでしょうか?
さて、good atやI’m skilled atだけでなく、「得意です」「上手です」を表わすフレーズは他にもあります。
talented
カタカナでタレントという言葉もありますが、talentedは生まれながらに持っている天性を示すときの”才能豊かな”という表現に使われ、giftedに置き換えることができます。
She is a talented table tennis player.
訳)彼女は卓球の才能があります
experienced
経験することという意味のexperienceを使ったexperiencedで「経験豊な・知識が豊富な」が「得意だ」を表現します。
I’m experienced in teaching Chemistry.
訳)私は化学を教えることが得意です
※experiencedをexpert(専門家)、master(達人・巨匠)、professional(本職の・プロの)に置き換えることも可能です。
accomplished
熟達したというレベルを表わすのがaccomplishedです。
She is a very accomplished pianist with over 40 years experiences.
訳)彼女は40年以上の経験を持つ非常に優れたピアニストです
excel at
「優れている・抜きんでている」という意味のexcel atによっても「得意だ」を表現できます。
I excel at problem-solving.
訳)私は問題解決を得意としています
英語で「得意なんです」まとめ
「得意です」「上手です」→ good at, skilled atなど。
実はそれほどでなくても「それって自信があるよ」と大胆に言う外国人は結構いて「えっ?!」となることも。対して、日本人は「これは得意と言えるほどじゃないからなぁ」と謙遜しがちかもしれません。文化の違う人に英語で話す際には日本の文化は一旦忘れ、英語のノリで喋るくらいの気持ちになって、相手の反応も楽しんでしまいましょう。
さて、皆さんはどんなことが得意ですか?家事を時短でできる、人の話を聞ける、ウクレレが弾けるなど、どんなことでも大丈夫。自分に厳し過ぎることなく、得意なことを一つ伝えられるようにしていけるといいですね。