ビジネスシーンで英語が使われる時は、決まりきった表現が多いです。ビジネス英語が難しいのではと思っておられる方でも、定型表現を覚えることで、ビジネス英語が簡単に思えてくるでしょう。

日本でも初めてビジネスシーンに関わった時は、相手に失礼のないように、一言一句気を遣ったのではないでしょうか?

しかし1年もすれば、丁寧なビジネス表現が板に付き、ビジネスメールもひとりで書けるようになり、クライアントとのやり取りもスムーズになってきます。

ビジネス英語についても同じことが言えます。

決まりきった丁寧な表現が身につけば、想像しているよりもシンプルなプロセスでビジネス英語が身につきます。

この記事では、ビジネスシーンで使える幾つかの英語表現と、ビジネス英語が身につくまでのシンプルで具体的なプロセスをお伝えします。

ビジネスシーンで「対応」する時に役立つ英語表現

ビジネスシーンで「対応」する時に役立つ英語表現

ビジネスシーンではお客さんやお仕事に常に「対応」しているといえます。

ゆえに「ただいま対応しております」や「ご対応をお願いします」など、「対応」に関する表現を覚えていると非常に役立ちます。

  • deal with ~
    〜に対応する

「〜に対応する」と言う際には deal with ~が使えます。deal with ~は「〜に取り組む」というニュアンスで「対応する」を表現できます。

例:I’ll deal with the problem.(僕がその問題に対応します。)

deal with はビジネスでよく使われる表現ですが、実は日常会話でもネイティブはよく使っている表現です。例を挙げましょう。

Aさん
I can’t deal with this summer heat.
訳)この夏の暑さには耐えられないよ。
Bさん
Me, neither. The temperature is over 35°C today.
訳)僕もだよ。今日も気温が35℃を超えてるよ。

deal with は肯定文では「対応する」「取引する」という意味でよく使われますが、否定文でcan’t と一緒に使うと、「対応できない」から「耐えられない」という意味にもなります。

  • handle ~
    〜に対応する

handle ~も「対応する」の意味で使えます。handle(ハンドル)と言うと、車のハンドルを思い浮かべませんか? handleにはもともと「〜を操縦する」の意味があり、お仕事を「操縦」して問題解決をするイメージで「対応する」の意味でも使われます。

例:Let me handle this project.(このプロジェクトは僕に対応させてください。)

  • take care of ~
    〜に対応する

「〜の面倒を見る」の意味で学ぶ take care of ~ですが、ビジネスシーンで「〜に対応する」の意味でも使われます。

例:Is there anybody who can take care of this issue?(誰かこの案件を対応してくれる人はいませんか?)

  • cope with ~
    〜に対応する(取り組む)

“cope with ~”も「(問題に)対応する」という意味で使われる表現ですが、今まで出てきた表現と使い方に関して何が違うのでしょうか。

“cope with ~”は、「難題などに対応して克服する」という意味合いで使われます。

例 1:Parents often have to cope with the challenges of raising teenagers.(親は往々にしていティーンエージャーの子育ての難題に取り組まなければならない。)

例 2:The company implemented policies to help employees cope with burnout.(その会社は、従業員が燃え尽き症候群に対処するのを支援する施策を実施した。)

“burnout”は「燃え尽き症候群」のことです。

  • manage ~
    〜に対応する、対処する

“manage”も「~に対応する」という意味で使われて、”handle”と少し似ていますが、「何とか~に対応する」というニュアンスで使われます。

例 1:She manages her stress by practicing mindfulness every day.(彼女は毎日マインドフルネスを実践することで、何とかストレスに対処している。)

例 2:The company managed to increase profits despite the economic downturn.(景気後退にも関わらず、その会社は何とか利益を伸ばすことができた。)

状況確認で使えるビジネス英語

ビジネスシーンで「対応」する時に役立つ英語表現

続いてビジネスシーンで度々必要になる「状況確認」に使える英語表現です。

How have things been after that?
その後ご状況はいかがでしょうか?

この表現は、状況を確認するのにピッタリの表現です。相手の状況を定期的に確認したり、以前に話題に挙がっていた気がかりなことを尋ねる時などにも使いやすい表現です。

”How have things been” の部分が現在完了進行形の受動態になっていて少し戸惑う部分もあるかもしれませんが、その場合は日常英会話でも使える「How have you been?(元気してた?)」と結びつけて覚えると良いですよ。

How have you been?は “How are you?” のように挨拶感覚で使える英語表現で、少し久しぶりに会う相手に使われる表現です。

How have you been?は、主語であるYou(あなた)が、How(どのように)、have been?(されていましたか?)という構造で「元気にしてた?」を表しています。

How have things been?も同じように考えて、主語の “things” は「ものごと」ですから、How have things beenで「物事はどのように進んでいますか?」となり、転じて「状況はどんな感じですか?」となるわけです。

この質問への答え方としては、物事がうまくいっている場合には、
Things have been going well. 「物事はうまくいってるよ」と言って、その後に具体的な説明を入れます。

トラブルが発生している場合には、
We’ve been in trouble.「トラブルに見舞われています」と言ってから、具体的な説明を続けることになります。

現在完了を使った「状況確認」のビジネス英語表現を紹介しましたが、進行形を使った「状況確認」の英語表現も紹介します。

  • How is everything going?
    すべて順調ですか?

この表現は、「状況確認」をする場合に、ビジネスに限らず、日常会話でもよく使われる表現です。

主語は “everything”「すべてのこと」で、現在進行形を使って聞いています。友人同士でも、職場の同僚にも、気軽に使える表現ですね。

この質問に対する答え方としては、すべてが順調な場合は、
Everything is going well. などど答えます。

もし、問題が生じている場合には、
We’ve got a problem.「問題が生じてるよ」となります。

「現在完了」を使う場合と「現在進行形」を使う場合があって、どうやってその2つを使い分ければいいの?と思われるかもしれません。

「現在完了」を使うのは、最後に会ってから久しぶりに会う場合に使われる傾向があります。一方、「現在進行形」は、少し前に会ってまた会った時の状況確認によく使われます。

  • How are things turning out?
    その後ご状況はわかりましたか?

この表現は「わからなかった状況は今はわかりますか?」のニュアンスで使われます。例えば、以前に相手から「確認して後日連絡しますね」と言われたことについて知りたい時に使えますね。

  • What’s the situation / status of ○○ after that?
    その後〇〇の状況はいかがでしょうか?

この表現は、より具体的に「〇〇の状況」を聞くときに使えますね。「What’s the situation / status of section B after that?(その後セクションBの状況はいかがでしょうか?)」といった感じで、「具体的に〇〇の状況を聞きたい。」という時などに使えます。若者の挨拶で “What’s up?”というカジュアルな表現がありますが、そう聞かれても、何と答えていいか悩んでしまうことがありますが、具体的に〇〇の状況はいかがですか?と聞かれた方が、答えやすいですね。

  • Are we on schedule?
    予定通りに進んでいますか?
  • Is everything going as planned?
    すべてが予定通りに進んでいますか?

「予定通りに」は “on schedule”を使ってもいいし、”as planned”を使うこともできます。シンプルですが、状況の進捗について切り出すときに使いやすい表現です。

ビジネス英語を使えるようになるたった2つのステップとは?

ビジネス英語を使えるようになるたった2つのステップとは?

ビジネス英語を身につけたいという需要は非常に高いです。

ビジネス英語を身につけて、昇進や昇給を狙う人も多いでしょう。

一方で、以下のように考える人も多いでしょう。

Aさん
ビジネス英語って難しそう…

しかしご安心ください。

ビジネス英語が身につくまでのプロセスは意外にもシンプルです。

本項では「ビジネス英語が身につくまでのたった2ステップ」をお伝えします。

ステップ1.決まりきった表現を覚える

ビジネス英語のほとんどが決まりきった表現です。覚えてしまえば難なく口から出てきます。

例えば、日本のビジネスメールをイメージしていただけるとわかりやすいです。

例えば、「前に言ってた請求書を送るから確認しておいてね」という要件で送るにしても、以下のように↓

「お世話になっております。以前お伝えしていた〇〇の請求書について添付ファイルにて送信致します。ご査収くださいますよう 何卒よろしくお願い致します。」

といった感じで、「お世話になっております。」や「ご査収ください」といったビジネスシーン特有の表現をするので、初めて会社務めをした時は戸惑った人も多いでしょう。

しかし、慣れてしまえばスラスラと上述のようなビジネスメールで使う文言が出てくるようになります。。

英語でも同じことが言えます。

幸い英語では日本語よりも丁寧な表現はシンプルですし、ビジネスシーン特有の言い回しも少ないです。

「習うより慣れろ」の精神で、まずは本記事でお伝えしたビジネスシーンで使える決まりきった表現を積極的に身に着けていきましょう。

ステップ2.反射的に言えるようにする

ビジネスシーンで使われる決まりきった表現が身に着いてきたら、それを反射的に言えるように意識してみましょう。

仕事をしている時や公的な場所にいる時など、意識が「仕事モード」に入っている時は、とっさに話しかけられても敬語や丁寧な表現が出てきませんか?

英語でも同じように、意識が仕事モードに入っている時に、反射的に丁寧な表現が出てくるよう練習してみましょう。

例えば、頭の中のイメージを瞬時に英訳する「瞬間英作文トレーニング」を、ビジネス表現で行うと効果的です。

「名刺を頂戴できますか?→May I have your business card, please?」
「今週末の会議に出席予定だ。→I will attend a meeting this weekend.」

といった感じで、頭に浮かんだビジネス表現が瞬時に英語で出てくるよう訓練することで、仕事モードの時に英語でもビジネス表現が反射的に出てくるようになります。

ビジネスでよく出てくる英語表現は、文学的表現や学術的表現に比べると、そんなに多くありません。最初はビジネスの英語表現にとまどうかもしれませんが、ビジネス英語を勉強しているうちに、すっかり定型表現を覚えて宙で言えるようになりますよ。

ビジネスの英語表現を目で見て覚えるだけでなく、口に出して読んでみましょう。英語ネイティブがビジネス英語を話している映画や動画もたくさんあるので、耳から聞いて覚えるものいいですよ。五感をフルに活用して、ビジネス英語を覚えていくのがおすすめです。

まとめ

この記事では、ビジネスシーンで役に立つ英語表現のピックアップと、ビジネス英語が身につくまでのシンプルで具体的なプロセスをお伝えしました。

ここまでお読みのあなたは、「対応する」や「状況確認」などビジネスシーンで頻繁に使われる表現を具体的な使い方までしっかり理解し、さらにより広いビジネス英語が身につくまでの具体的なプロセスも頭に入っています。

この記事でお伝えした内容が、あなたの英語学習をより充実したものにできれば幸いです。