皆さん、洋画は好きですか?お気に入りの俳優はいますか?
答えがyesなら、映画鑑賞が英会話の学習をする教材となる可能性があります。

そこで「映画を観るだけで英会話ができるようになるの?」と思われた方、残念ながらやはりそう簡単な話ではないんですね。

そこで、この記事では映画を英会話学習に役立てるための勉強法を紹介します。最後までぜひお読みください。

映画で英語を勉強する方法

映画で英語を勉強する方法

数ある英会話学習法、大きくは講師に学ぶやり方、そして独学の2つに分かれるでしょう。

NetflixやAmazon Primeなど動画配信サービスが充実している今、独学で英語を学ぶ際に映画鑑賞を使うことができます。いったい、どのように活用すればいいのでしょう。

映画の英語学習活用法とは

アニメ、アクション、コメディ、ドキュメンタリー、ファンタジー、ホラーにロマンス、映画には様々な種類があります。子ども向けの映画であれば、親しみやすいストーリーに加えてあまり難しいセリフが出てこないところが初心者にはおすすめです。
まずは、1本これだ!という映画を選んでください。好きな俳優が出ているものもいいですね。肝心なポイントは興味を持って観られる映画であり、かつ英語のレベルに合ったものを選ぶという点になります。

それでは、具体的に学習法を紹介していきます。それでは映画をスタートしましょう。

1. 1回目は日本語の字幕付きで鑑賞する

映画を楽しむとともに、ストーリー自体や登場人物を理解するためです。

2. 好きなフレーズがあったら口に出してみる

好きなセリフ、かっこよいセリフってありますね。それを自分でも真似して言ってみます。映画ですからスラングやイディオムもありますね。この場合、リスニング力も必要になってきますが繰り返すことで言えるようになっていきます。ぜひ、役者の声のトーンも真似て口に出してみましょう。

3. 字幕なしで鑑賞する

日本語字幕で観た後に、無い状態で見れば当然難しいです。いきなり字幕無しで英語を理解できるということはないからです。しかし、ずっと字幕をつけているとどうしてもそこに頼ってしまいます。字幕なしでどこまで理解できるか、集中した状態で英語のリスニングを試してみます。

4. 英語の字幕付きにして鑑賞する

次に英語の字幕付きにしてみます。字幕のない状態から一転、知っているフレーズが急に見つかったり、聞き取れなかった会話が理解できることがあります。

英語字幕に対応している動画配信サービスは、Netflix(ネットフリックス)、Hulu(フールー)、Disney+ (ディズニープラス)」の3社のみです。

英語の聞き取りに自信がない方には、英語字幕に対応している3社の動画配信サービスで、映画を観ることをおすすめします。英語が聞き取れるようになってきたら、英語字幕に対応していない動画配信サービス、たとえばAmazon Primeなどに切り替えるのもありです。

5. 上記の流れを繰り返す

特に、上記の3番と4番を繰り返してみます。英語の字幕「無し」と「有り」で確認作業をしていくことができます。
この作業によって、さらに聞き取りできる範囲が大きくなっていきます。すでに聞こえたものはさらに確実に、そこに追加していく形で理解できるフレーズを増やしていきます。

英語字幕を用いてするときのポイント

注意点は英語レベルに合ったものにすること

上で紹介した映画の英語学習活用法の「4. 英語の字幕付きにして鑑賞する」について、さらに解説を進めましょう。

鑑賞とはこの場合、ある程度の長さで切って観ていくのであって、映画まるまる1本ということではありません。短く切ったシーンを英語の字幕付きで鑑賞してみます。

字幕無しの難しさと比較して、字幕を見ながら映画を鑑賞すれば、いくつかのフレーズが聞き取れることを実感します。また、一度目で多くを聞き取れなくても心配する必要はありません。映画を英会話の学習に活用する方法は、何度も繰り返していくところがポイントだからです。
もう少しで聞き取れそうなものに関しては、そこだけを繰り返し聞くことができるのも自宅でする映画鑑賞学習法ならではです。

注意点は自分の英語レベルに合ったものを観賞すること

映画を英会話の学習に活用する際に注意したいことがあります。
注意すべき点は大きく2つ、「学習目的に沿った映画選び」「英語のレベルを合わせる」になります。

詳しくみていきましょう。
「映画選び」には冒頭にも自分の好きなジャンルであるべきだと述べました。しかし、この学習法を始めるにあたっては好みであると同時に学習目的にも沿ったものにしましょう。学習の目的が日常会話であれば、ホラーよりファミリーもの、歴史ものよりファンタジーといった選び方がおすすめです。母国語(日本語)でみたことのある映画にすることで英語を理解しやすくする効果もあります。あまり古い古典的な映画は言い回しも古いので避け、30年以内に公開された作品から選びます。
また、自分が学びたいのはイギリス英語かアメリカ英語なのかを決めてから映画選びをすることも考えましょう。

二つ目の「英語のレベルを合わせる」ですが、自分の英語レベルにピッタリ合っている映画と言っても見つけることが難しいですね。そこで、初心者にはアニメがおすすめです。また、アニメでなくてもファミリーで観るタイプの映画であれば子どもが出てくるので難しいフレーズがあまり出てきません。

レベルを合わせるという意味は、自分の英語レベルより少し低いものをと受け取っていただいて問題ありません。まずは1本、簡単なものから始めてみましょう。いくら自分の好きな映画でも、難しすぎて自分の英語レベルに合っていないものでは英語学習には向いていません。結局、日本語字幕をつけてストーリーを楽しむだけになってしまいます。そういった映画は後の楽しみにとっておきましょう。

レベルに合っているのかを見極める方法

レベルに合っているか見極めるには、上で紹介した学習方法の3番・4番を繰り返しても聞き取れるフレーズがほぼ無ければ、選んだ映画のレベルが難しすぎるということになります。この場合は英語レベルの優しいものに変更したほうが良いでしょう。

映画で英会話を学ぶメリット・デメリット

映画で英会話を学ぶメリット・デメリット

ここで、メリットとデメリットにどのようなものがあるのか紹介しましょう。

メリット5選

  1. 楽しく学習できる。
  2. 学校で学ぶ英語ではなく、自然でリアルな英会話を学ぶことができる。
  3. ネイティブの発音に触れることができる。
  4. 出てきた単語やフレーズが映画のなかで繰り返し使われることによってインプットが進む。
  5. 映画のシーンと一緒に英語を聞き取るのでボディランゲージや表情、声のトーンなどが一緒になった状態であり、単語だけ文章だけ勉強するよりも記憶に残る。

デメリット3選

  1. 話すスピードが早すぎる場合がある。
  2. 学習に時間がかかるため挫折しやすい。
  3. 1人でするので意志が弱いと苦痛になっていく。

デメリットを避けるためには、自分で学習したら、その映画について外国人と話す機会があったりするといいですね。このことでモチベーションを保てる可能性があります。

映画で英会話を学ぶツール

ツールとしてオンライン映画フォーラムに参加したり、映画で英語を学ぶアプリがあります。

オンライン映画フォーラムに関してはLetterboxdなど、映画好きのためのSNSがあります。観た映画作品を記録したり、今度観たいと思っている作品を保存、または友達に良さを伝えるためのもので無料で利用できます。自分の映画の趣味を共有できますが、1行2行でもいいので英語で書いてみます。きっかけに、他の人の英文を真似しながら書いてみるのも問題ありません。

アプリには、Tinglee, VoiceTube, RedKiwiなどがあります。各行ごとにシャドーイングを行ないますが、主に中級以上、上級の方におすすめとなります。

英会話の勉強になるお勧めの映画

英会話の勉強になるお勧めの映画

最後に、英会話の勉強のための映画を紹介しましょう。
先ほど初心者にはアニメがおすすめと述べました。王道はディズニーやスタジオ・ジブリです。人気の映画はストーリーがわかっていることが多く、英語の理解にも役立ちます。

英会話初級者におすすめの映画

  • Finding Nemo(ファインディング・ニモ)
  • Toy Story(トイ・ストーリー)
  • Frozen(アナと雪の女王)
  • Tangled(塔の上のラプンツェル)
  • My Neighbor Totoro(となりのトトロ)
  • Spirited Away(千と千尋の神隠し)
  • Harry Potter(ハリー・ポッター)
  • Titanic(タイタニック)

どれもヒット作品ですね。まずはこの中から、または近いレベルのものを選んでスタートしてみましょう。

2024年6月、東京ディズニーシーに「ファンタジースプリングス」がオープンしました。「フローズンキングダム」で『アナと雪の女王』に登場するアレンデール王国の世界を、映画でチェックするのもいいですし、「ラプンツェルの森」の世界を『塔の上のラプンツェル』の映画で楽しむのもいいですね。

英会話中級者におすすめの映画

ディズニーやスタジオジブリのアニメは結構観てきて、英会話も中級レベルになってきたので、他の映画も観てみたいという方には、次に挙げる映画がおススメです。

  • The Pursuit of Happyness (幸せのちから)2006年
  • The Devil Wears Prada(プラダを着た悪魔)2006年
  • The Bucket List(最高の人生の見つけ方)2007年
  • LA LA LAND(ラ・ラ・ランド)2016年
  • The Greatest Showman(グレイテスト・ショーマン)2018年

英語の聞き取りができるようになってきたら、英語字幕付きの動画配信サービスを利用しなくても、Amazon Primeで英語音声にして日本語字幕付きで観るだけでも、英会話表現のインプットになります。

映画好きの方なら、上記の映画の中ですでにご覧になった作品も含まれるのではないでしょうか。2000年代の後半から2010年代の後半までに、話題になった人気映画ばかりです。

The Pursuit of Happyness(幸せのちから)

英語タイトルを直訳すると、「幸せの追求」ですが、日本語タイトルは『幸せのちから』となっています。幸せは英語で ”Happiness”ですが、映画の登場人物がそのスペルを間違っていたため、それを踏襲してわざとタイトルでもミススペリングになっています。

この映画は、家も妻も仕事も失った男性が息子のために奮闘し、21ドルしかもっていなかった悲惨な状態から億万長者までのしあがるという実話に基づいて製作されました。ウィル・スミス親子がこの映画で初共演し、話題になりました。映画の中で、夫婦、親子、上司、同僚との会話を通して、いろいろ学べる映画です。

The Devil Wears Prada(プラダを着た悪魔)

『プラダを着た悪魔』は、ファッション雑誌ヴォーグ(VOGUE)で編集長アシスタントをしていたワイズバーガーが著者の本が映画化された作品です。

ファッション業界やファッション雑誌の編集に興味がある方に、おすすめの映画です。ファッションもオフィスもとてもオシャレで、真似したくなるようなファッションがたくさん登場します。ビジネス英会話もたくさん出てくるので、ビジネスで使える英語表現も学べます。

英語音声、英語字幕で映画を観ると、英会話の勉強に使えます。

The Bucket List(最高の人生の見つけ方)

この映画は、余命6ヶ月と宣告されたジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンが、Bucket List を作るところから始まります。

“Kick the bucket”は俗語で「死ぬこと」を意味するので、Bucket List が「死ぬまでにしたいことリスト」という意味になります。男性の人生と友情が明るく優しく描かれていて、時々くすっと笑える部分がある映画です。

LA LA LAND(ラ・ラ・ランド)

アカデミー賞で6部門を受賞したロマンティック・ミュージカル映画です。LA(ロサンジェルス)を舞台に、歌、踊り、タップダンス、ピアノ演奏などを通して、アメリカの芸術レベルの高さが満喫できます。

「ミアの働くカフェ」「セブの働くレストラン」「リアルト・シアター」「グリフィス天文台」など、映画のロケ地を巡るツアーもあるようです。ロサンゼルスに旅行する機会があれば、ぜひ旅行前にこの映画を観てから行くと、LAがもっと楽しめるかもしれません。

ミュージカル映画や歌や音楽、ダンスが好きな方にもおすすめの映画です。

The Greatest Showman(グレイテスト・ショーマン)

この映画は、LA LA LAND(ラ・ラ・ランド)の製作スタッフによるミュージカル映画で、”This is me”というヒット曲と共に大ヒットしました。

ミュージカル映画はあまり観ないという人でも、歌やダンスだけでなく、ストーリー性があるので、ストーリーを追いながら楽しむことができます。

まとめ

英語の映画を観るのは、楽しく英会話を学べると思って始めたものの、1人で行なうことがつらくなって挫折してしまったというケースもあります。

最後にひとつヒントを挙げましょう。映画で英会話を学びながら、アプトプットのできる環境づくりをしましょう。外国人の友達を相手に会話をしたり、オンライン英会話を利用するのもおすすめです。
「映画を通して英会話の勉強」と「アウトプットのできる環境づくり」を同時に行なっていくことで、それぞれに関して相乗効果があります。映画で英会話を学ぶのは、本場の英語をたくさんインプットして、リスニング力を鍛え、英語表現を覚えるのに効果的です。まずはインプットから始めて、それをアウトプットする機会を意識的に作っていくと、きっとあなたの英会話力は伸びます。

まずは今週末に観たい映画を選んでみてはいかがでしょう?