新型コロナウイルスへの対策から、マスクの着用が当たり前な日々が続いています。そんな中、「マスクをしたままだと英会話が伝わりにくい…」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、「マスク英会話」をテーマにお話しします。マスクをしていると英会話がしにくい理由や、マスク越しでも英会話しやすくするコツなどについて、詳しくご紹介していきます。

マスク英会話で不便を感じている人は、ぜひ参考にしてください。

マスクをしている人同士の英会話は今後も続く?

マスクをしている人同士の英会話は今後も続く?

2019年12月末から続く新型コロナウイルスの脅威の中、日常生活をマスクで送ることが当たり前になりました。しかし、2023年3月以降は厚生労働省が公式に「マスクの着用は、個人の主体的な選択を尊重し、個人の判断が基本」とアナウンスしているため、マスクの着用率は今後、徐々に減っていくでしょう。

しかし、だからといって一斉に全員がマスクを外すわけではありません。事実、この声明が出されてから時間が経った現在においても、未だ街にはマスクをしている人が多くいます。そのため、マスク越しで行う英会話も、まだまだ必要な機会が多くあるといえるでしょう。

2024年、夏場はマスクを外している人が多かったですが、冬になってインフルエンザの流行もあり、マスクを着用する人が増えてきています。

参考:マスクの着用について|厚生労働省

マスクをしていると英語が伝わりにくい理由

マスクをしていると英語が伝わりにくい理由

マスクをした状態で会話すると、日本語でも内容がわからなかったり、聞き取りにくかったりしますよね。慣れている日本語でもそうなのだから、慣れない英語では尚更でしょう。実際、英語のネイティブ同士でも、マスク越しの英会話は非常に難しいという話もよく聞かれます。

ここでは、なぜマスクをしていると英語が伝わりにくいのか、その具体的な理由を3つに分けて詳しく確認していきましょう。

理由①:顔の表情がわかりにくいから

マスク越しの英会話が伝わりにくい理由の1つとして、マスクで顔の表情がわかりにくくなる点が挙げられます。

英語でのコミュニケーションは、口から出す音声に加え、顔の表情を非常に重視しています。多くの外国人が日本人に比べて陽気に見えるのも、これが理由の1つと考えられます。

そのため、マスクをした状態で英会話をすると、本来見えるはずの表情がマスクに隠されてしまうため、喜怒哀楽の情報が分からなくなってしまい、コミュニケーションが難しくなってしまうのです。

Aさん
I didn’t know that facial expressions are so important in English conversation.
訳)英会話では、顔の表情がとても重視されるのは知らなかったです。
Bさん
If you think about it deeply, you will notice that native English speakers change their facial expressions depending on what they are talking about.
訳)深く考えてみると、英語のネイティブスピーカーは、話している内容によって顔の表情を変えていることに気付くね。

「顔の表情」は、英語で facial expressionsです。

理由②:口の動きが見えないから

マスクをした人同士の英会話が難しい理由として、お互いの口の動きが見えない点も非常に大きいです。

数え方には諸説ありますが、英語には子音が24個と母音が15個あり、日本語以上に様々な音を使い分けています。その際、音声だけでは聞き分けが難しい音については、相手の口の動きを見て無意識に補完していますが、マスクではそれが隠されてしまうので、言葉の取り違えが生じます。

実際、英語に慣れているはずのネイティブ同士でも、マスク越しの会話は難しいらしく、何度も聞き返したり、マスクを取って言い直したりすることが多々あるようです。

そのため、英語に慣れていない日本人にとって、マスクをした状態での英会話は、通常の英会話より難易度が数段アップしてしまうのです。

英語のフォニックスを教える際に、口の動きをしっかり見せてアルファベットの発音を教えます。新型コロナの流行のため、マスクを着用する機会が増え、フォニックスをしっかり教えることも厳しくなっているのではないでしょうか。

マスク越しで行う英会話の場合、フォニックスがとても教えづらい、学びづらいという状況が続いています。Kiminiオンライン英会話の発音コースで、フォニックスについて学ぶのはいかがでしょうか。

発音コースは、フォニックスを用いて丁寧に学習していく全45レッスンのコースです。発音記号のような特殊な記号は使わず、アルファベットそのものの発音から学んでいき、英語のスペリングと発音の関係性を学びます。フォニックスで英語のスペリングと発音の関係性を学ぶことで、初めて見た英単語でも7割以上は正しく読めると言われています。オンライン英会話なら、安心安全に英会話を学ぶことができますね。

理由③:声が不明瞭になるから

マスクをした状態での英会話は、マスクで声が不明瞭になる点も、コミュニケーションしにくくなる理由の1つでしょう。

私たちは普段、自分の声を耳からの空気電動と、骨からの骨伝導という2通りのルートで聞いています。試しに、耳をふさいだ状態で何かを発声してみてください。音がシャットアウトされた状態でも、問題なく自分の声が聞こえるはずです。

そのため、マスクの有無にかかわらず、相手も同様に聞こえるだろうと考え、同じ声量で話してしまいがちです。しかし、相手には当然骨伝導の声は届かないので、マスクによって半減されたくぐもった声のみが届きます。その結果、普段よりも聞き取りにくい声になってしまうのです。

マスクをしても英語が伝わるようにするコツ

マスクをしても英語が伝わるようにするコツ

コロナウイルスの脅威はピークを越えたように思われますが、今後もしばらくは、マスクを着用した状態で英会話をする機会が無くなることはないでしょう。そのため、マスクをしたままでも相手に伝わるよう、工夫をこらして英会話していくことが重要です。

ここでは、マスク越しでの英会話で意識したい、具体的なコツを4種類確認していきましょう。

コツ①:1語1語をはっきり発音する

マスク越しの英会話では、1語1語をはっきり発音するよう意識するのがコツです。

前述の通り、マスクをしている状態では、音声情報が不明瞭になってしまいます。また、普段は相手の口を見ることで補っている子音や母音の音情報もわかりにくくなります。そのため、少し大げさかと思われるくらい、1語1語の発音を明確にすることが効果的です。

イメージとしては、外国人に日本語で話しかけるときの感覚が近いでしょう。流暢に話すことよりも、自分の声が着実に相手の耳に届くことを意識して、ハキハキと発音するのがおすすめです。

コツ②:アイコンタクトを意識する

マスクを着用したまま英会話をする際は、ふだん以上にアイコンタクトを意識するようにしましょう。

その主な理由は「目は口程に物を言う」から。マスクで鼻から下の顔が隠された状態では、目から受ける情報は非常に重要です。そのため、普段より目に力を込め、アイコンタクトで情報を補うようにしましょう。

また、アイコンタクトを行うことで、相手の意識を自分に向けやすくなるというメリットもあります。日本人は目を見ずにボソボソ話してしまいがちなので、しっかり目を見て話すのを意識するだけでも、伝わりやすさがグンとアップしますよ。

日本語で話すときに、アイコンタクトをとらずに話している人も結構います。人と目を合わせるのが苦手な人もいて、ふだん日本語の会話でやっていないことを、英会話ではやるというのは難しいのかもしれませんが、できる範囲でアイコンタクトをとるように努めましょう。

ちなみに「アイコンタクトをとる」は、英語で ”make eye contact” といいます。文脈によっては、”look at one’s eyes”という表現を使ってもいいでしょう。

コツ③:ジェスチャーを多用する

マスクを着用した状態では、ジェスチャーを多用しながら英会話するのがおすすめです。

もともと英語は、日本語以上にジェスチャーをよく使う言語。そのため、普段より情報が限られているマスク越しの会話においては、ジェスチャーの有無がコミュニケーションの成否を大きく左右します。

たとえば、わからないのであれば首を大きく傾げたり、方向を示す際は、言葉と合わせて腕や指で指し示したりしてみましょう。そうすれば、マスクをしたままでも1回で情報が伝わりやすくなり、スムーズなコミュニケーションができるようになるはずです。

日本人は、日本語で会話する際に、ジェスチャーを多用する習慣がないので、これを実践するのは最初は難しいかもしれませんが、少しずつできる範囲でジェスチャーを使って、英語を話すように心がけましょう。うなずいたり、首を横に振ったりする程度のジェスチャーでもいいです。少しでもジェスチャーを使うことで、英会話でのコミュニケーションが楽になるでしょう。

コツ④:シンプルで簡単な表現を使う

マスク英会話の最後のコツは、シンプルで簡単な表現を使うことです。

ある程度英会話に慣れてくると、難しい表現を使ったり、まわりくどい言い回しを使ったりしがちです。しかし、マスク越しの状態では、単語や表現が難しいほど、相手に伝わりにくくなってしまいます。

マスクで情報が制限されているからこそ、表現はシンプルかつ簡単なものにするのが効果的。外国人相手だからといって格好つける必要はないので、可能な限り無駄を省き、わかりやすい英語表現を心がけるようにしましょう。

「シンプルで簡単な表現」と聞いても、具体的にどんなものがあるのかピンと来ない人もいるかもしれないので、例を挙げて説明しましょう。

日本語文 1:「お会いするのは久しぶりですね!」

この日本語文を英語で言うのに、どんな表現を思いつきますか?

学校の教科書で習った英語表現を使うなら、こうなるでしょう。
It has been a long time since I met you last time.
(最後にあなたにお会いしてから長い時間が経っています。)

これをネイティブがよく使う口語表現にするなら、こうなります。
Long time no see!

他の例も挙げてみます。

日本語文 2:「少し時間がありますか?」

この日本語文を英語にする場合、「時間」を直訳して、”Do you have time?”と言ってしまいそうになりますが、”Do you have the time?”(今の時間が分かりますか?)と紛らわしいです。なので、次のように聞いた方が紛らわしくなく、一発で通じます。

Do you have a minute?

 

Aさん
I learned the key points to making myself understood in English while wearing a mask.
訳)マスクを着用しながら、自分の英語を通じさせる重要ポイントが分かりました。
Bさん
Me, too. But I think it is difficult to put all the key points into practice at the same time.
訳)僕もだよ。でも、同時にすべての重要ポイントを実践するのは難しいと思う。
Aさん
Indeed. You can just put easy key points into practice.
訳)確かに。簡単な重要ポイントだけ実践することもできるよ。
Bさん
I will at least try to pronounce each word clearly and use simple easy words.
訳)少なくとも一語一語クリアに発音して、シンプルで簡単な単語を使うように努めるよ。

まとめ

今回は、マスク越しで行う英会話をテーマにお話ししてきました。

マスクをしたまま英会話をすると、普段なら見える相手の表情や口の動きが見えなくなり、音声もマスクでくぐもるため、言葉が伝わりにくくなってしまいます。それを解消するためには、アイコンタクトやジェスチャーを行いつつ、シンプルでわかりやすい表現を、はっきりした発音で伝えるよう意識することが大切です。

マスクの着用機会は今後減っていくでしょうが、完全にマスクが不要になる日はかなり先になりそうです。今回ご紹介したことを参考に、マスクの有無に左右されず、英語でスムーズにコミュニケーションが取れるようにしていきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!