最近、小学生の頃ぶりに図書館に通い始めました。

今までは本を買って読んでいましたが、図書館では買わずに好きなだけ本が読める…当たり前のことかもしれませんが、個人的には読書の概念が変わる大きな体験でした。

さて、そんなわけで今回のテーマは「概念」です。英語で概念を何と言うか、「概念がない」や「概念が変わる」などの言い方も含めて詳しく解説していきます。

また、記事の後半では「理念」や「観念」など、概念の類義語についても解説するので、これらの違いが気になっていた方も必見です。

それでは、早速始めていきましょう!

「概念」は英語で何て言う?

「概念」は英語で何て言う?

「概念」は英語で “concept” と言います。発音記号は「ˈkɒnˌsɛpt」、カタカナ表記すると「コンセプト」となります。

concept を分解すると「一緒に」を表す con- と「受け取る」を表す -cept に分けられます。概念が複数人の人が共通して持つ(受け取る)考えであることを踏まえると、非常にわかりやすい構造をしているといえるでしょう。

Aさん
In English, we say “concept” to refer to the idea that many people share.
訳)英語では、多くの人が共有する考えを「コンセプト」と言います。

そもそも「概念(コンセプト)」って何?

先ほどもチラッと説明しましたが、概念とは「複数の人が共通して持つ考え」のことです。たとえば、私たちはキャベツを見てもトマトを見ても、それらが両方「野菜」であると認識できます。これは私たちそれぞれの頭の中に「野菜とは○○だ」という概念が存在するからです。

概念は複数人で共有されるものですが、だからといって万人が同じものを持つわけではありません。国や文化が変われば概念の内容も変わるものなので、常識として押し付けないように注意が必要ですね。

Aさん
Rainbows usually have seven colors, you know, but I heard some countries see other colors.
訳)虹は普通7色だけど、国によっては他の色が見えるらしいね。
Bさん
Yeah, that’s true. It’s a good example to show there’re as many concepts as the number of countries and cultures.
訳)うん、そうだね。国や文化の数だけたくさんの概念がある良い例だね。

 

「○○の概念がない」in English

何かをする習慣や文化、考えがないことを表す際、日本では「概念がない」と言いますよね。英語で「○○の概念がない」と表現するなら、”no concept of ○○” を使うとよいでしょう。

具体的な使い方は以下の通りです。

Aさん
Westerners have no concept of taking off shoes indoors.
訳)欧米人には家で靴を脱ぐという概念がないです。
Aさん
There’s no concept of tipping in Japanese shops.
訳)日本のお店にはチップの概念がありません。

「概念が変わる」in English

日本では物事の見方や考え方が変わることを「概念が変わる」と言いますね。英語で「○○の概念が変わる」と表現する場合は、”change the concept of ○○” と表現するとよいでしょう。

私の概念なら my concept、私たちの概念なら our concept などと、意味に合わせてアレンジしてしまってOKです。

Aさん
Try this apple.
訳)このリンゴ食べてみて。
Bさん
Wow, this is delicious. It has changed my concept of apples.
訳)何これ美味しい。リンゴの概念が変わったわ。

 

「概念的」in English

個々の具体的な違いは考えず、抽象的な考えに基づいて考えることを「概念的」と言いますが、これを直訳すると “conceptual(コンセプチュアル)” になります。

ただし、conceptual は少々専門的な響きの単語なので、日常会話ではまず使われません。日常会話で同様のニュアンスを表現するなら「抽象的」という意味の “abstract(アブストラクト)” の方がよく使われます。

Aさん
His talk is too abstract (conceptual), so I’m not sure what he’s really saying.
訳)彼の話は抽象的(概念的)過ぎて、正直何言ってるかよくわからない。

「理念」や「観念」など、概念の類義語は英語で何て言う?

「理念」や「観念」など、概念の類義語は英語で何て言う?

日本語には、「理念」や「観念」などと、概念によく似た言葉が数多く存在します。ここでは、それらが概念とどう違うのかを踏まえつつ、英語で何と表現するか詳しく確認していきましょう。

「理念」in English

「理念」とは、物事に対する理想や目標を表します。概念の場合、そこには良し悪しの価値基準は生まれませんが、理念は常にその人にとって良いものという違いがあります。

そんな理念を英語で表すなら、”principle(プリンシプル)”か “ideal” が適切でしょう。principle は団体などが目標に掲げる理念を、ideal は理想として思い描く理念を表すイメージです。

Aさん
Our company’s principle is to prioritize customer satisfaction above all.
訳)我が社の理念は、顧客満足度を第一優先することです。
Aさん
My ideal for my school life is to get along with everyone and be liked by all.
訳)私の学校生活における理念は、誰にも嫌われずに過ごすことです。

「観念」in English

「観念」とは、個人の主観に基づいて作られたイメージのことです。概念が複数人に共有されている一方、観念は1人だけでも成り立つ点に違いがあります。たとえば、ある人が「リンゴは野菜だ」と考えたとしても、観念としてはアリです。

そんな観念を英語で表すなら “notion(ノーション)” が適切でしょう。notion は日本語の観念という言葉と同じく、個人の主観的な考えや信念などを表します。

Aさん
My mother has the notion that money can buy everything.
訳)私の母は、お金で何でも買えるという観念を持っています。

「固定観念」in English

どんな観念を持つかは個人の自由ですが、それが「固定観念」になってしまうと厄介です。固定観念が一度形成してしまうと、それを覆すのは難しくなってしまいます。

そんな固定観念は英語だと “stereotype(ステレオタイプ)” と言います。既存の conceptを無批判に信じ込むと stereotype になりがちなので、物事を批判的な目で捉える姿勢を意識したいものですね。

Aさん
Some Westerners still hold the stereotype that there are ninjas in Japan.
訳)欧米人の中には、日本には忍者が居るという固定観点を持っている人もいます。
Bさん
That’s more of a misconception than a stereotype.
訳)それは固定観念っていうより、もはや誤解ですね。

 

まとめ

今回は「概念」を表す英語表現について、詳しく確認してきました。

概念は英語で “concept” と言います。ただし、理念や観念など、ニュアンスの異なる考えを表したい場合は、他の表現が適切な場合もあります。今回ご紹介した内容を参考に、場面に即した表現を使い分けていきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!