皆さんのお宅には「クローゼット」がありますか?

私の今住んでいる家は、クローゼットが小さいので洋服が入り切りません。そのため、先日初めて宅配型レンタルルームを利用してみました。

洋服が減ってスッキリしたのはよいですが、何を預けたか忘れそうで怖い今日この頃です。

さて、そんなわけで今回のテーマは「クローゼット」です。英語でもそのままクローゼットと言うのか、他に適した表現があるのか、詳しく確認していきます。

それでは、早速始めていきましょう!

「クローゼット」は英語で何て言う?

「クローゼット」は英語で何て言う?

「クローゼット」は英語でも “closet” と言います。発音記号は「klάzɪt」です。

closet は「閉じる」という意味の close と語源が一緒で、「扉を閉じて何かを収納する場所」を表します。

日本でクローゼットと言うと衣類を収納する棚のことを指しますが、英語の closet の意味はより広く「色々収納できる大きな空間」を意味します。日本語の語感だと「押し入れ」が近いですね。

Aさん
I have a very large closet in my room.
訳)私の部屋には、とても大きなクローゼットがあります。

「ウォークインクローゼット」は英語で何?

大型のクローゼットである「ウォークインクローゼット」は、英語でも同様に “walk-in closet” と言います。

walk-in closet は読んで字のごとく「歩いて(walk)入れる(in)クローゼット」のことです。通常のクローゼットはネコ型ロボットくらいしか入れませんが、walk-in closet は人間が充分入って歩き回れるくらいの広い空間になっています。

Aさん
What’s with this walk-in closet?! It’s so spacious that I could live in it!
訳)何このウォークインクローゼット!? 住めるくらい広いじゃん。
Bさん
If you want, you can live in it.
訳)よかったら住んでもいいよ。

 

「洋服ダンス」は英語で何て言う?

「洋服ダンス」という意味では “wardrobe” がよく使われます。発音記号は「wˈɔɚdròʊb」で、カタカナだと「ワードローブ」と聞こえます。

closet と wardrobe の違いは、部屋に備え付けられているかどうかです。

closet の場合は、部屋の一部に扉を付けた備え付けの空間を表します。そのため、closet を無くすためには大幅なリフォームが必要です。

その一方、wardrobe は移動可能な洋服ダンスなので、部屋に後付けで設置でき、取り外すこともできます。

Aさん
Closets are generally not movable, but wardrobes can be moved.
訳)クローゼットは基本的に移動できないけど、ワードローブは移動できます。

歴史的には、アメリカの家庭では closet が、イギリスの家庭では wardrobe が多く使われてきたようですが、最近は部屋の間取りもグローバル化してきているので、厳密な区別は無くなってきました。

また豆知識として、イギリス人は1つの wardrobe に自分の衣服をすべて入れる風習があったことから、英語で wardrobe を「手持ちの洋服」の意味で使うこともあります。

Aさん
My wardrobe is too small…
訳)私の洋服、少なすぎ…。

クローゼットに似た収納家具の英語名

英語には、先ほどの wardrobe 以外にも、クローゼットに似た収納家具が多数存在します。

ここでは、それぞれの違いについて表で簡単に確認しておきましょう。

英語名 読み方 特徴・クローゼットとの違い
chest チェスト 引き出しを備えた収納家具で、「箪笥(タンス)」のこと。

wardrobe よりは低めのものが多く、洋服の収納以外にも使われます。

drawers ドロワーズ 「引き出し」のこと。複数の引き出しが付いているために drawers と複数形で呼ばれます。

chest とほぼ同じものから、紙類を収める書類棚まで幅広く表します。

cabinet キャビネット 扉付きの収納家具のこと。

食器を収める用途で使われることが多いです。

似た大きさでも、引き出し式なら chest、扉付きなら cabinet と呼び分けますが、混同されていることも多いです。

cupboard カップボード(カボード) 扉付きの収納家具のこと。cabinet より小型のものが多く、主に食器を収納します。

ただし、イギリス英語では洋服ダンスを意味することもあります。

shelf シェルフ 物を置くための平らな板が複数取り付けられた収納家具で、「棚」のこと。

主に本やCDなどを収納するために使われます。

“WC” は何の略?

ホテルやショッピングモールなどで「WC」の文字を見かけたことはありませんか?

実はこれ、”Water Closet” の略称で「トイレ」を表しているんです。

トイレなのになぜ closet なのかというと、扉が付いた個室空間だからでしょう。敢えて直訳するなら「水洗の小部屋」といった感じです。このように、かつての closet は収納場所に限らず、幅広い空間を表していました。

なお、WCの表記は現在ではあまり一般的でなく、トイレの意味では下記の表現の方が多くなってきています。

  • toilet(トイレット):一般的なトイレ
  • rest room(レストルーム):公共の場にあるトイレ
  • bath room(バスルーム):個人宅にあるトイレ
  • lavatory(ラヴァトリー):主にホテルや飛行機内のトイレ

クローゼットを使った英語の決まり文句やイディオムを覚えよう!

クローゼットを使った英語の決まり文句やイディオムを覚えよう!

英語には、closet を使った決まり文句やイディオムがいくつか存在します。

由来を知らないと意味が掴めないものばかりなので、ここでは代表的な3種類の表現について、詳しく確認していきましょう。

“come out of the closet”「秘密を明らかにする」

“come out of the closet” は、隠していた秘密を明らかにすることを意味する決まり文句です。日本でも「カミングアウトする」と言いますが、それの元ネタになっています。

closet は扉付きで、中身を他人には見られないため、このように「個人的な秘密」を表す比喩としてよく使われます。

なお、coming out of the closet は、特に同性愛であることを告白する際に使われることが多いです。同性愛であることを、心のクローゼットに仕舞いこまなくてもよくなる日が早く訪れるといいですね。

Aさん
If I come out of the closet, what do you think?
訳)もし私が同性愛者だって告白したら、どう思う?
Bさん
I don’t mind that. It’s completely normal these days.
訳)特に気にしないよ。今時それって普通のことじゃん。

 

“skeleton in the closet”「知られたくない秘密を抱えている」

“skeleton in the closet” は、他人に知られたくない秘密を表すイディオムです。

直訳すると「クローゼットの中の白骨死体」。なかなか物騒な表現ですが、先ほどと同じ「個人的な秘密」のイメージが活きています。

Aさん
Everyone has a skeleton in the closet.
訳)みんな何かしらの秘密を抱えてる。
Bさん
Really? I don’t have a secret at all.
訳)そうなの? 僕はまったく無いなぁ。

 

“a closet ○○”「公にしていない趣味嗜好」

周囲に公にしていない趣味嗜好がある場合、英語ではスラング的に “a closet ○○” と表現します。趣味のアイテムをクローゼットに仕舞い込んで、1人の時間に楽しんでいるイメージでしょうか。

誰しも自分のクローゼットは他人に見られたくないもの。他人に迷惑をかける類の隠し事でなければ、温かい目で見守ることも大切です。

Aさん
My husband is a closet smoker…
訳)夫が隠れてタバコを吸ってるの…。
Bさん
Quitting smoking is not easy to do right away, you know.
訳)タバコはなかなかやめられないからね。

 

まとめ

今回は「クローゼット」に関する英語表現について、詳しく確認してきました。

クローゼットは英語でも “closet” ですが、部屋に備え付けでない洋服ダンスの場合は “wardrobe” と言うこともあります。

また、closet には「他人に言えない秘密」という比喩的な意味もあるので、コミュニケーションの中で誤解などが生まれないよう、ぜひ覚えておきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!