母または父のどちらかが外国籍である国際結婚。その結婚の形の家族に生まれた子どもがハーフです。

この「ハーフ」という呼び方ですが、国際的に通用するのでしょうか?

この記事は英語学習をしている皆さん必読、ハーフを取りあげ掘り下げていきます。
ハーフ?の息子を持つ筆者がお送りしましょう。

ハーフって差別用語なの?

ハーフは英語ではhalf。ハーフにして、と言えばそれは半分にして、という意味ですね。半分にしたときの片方、2分の1、これらがハーフの状態です。

健康やカロリーを気にする人のために「ハーフ」とついた商品名も色々販売されていますね。

ハーフと言ってはいけないのか?

国際結婚とは、国籍の違う者同士の結婚ですね。例えば、日本人の筆者はイギリス人と結婚していますので国際結婚(International marriage)をしていることになります。
夫との間に息子が1人います。彼は日本人とイギリス人の間に生まれた、いわゆるハーフということになります。

ここで、疑問が生じます。2つの国籍が一緒になったことでなぜ半分という扱いになるのでしょう。
たしかに、半分日本人+半分イギリス人=息子と言えるような気もしないでもないですが、本当に彼は日本とイギリス半分づつしか受け継いでいないのでしょうか?何を持って半分としているのか明確ではありませんし、片方の国を見たときになぜ100から50に減ってしまうのか、半人前と捉えかねないネガティブな印象があります。

このように、差別用語として扱われなくてもデリケートなことであり、ハーフと呼ぶこと、呼ばれることに不快感を持つ人がいるのです。

日本のハーフ事情

滝沢カレンさんや森星さんなどなど、日本の芸能界にはハーフのタレントやモデルさんがたくさんいます。テニスの大坂なおみさんもそうですね。

ちなみに、おじいちゃんかおばあちゃんが外国人であればクォーターということになります。
さらに、親がすでにハーフであればその子どもはどちらかの国に対してクォーターという形になることもあるでしょう。

東京都人権啓発センターによれば、国の統計ではハーフの子どもの出生数は50人に1人の割合に上るそうです(2016年)。あくまでも国内の数です。

参考:東京都人権啓発センター「ハーフと呼ばれる人々」

アメリカと日本のハーフというときの英語

ハーフという呼び方ですが、実は和製英語であり日本でしか通じません。これという定義もありません。

それでは、アメリカ人と日本人の間に生まれた子どものことをどんな風に呼ぶのでしょう。この時代は特に、どの国と括ることなく、その子ども個人として見ることが大切でしょう。

halfを無理やり使い、なおかつ強いて言えば、I’m half American and half Japanese.といったところかもしれません。

しかし、ハーフ(またはhafu)は日本でしか通用しない言葉でした。外国人にI’m half American and half Japanese.と言えばある程度想像してもらえることはあるでしょう。
しかし、英語を学習している皆さんであれば、ぜひ正しい表現方法を知っておくことを強くおすすめします。

ハーフ、海外での呼び方は?

ハーフ、海外での呼び方は?

ここからは日本語のハーフに当たる正しい英語表現をみていきます。

正しいとはあくまでもハーフをどう表現するかであり、本来は何かのグループで括る事なく、個人個人として見るべきという点を筆者個人は考えていることを添えたいと思います。

mixed ethnicity

バックグラウンドを話す機会に、家族のことへ話題が飛ぶことは自然です。
そのようなとき、ハーフと伝えるためには「mixed ethnicity」という言葉があります。

ethnicity(エスニスィティ)には民族性や民族意識という意味があります。ethnicityにmixed(人種が入り交じった)をつけたフレーズによって、ハーフの意味を表します。

mixed-race

こちらもmixedが使われた表現です。raceには人種や民族の意味があります。
しかし、ここでも血筋に関わるデリケートな問題として、人によっては不快に感じる場合があることを理解しておくべきでしょう。

この辺は、さまざまな人種の人たちで成り立つ国だからこその事情というものがあります。

「混血児」の英語

戦争直後には混血や混血児という言葉が使われていました。現在はこれらの表現はほぼ消滅したと言ってよいでしょう。

避けたい混血児の英語表現

ここでは、使うことを避けたい混血時に当たる英語表現をみていきます。
その表現とは「half-breed」「half-blood」です。

half-breed

breedには「種族・種類」などの名詞、子を「産む」「繁殖させる」「交配する」などの動詞の意味があります。この表現を使われた人は侮辱的な扱いを受けたと受け取りかねません。

half-blood

bloodはご存知の通り「血・血液」また「家系・家族」など様々な意味を持つ単語です。
ハーフのニュアンスとも近い、半純血と捉えかねませんのでこちらも使うことを避けたいフレーズとなります。

「ハーフの人」を表す英語

「ハーフの人」を表す英語

ハーフという言葉に対して「ダブル」という表現があります。
国際結婚の家族の子どもが2つ(ダブル)を受け継ぐという捉え方です。例えば、筆者の息子で言えば、イギリスと日本のダブルということです。
ハーフの2分の1というニュアンスと比べると、ダブルは両方のどちらの国もというポジティブな印象があります。

しかし、英語では人を指してdouble/doubledと言うことを聞くことはありません。ハーフとダブルは日本語ならではの表現と理解するのがベターなのです。

ハーフの人はmixed

日本語でいうハーフの人(しつこいですね笑)をあえて英語で表現するのなら「mixed」がある程度的確でカジュアルに使える言葉になります。混ざったという意味のmixedは、半分でも倍でもないんですね。

さっそく、使い方を例文で確認しましょう。

Aさん
I’m mixed.
訳)私はミックスです。
Aさん
I’m Japanese and British mixed.
訳)私は日本人とイギリス人のミックスです。
Aさん
My father is American and my mother is Japanese, so I’m mixed.
訳)父はアメリカ人、母は日本人、なので私はミックスです。
Aさん
There are many mixed people in my school.
訳)私の学校には、多くのミックスがいます。
Aさん
The benefit being mixed is I became a bilingual speaker of both Japanese and English.
訳)ミックスであることのベネフィットは、日本語と英語両方を話すバイリンガルになったことです。

ハーフ、ダブル、ミックスである人たちにとっては、小さな頃から2言語以上の語学に触れる、また文化の違いを子どものころから体験できるなどの素晴らしい点、一方、自分のidentity(アイデンティティー)がどこにあるのかと考えるときがくる、という側面もあります。

まとめ

本記事ではハーフは和製英語であること、ハーフの代わりにミックスを使うことなどを紹介しました。

在英日本人の間では子どものことをミックスと言うことがありますが、やはり何かのまとまりに押し込めることなく、個人のアイデンティティーを尊重することが大切なのではないでしょうか?外国人と話すときには特に、自分の言動が差別に当たらないかという点を意識する必要があること、自分と違うからとイジメの対象にすべきではないことも付け加えておきましょう。