日本には国民年金や厚生年金、また任意で加入する私的年金という年金制度があります。そして、海外にもその国それぞれに年金制度があります。
英語で年金はどのように表現するのでしょう?
この記事では、普段英会話であまり触れることのない英語「年金」について紹介します。
「厚生年金」の英語
皆さんはどの種類の年金に加入していますか?
日本に住む20歳〜60歳すべての人が公的年金制度に加入する義務があります。加入し支払いを続けることで、老後に年金を受け取ることになります。現在は65歳から受給することができますが、条件によっては繰り上げて60歳から受け取り始めることも可能です。
いわゆる公的年金の一つに厚生年金があります。この年金は、第2号被保険者と呼ばれる公務員や会社員が加入するものです。
厚生年金の英語はemployees’ pension insurance
まず、どの種類でも年金という点を考えるとき、その英語はpension(ペンション)と表現する点をおさえましょう。
そして、厚生年金の英語は「employees’ pension insurance」のように表現します。employeeは社員・雇用者、そしてinsuranceは保険・保険金を意味します。
employees’ pension insuranceの例文
例文で厚生年金の英語を使ってみましょう。
The amount of the employees’ pension insurance is higher than the national pension.
訳)厚生年金保険の金額は、国民年金よりも高額です。
年金関連の英語フレーズ
また、日本の年金について英語で話すような場合、以下の英語フレーズも覚えると便利です。
- The Japanese public pension/日本の公的年金
- enrol in a pension/年金に加入する
- receive the pension/年金を受給する
番外編 高原のペンション
ところで、日本でペンションと言えば、高原などにある宿泊施設を思い浮かべる人もいるのではないでしょうか?実は、このペンションも年金と同じpensionからきています。pensionはもともとフランス語で、昔、年金生活者が自宅で空いている部屋を宿泊先として使っていました。そこでリーズナブルに泊まれる滞在先をペンションと呼ぶようになったのです。年金と宿泊施設ペンションを合わせて覚えると面白いですね。
「国民年金」の英語
さて、もう一つの公的年金が国民年金と呼ばれるものです。こちらは、第1号被保険者と呼ばれるフリーランスや自営業の人たちが加入するものです。日本では非正規雇用の人の数がどんどん増えていますので、国民年金に加入している人が増加しているのではないでしょうか?よくテレビ番組で、年金で生活している人へのインタビューがありますが、とてもじゃないけど年金では生活できない、高齢者でも仕事をしているという人の声を多く聞きます。
国民年金の英語はnational pension
国民年金は英語でnational pensionになります。
nationalには「国民の」に加え、「国の・国家の」「国立の・国営の」などの意味があります。national parkなら国立公園ですし、national universityであれば国立大学になります。ぜひ、nationalの意味をしっかり覚えましょう。
national pensionの例文
国民年金に加入している人は特に、national pensionを使えるようにしましょう。
The national pension is for Japanese people who are 20 to 59 years old to enrol.
訳)国民年金は20歳~59歳までの日本人が加入する年金です。
The monthly payment of the national pension is 16,520yen.
訳)国民年金の月額の支払額は16,520円です。
その他の種類の年金に関する英語
その他の年金に関する英語表現についても簡単に紹介しましょう。
- old-age basic pension/老齢基礎年金
- survivor’s basic pension/遺族基礎年金
- widow’s basic pension/寡婦(かふ)年金
- disability basic pension/障害基礎年金
年金、日本に住む外国人の場合は?
日本に住む外国人も厚生年金または国民年金に加入する必要があります。条件としては、20歳以上、そして加入日は日本に上陸した日からとなります。結構厳しいですね。短期滞在の場合は住民登録を必要としませんが、住所を有する外国人が年金の支払い滞納を一定期間すれば、在留資格変更許可、または在留期間更新許可申請が不許可になってしまいます。
しかし、年金の受給対象年齢になれば、外国人でも受け取ることが可能になります。
日本における年金に関しては、国籍は関係ないということなんですね。
もし、知り合いの外国人で日本在住の人がいれば、このような話になるかもしれません。このシステムについて説明できるよう、例文を2つ紹介します。
Foreigners who live in Japan and are 20 years old or above have to enrol in the Japanese pension system, either the employees’ pension insurance or the national pension without an exception.
訳)日本に住む20歳以上の外国人は、例外なく厚生年金保険または国民年金に加入しなければなりません。
年金事情は本当にwithout an exception(例外なく)なんですね。
Even foreigners receive same amount of pension. It doesn’t matter where you are from.
訳)外国人であっても、同額の年金を受け取ることができます。国籍は関係ありません。
20歳以上で日本に住所があれば年金に加入する義務があること、そして対象年齢になれば年金を受給することができるという2点を説明できるようになりましょう。
「企業年金」の英語
厚生年金は会社員または公務員が加入する年金ですが、企業年金とは企業や個人が公的年金に上乗せして加入する年金です。企業年金は任意の年金であり、公的年金に対して私的年金と呼ばれます。
企業年金の英語はcompany pension
企業年金は英語でcompany pensionです。「企業」という意味を持つcompanyは馴染みのある単語でしょう。
例えば、イギリスにおけるcompany pensionであれば、企業が指定する場合、自動的に加入することになります。また、workplace pensionという呼び方もあります。
company pensionの例文
A company pension is a way of saving for your retirement that’s arranged by your employer.
訳)企業年金は、雇用主がアレンジする退職後のための貯蓄の方法です。
employer=雇用主、employee=社員・雇用者、この2つの単語もぜひ覚えましょう。
外国の年金制度を紹介
最後に、外国における年金制度がどのようなものなのか紹介します。
そもそも年金制度がない国があります。その一つがシンガポールです。年金の代わりに”強制預金制度”なるものが存在するようです。
逆に、年金制度が優れている国は第一位がオランダ、第二位がデンマーク、第3位がイスラエルです。これらは健全性や持続性という点から評価がされています。ちなみに、日本は39ケ国のなか何位だとイメージしますか?実は、33位とかなりふるわない結果になっています。
筆者在住のイギリスの支給額は週あたりで約185ポンド(2022年)、現在の円安の状態で計算すると約34,000円、4週で計算すれば約136,000円です。
まとめ
- 厚生年金はemployees’ pension insurance
- 国民年金はnational pension
- 企業年金はcompany pension
本記事はかためのテーマ「年金」の英語表現を紹介しました。まずは、pensionという言葉をしっかり覚えるところから始めましょう。