血液を心臓へ送る血管のことを「静脈」と言い、日常生活では使うシーンが少ない言葉ですが、病院にいったり、注射されたりするときに耳にすることがありますね。
日本語で「静脈」が何かを認識していても、海外旅行に行って病院を受診することになると、「静脈」を英語で何と言うのかわからず、医師や看護師が何と言っているのか分からない可能性があります。
そこで今回は、静脈は英語で何と言うのか、静脈にまつわる英語や英会話の例文を解説します。
「静脈」とは
「静脈」は、体内の循環系における血管の一種で、主に酸素が少ない血液を心臓に戻す役割を果たしています。身体の各部位で酸素と栄養素を提供した後の血液は、静脈を通じて心臓に運ばれ、再び肺で酸素を取り込むという流れで、血液が循環しています。
静脈は、体内での血液の循環を担う重要な構造であり、数多くの小さな静脈が大きな静脈を形成しています。
なお、一般的に静脈の血液は青っぽい色をしていると言われますが、これは皮膚を通して見たときの色であり、実際の血液の色は暗い赤色です。また、静脈は血液が一方向に流れるように弁が配置されていることも特徴だといえます。
「静脈」という言葉はどのような場面で使用する?
静脈は、日常生活のほか、病院を受診したときや献血をするときなどに使う言葉です。
では、具体的にどのようなシーンで「静脈」という言葉を使うのか見ていきましょう。は多くの異なる文脈や場面で使用されることがあります。以下はいくつかの具体的な例です:
医療・健康分野
血液検査のために静脈から血液を採取する際に「静脈採血」と言ったり、静脈を通じて体内に薬を投与する治療方法を「静脈点滴」といったりします。
このように、医療の分野においては「静脈」という言葉は頻繁に出てくるといえます。
生物学/解剖学の教育や学習
医療現場のほか、学校や大学での生物学や解剖学を学ぶときに静脈について聞いたり、テキストに静脈という言葉がでてきたりすることがあります。
ニュアンスの表現や比喩
「静脈のように」といった言葉で、文学や詩などの作品で静脈を比喩として使用する場合があります。たとえば、「木の根が静脈のように浮き上がっている」という表現は、実際の静脈ではないものの、木の根っこが静脈のように複雑に生えている様子がイメージできます。
このように、「静脈」という言葉は、数多くの場面やシーンで使用される用語だといえるでしょう。
「静脈」は英語で何て言う?
「静脈」は英語で「vein」と言います。
また、静脈に対して、血液を心臓から送り出す役割を担っている「動脈」は「artery」、心臓から全身に血液を送る動脈と全身から心臓に血液を戻す静脈との間をつないでいる、細い血管である「毛細血管」は「capillary」といいます。
血液は動脈から毛細血管へ流れ、そして静脈を通じて戻ります。
「静脈」にまつわる英語
「静脈」は英語で「vein」と表現することがわかりましたが、「venation」「venous return」など、veinという言葉にまつわる英語がたくさんあります。
veinだけでなく、関連する用語を覚えることで表現の幅が広がるため、veinにまつわる英語表現をみていきましょう。
- venation – 静脈系
- venous blood – 静脈血
- venous return – 静脈還流(心臓へ血液が戻ること)
- venous pressure – 静脈圧
- venous valve – 静脈弁(血液が一方向にしか流れないようにする弁)
- varicose veins – 静脈瘤
- venipuncture / venipuncture – 静脈穿刺(静脈への注射すること、血液採取や点滴に用いられる)
- phlebology – 静脈学(静脈疾患の研究と治療に関わる医学分野)
- vena cava – 大静脈(心臓に血液を運ぶ2つの大きな静脈のいずれか)
このように、ひとえに「vein」といってもさまざまな表現があり、どのような状況、意味を表現したいのかによって使い分けができれば、英語で会話するときに細かなニュアンスを伝えやすくなります。
「静脈」を使った英語例文
最後に、さまざまなシーンを想定して、「vein」を使った英会話例文を紹介します。
【医師と患者の対話】
検査のためにあなたの静脈から血液を採取する必要があります。
私は注射針が怖いので、見えない手の静脈を使ってもらえますか?
もちろんです。最善を尽くしてあなたが安心できるよう努めます。
【教育・学習のシーン】
循環器系は動脈と静脈から構成され、それらは体全体に血液を運びます。
静脈の機能は動脈とどのように異なりますか?
静脈は血液を心臓に戻す役割があり、一方で動脈は心臓から血液を体へ運ぶ役割があります。
【日常的な対話】
たくさん運動しているので、腕の静脈が浮き出て見えます。
それは印象的ですね!体脂肪が少ないことを示しています。
現在、体脂肪率は10%以下です。
以上のように、「静脈(vein)」という言葉は様々な状況やシーンで使われているのがわかります。実際の会話を想定しておくと、英語で会話するときにも役立ちます。
まとめ
今回は「静脈」にまつわる英語表現を解説しました。
「静脈」は英語でもveinと表現しますが、関連する表現をチェックして、どのような静脈なのかを表現できれば、より細かなニュアンスを伝えられます。
また、「静脈:vein」に対して「動脈」は「artery」、「毛細血管」は「capillary」というので、関連用語として覚えておいてくださいね。
ぜひ今回の記事を参考に、静脈の英語表現を英会話で活用してみてください。