猛暑続きだった夏も終わりに近づき、10月といえば運動会シーズンです。
徒競走のスタートでは「位置について、よーい、ドン!」のかけ声が定番ですよね。
ところで、この「位置について」の「位置」は、英語で何と言うのが正しいのでしょうか?
辞書には、”position”や”place”、”location”などいろいろな単語が載っていますが、どれを使ったらいいかわからないという人も多いでしょう。
そこで今回は、「位置」を意味する代表的な3つの英語 “place”、”position”、”location”を解説します。
記事の後半では「位置」を表す副詞も紹介しますので、ぜひ最後までチェックしていってください。
広義で使用頻度の高い “place”
“place”は、「位置」を表す最も一般的な英語です。
ほかにも「場所」や「地点」、「空間」など、たくさんの意味を持っているので、物理的な「位置」を示すときには非常に便利な単語といえます。
英英辞書には、「町や都市」「組織における地位・役割」とあり、”place”が場所全般や地位を表していることがわかります。
- a space or area, for example a particular point on a surface or in a room, building, town, city etc.
特定の地点や部屋、建物、町、都市など、空間または領域のこと- the role or important position that someone or something has in a situation or in society
ある状況や社会の中での役割や重要な地位のこと参考:place | ロングマン現代英英辞典でのplaceの意味 | LDOCE (ldoceonline.com)
- an area, town, building, etc.
地域、町、建物など- a position in an organization, system, or competition
組織、システム、競争における地位
“place”の使い方を例文で確認しましょう。
【例文1】
Could you change places with me?
訳)わたしと位置を変えていただけませんか。
Sure! No problem.
訳)どうぞ。
【例文2】
Please put them back in their place after using it.
訳)使い終わったら元の位置に戻してね。
Okay. The drawer is second from the top, right?
訳)わかった。上から2番目の引き出しだよね?
【例文3】
Sorry to bother you, but is this sentence’s preposition in the wrong place?
訳)ごめんね、この文の前置詞の位置、間違っていないかな?
Oh, I made the same mistake again. Thanks for letting me know.
訳)あ、また同じ間違いをしちゃった。教えてくれてありがとう。
他のものとの関係性を示す “position”
“position”は、他のものとの関係性を示しながら「位置」を表すときに使われる英語です。
日本語の「位置」に最も近い意味で、所定の位置や場所のほかにも、スポーツの守備位置やポジション、組織や会社における地位や役職を表します。
“place”との違いは、英英辞書の意味を見てみると理解しやすいでしょう。
単に「場所」を意味する”place”と違って、”position”は他のものとの関係性が強調されていることがわかります。
- the place where someone or something is, especially in relation to other objects and places
他のものや場所との関係において、人やものがいる場所のこと- the place where someone or something is needed or supposed to be
必要とされている、またはいるべき場所のこと参考:position | ロングマン現代英英辞典でのpositionの意味 | LDOCE (ldoceonline.com)
- the place where something or someone is, often in relation to other things
他のものとの関係において、人やものがいる場所のこと- a rank or level in a company, competition, or society:
会社や競争、社会における地位やレベルのこと
“position”も例文で使い方を練習しましょう。
【例文1】
Could you adjust the positions of A and B?
訳)AとBの位置を調整してもらえる?
All right.
訳)オッケー、まかせて。
【例文2】
What kind of position does he hold in the department?
訳)彼はこの部署でどういう位置にいるの?
He holds a position as a manager.
訳)マネージャーだね。
【例文3】
I’m still not sure of my own position within my company.
訳)職場での立ち位置がわからなくて。
You should pay attention to what people around you are doing and do what is necessary.
訳)周りの人が何をしているのかに注意を払って、必要なことをしたらいいよ。
限定的に使用われる “location”
“location”は、「位置」を意味する英語のなかでも、特定の「場所」や「配置」を表し、限定的に使われる単語です。
英英辞書にも”particular place”や”exact position”とあるように、正確ではっきりと特定された場所を指していることがわかります。
- a particular place, especially in relation to other areas, buildings etc.
他の地域や建物などとの関係における特定の場所のこと参考:location | ロングマン現代英英辞典でのlocationの意味 | LDOCE (ldoceonline.com)
- someone or something is their exact position
誰かや何かが正確な位置にいること参考:Location definition and meaning | Collins English Dictionary (collinsdictionary.com)
“location”を使った例文を紹介します。
【例文1】
Would you tell me the location of the hotel?
訳)そのホテルの場所を教えてもらえる?
Sorry, I don’t know the exact location.
訳)ごめん、正確な位置はわからないんだ。
【例文2】
His new apartment is in a really good location.
訳)彼の新しい家は本当に良いところにあるよね。
I envy him!
訳)羨ましい限りだよ!
【例文3】
テレビや動画の撮影でよく聞く日本語の「ロケ」と同じ意味でも使われます。
The park is also the location of a movie currently showing.
訳)この公園は、現在上映中の映画のロケ地でもあるのよ。
Really? That’s news to me!
訳)えー!知らなかった!
ちなみに、冒頭で述べたかけ声「位置について、よーい、ドン!」は、ここまで紹介した3つの英語を使いません。
以下のような表現が一般的なので一緒に覚えておきましょう。
-
Ready, set, go!
-
Ready, get set, go!
-
On your mark, get set, go!
「位置」を表すいろいろな副詞
「位置」を伝えるときに、正しい表現を使えないと誤解や間違いを招いてしまいます。
日常会話ですぐに使える、「位置」の副詞を一覧にまとめました。
例文を参考に、状況に合わせて使い方をマスターしておくといざというときに役立ちますよ。
above | 上の |
down | 下の |
up | 上の方 |
below | 下の方 |
under | ~の下 |
forward | 前の方 |
backward | 後ろの方 |
behind | ~の後ろ |
next to | 隣 |
around | ~の周り |
near | 近く |
far | 遠く |
between A and B | AとBの間 |
opposite | 向かい側の、対面の |
in front of | ~の前 |
on the right [left] of | ~の右(左) |
diagonally in front of | ~の斜め前 |
Please step forward.
訳)前の方に来て。
She walked backward.
訳)彼女は後ずさりした。
People gather around you.
訳)あなたの周りには人が集まるね。
My office is just opposite the building.
訳)わたしの会社は、そのビルの向かいだよ。
「位置」を正しく伝えるための表現は、以下の記事でも解説しています。
まとめ
「位置」を意味する代表的な3つの英語 “place”、”position”、”location”について、意味と使い方を解説しました。
英語初心者の方は、まず「位置」や「場所」全般に使える幅広い意味の”place”から覚えるのがおすすめです。
“position”は、日本語の「ポジション」をヒントに、他の人やものとの関係性を示していることを覚えておきましょう。
“location”は、限定的で場所が特定できるような場合に適しています。
正しい意味と使い方を知ることで、表現力にさらに磨きをかけていきましょう。