出汁(だし)は和食に欠かせないものですよね。おでんにうどん、お味噌汁。どれもおいしい出汁があってこそ成り立つ、と言っても過言ではありません。
また出汁は煮干し、昆布、鶏ガラと、使う食材によって味も用途もさまざまです。
ではこの「出汁」って英語でなんて言うのでしょうか?今回は出汁にまつわる単語やフレーズをいろいろ紹介します。

 

出汁とは?

出汁とは、動物性、植物性の食品の栄養や旨味成分、香りを水に溶け出させた煮出汁(にだしじる)を略したものをいいます。
日本で出汁をとる場合には、料理に合わせて昆布や煮干し、かつお節、干し椎茸、魚のアラなどの食品からとった出汁が使われます。
和食では出汁は味の基礎とされていますが、フランス料理で使われる出汁も「根底」という意味のフォンと呼ばれており、「出汁=味の基礎」と考えられているようです。

 

出汁(だし)って英語でなんて言う?

出汁(だし)って英語でなんて言う?

出汁(だし)は英語で「broth」といいます。この「broth」は「肉や魚、野菜などを煮出した液体」という意味です。
発音記号はアメリカ英語だと「brˈɔːθ」(米)でイギリス英語では「 brˈɔθ」ですから、カタカナにするとアメリカ英語の方が「ブロース」、イギリス英語では「ブロス」になりますね。
この「θ」は日本人が苦手とする発音ですね。よく「舌を上下の歯の間で噛んで発音する」と教わることがありますが、噛んでしまうと正しい発音になりません。
舌を上の歯の付け根から先端までの範囲の収まりの良い場所に当て、空気を振動させるイメージで発音しましょう。

 

何の出汁か説明するには?

出汁といっても鰹だしもあれば昆布だし、煮干しのだしなどさまざまな種類があります。
これを英語で表現するには「broth」の前に素材を表す単語をつければOKです。
例えば鰹だしなら「dried bonito broth」になりますし、干し椎茸のだしなら「dried Shiitake mushroom broth」、昆布だしなら「kombu seaweed broth」となります。
煮干しだしやいりこだしは「dried sardine broth」といえばOKです。

 

「だしをとる」って英語でどう言えば良い?

「だしをとる」と英語で言いたい時は「make broth」を使います。例えば「かつお節でだしをとる」という場合は、「make broth from bonito flakes」と言えばOKです。
同じように「昆布でだしをとる」であれば「make broth from Kombu seaweed」といえば良いですよ。

「broth」と「stock」の違いとは?

出汁は英語で「broth」ですが、同じような意味で「stock」もよく使われます。
両者の違いは、基本的に「broth」がすまし汁に使うような透明な出汁を表すのに対して、「stock」は骨やハーブを煮込んだものを指します。
stockには骨から溶け出したコラーゲンなどの影響で濁りやとろみがあるのが特徴です。
このように作り方には明確な違いがあるものの、英語では「broth」と「stock」はそれほど厳密に使い分けられていません。
どちらを使っても意味が通じないということはないでしょう。

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「出汁が効いてておいしい」って英語でなんて言う?

「出汁が効いてておいしい」って英語でなんて言う?

「出汁が効いてておいしい」と英語で言う時は「taste the broth」を使いましょう。直訳すると「出汁の味がする」ですが「出汁が効いてる」という意味になります。
例えば「You can really taste the broth in this miso soup.(このお味噌汁は出汁がよく効いています)」のような表現は会話で使いやすいですね。
また「This miso soup has a rich broth.」という表現を使っても同じ意味になります。

 

顆粒だしの素って英語でなんて言う?

顆粒だしの素は英語で「granulated broth」(グラニュレイテッドブロス)といいます。この「granulated」は「顆粒にした」という意味で、グラニュー糖「granulated sugar」などにも使われている単語です。
かつお風味の顆粒だしを表現したい場合には「bonito stock powder」とか「bonito soup stock」と言っても良いですね。

 

白だしは英語でなんて言う?

白だしは出汁に醤油やみりん、砂糖などで味つけした液体調理料のことで、英語では「Shirodashi」で通じることもありますが「White dashi」とも言われています。これらの単語で通じない場合には、どんなものか説明してあげるのが良いでしょう。
例えば「Shirodashi is white soy sauce with dashi flavor. (白だしは白醤油に出汁の風味付けをしたもの)」といえば分かりやすいです。

 

和風だしは英語でなんて言う?

和風だしは英語でなんて言う?

和風だしは英語でも「dashi」で通じることがあります。
最近では和食が人気なこともあり、「だし」という単語を知っている人も増えています。
でも「だしって結局何なの?」と聞かれたらどう答えますか?
和食に欠かせない「和風だし」は、どのようなものなのか英語で説明できると良いですね。
これについては、会話形式で確認してみましょう。

Aさん
Wow, that smells delicious. What are you making?
訳)うわあ、おいしそうな香り。何を作っているの?
Bさん
Udon, because I made them today.
訳)うどんだよ。今日打ったの

 

Aさん
Even if the udon is not so good, I can still manage to eat it if the broth is good.
訳)うどんがイマイチでもだしが旨けりゃ何とか食べられるな
Bさん
What?
訳)何ですって?

 

だしパックって英語でなんて言う?

簡単においしい出汁が作れるだしパック。
だしパックは、紅茶のティーバッグのように「Dashi bag」と呼ばれます。ただ外国人の場合、だしパックの使い方が分からない人も多いでしょう。そんな時にはだしパックの使い方を英語で説明してあげると良いでしょう。

How to make delicious Dashi with a dashi bag
(だしパックを使ったおいしいだしの作り方)

  1. Place water and a dashi bag in a saucepan.
    (鍋に水とだしパックを入れる)
  2. Bring water to a simmer over medium heat and hold temperature for 2 minutes.
    (中火で沸騰させ、そのまま2分沸騰させる)
  3. Remove and discard the dashi bag. Dashi is ready to use.
    (だしパックを取り出せばおいしい出汁が出来上がります)

 

出汁を英語で説明したいときはなんて言う?

出汁を英語で説明したいときはなんて言う?

出汁を英語で説明するにはどう言えば良いでしょうか。
和食の基本が出汁であることから、日本人にとって出汁は料理の良し悪しの決め手ともいえるものです。例えば出汁をとらずにお味噌汁を作ったとしたら物足りなく感じるでしょう。
逆にしっかりと丁寧に出汁をとって作ったお味噌汁は、お味噌をそれほど入れなくても美味しいと感じます。では出汁を英語でどう説明すれば良いか、会話形式で確認しましょう。

Aさん
One of the characteristics of Japanese food is the use of the umami of dashi broth.
訳)和食の特徴のひとつはだしのうま味を利用することなの
Bさん
What does it mean?
訳)どういうこと?
Aさん
Umami is the taste of umami components from kelp dashi and other ingredients. It enhances the flavor of the ingredients and adds depth to the dish, making it tasty.
訳)うま味は昆布だしなどから出るうま味成分の味のことよ。食材の持ち味を引き立てたり料理の味に深みを加えたりして料理をおいしくしてくれるのよ

だしにも使われる鰹にまつわる単語やフレーズを過去記事で紹介しています。よろしかったらぜひそちらの記事もチェックしてみてくださいね。

まとめ

今回は出汁にまつわる単語やフレーズを色々紹介しました。
和食は顆粒だしで簡単に作れますが、たまにはかつお節や昆布で丁寧に出汁をとってお料理をすると、ひと味もふた味も違うものです。
顆粒だしバージョンと本格バージョンの料理を外国人といっしょに作ってみてはいかがでしょうか。その際はぜひ今回紹介した単語やフレーズを使ってみてくださいね。
覚えた英語はどんどん使うことで英語力がUPしますよ!See you next time!