普段とまったく違う衣装や仮面を身につけて参加する仮装パーティ。このようなパーティをマスカレードと呼びます。
ところで、マスカレードの持つ意味や語源、英語表現がどのようなものになるか知っていますか?
記事ではマスカレードについて説明するとともに、関連する表現の英語を紹介します。イギリスのマスカレードパーティについてもお届けしましょう!
masqueradeの意味と使い方
マスカレードを英語にすると”masquerade”になります。カタカナの発音はマスカレイドのようになり、日本語マスカレードと少しだけ違いますので意識してください。
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masqueradeの意味
masqueradeの意味は名詞で「仮装パーティ」「仮面舞踏会」「見せかけ」です。動詞としては「仮装する・変装する」「ふりをする・他人に成り済ます」そして他人になりすまして「コンピュータシステムにアクセスする」といった意味を持ちます。
ここで、懐かしい「仮面舞踏会」(少年隊)という歌の歌詞をちらと紹介しましょう。
シャイな言い訳仮面で隠して
踊ろ踊ろ かりそめの一夜を・・・
それに「他人に成り済ます」なんて、オレオレ詐欺について英会話で話すときにもmasqueradeが使えるんですね。
多くの人にとって、masqueradeは普段それほど使う単語ではないかもしれません。しかしこのように意味を見ると、面白い言葉ということが分かります。
masqueradeの使い方
それではmasqueradeをどう使うのか、例文でみていきましょう。
There will be a masquerade in Tokyo. The theme is 60’s.
訳)東京で仮装パーティが開催されるよ。テーマは60年代だよ。
Masquerade has been a traditional and religious event involving the wearing of masks.
訳)マスカレードは、マスクの着用を伴う伝統的で宗教的なイベントです。
I think her sorrow is just a masquerade.
訳)彼女の悲しみって、ただの見せかけだと思うよ。
My sister masqueraded as a princess for the school play.
訳)妹は学校の劇で、お姫様の仮装をしました。
スラングのmasquerade
masqueradeはスラングとしてもネイティブに使われる言葉です。
その意味は「~のふりをする」です。他の人を欺くため、誰か、または何かを装ってそのふりをすることです。動詞pretendも「~のふりをする・~だと見せかける・~だと偽る」の意味であり、masqueradeに置き換わる単語です。
She masqueraded that she is his friend.
訳)彼女、彼の友達であるってふりしたんだ。
ネイティブがこのような会話をしても、masqueradeの意味を知らないと話の内容を理解できないことになります。
マスカレードの語源はイタリア語
マスカレードという響きが素敵ですが、一体どこの言葉だったのでしょう。ここで、マスカレードの語源について紹介します。
masquerade語源
masqueradeは、実はイタリア語由来です。「覆う」という意味のイタリア語mascheraであり、覆うということは隠すことであり、仮装や見せかけ、ふりをするといったマスカレードの意味に繋がっていきます。
イタリア・ベネチアのカーニバル
イタリアでマスカレードと言えば、ベネチアの仮面舞踏会Venice Carnivalです。街中を挙げて着飾る人々が印象的、顔を覆うマスクを着けるところもスペシャル感をアゲています。
Venice Carnivalは1162年、ヴェネツィア共和国の対アクイレイア勝利を祝ってサンマルコ広場で人々が踊ったことで誕生しました。このとき、仮面を着けることによって、身分や階級を機にすることなく自由を満喫できたと言われています。
今では水の都ベネチアの一大イベントになり、世界中からカーニバルを観にくる人がいます。
顔にはマスク、頭からつま先まで仮装をする美しい人たちの集まる光景はマスカレードだからこその雰囲気を持っています。
「扮して」の意味
「俳優が警察官に扮して」のように言うことがあります。「扮して(ふんして)」とは扮装することです。扮装とは、特に俳優などが化粧をし衣装をつけて、ある人物になりきるために装うことを言います。
dress up as
英語フレーズdress up asで「~に扮して」になります。dress upには、おしゃれをする、ドレスアップするという他に「扮装する・仮装させる」といった意味があり、asの後に何に扮するかを入れることになります。
My favourite actor dressed up as a pirate in a film.
訳)私の好きな俳優が、映画のなかで海賊に扮しました。
筆者の住むイギリスではWorld Book Dayというイベントがあります。小学校ではこのイベントを積極的に取り入れ、この日子どもたちはfancy dressを着て自分の好きな本のキャラクターになりきって登校します。これも可愛く扮するということでしょう。
それにしても、イギリスは何かと仮装する機会があり大人も楽しみます。
マスカレードって何色?
マスカレード特有の色や象徴が7つあることを知っていますか?これらの色は仮装時のマスクや衣装に実際に使われます。
7 masquerade colours
1. Black – エレガントで神秘的。
2. Gold and Silver – 仮面舞踏会で人気の色。華やかさと優雅さ。
3. Red – 大胆で情熱的。
4. Blue – 王族や陰謀を表す。
5. Green – 自然・新鮮さ、上品さと高級感。
6. Yellow – エネルギーと活力。
7. Rainbow – 多様性・受容性・包括性。
ベニスの街中にはたくさんのお土産屋さんがあり、仮装するためのマスクも売っています。皆さんはどの色をマスカレードに選びますか?
マスカレードボール
続けて、さらに華やかな世界「マスカレードボール」を紹介しましょう。
さて、ボールが何を意味するか知っていますか?
masquerade ball
着飾って飲食をしたり会話を楽しむパーティ、皆さんも行く機会があるでしょう。パーティと一口に言ってもホームパーティといったカジュアルなものから、正装をして出かけるものまで色々です。
ballとは皆さんご存知のボールや玉という他に、正式な舞踏会やダンスパーティの意味を持っています。
このことから、masquerade ballはまさしく仮面舞踏会になるのです。
There will be a masquerade ball for employees. Everyone is talking about what they’ll wear.
訳)従業員のための仮面舞踏会が開催されます。皆、どんなものを着るか話していますよ。
ヒースロー近くのマスカレードイベント
イギリス英語を学んでいる、学びたいという方、イギリス・ヒースローでマスカレードイベントに参加してみるなんていかがですか?マスカレードイベントでは通常、音楽とダンスを楽しみます。
Masquerade Ball in Heathrow
その名は”Magical Venetian Masquerade Ball Heathrow 2024”といい、すでに2024年の年末パーティの案内が出ています。Venetianは「ベニス風の」の意味です。このパーティでは、見事な装飾の部屋でベネチアンマスカレードボールの豪華な雰囲気を満喫、ゲストはドレスアップして参加します。
グループサイズは最小200名、最大で1,000名もの人が集まるスケール、参加費は1人75ポンドです。この参加費には赤・金・黒のドレープや小道具、楽しいフォトスペース、DJ&ディスコなどが含まれています。
その昔、ベネチアの人たちが身分や階級を機にすることなく自由を満喫できたように、英語にもし自信がなくても仮装をすれば思いっきり楽しめるかもしれませんね。
まとめ
マスカレードは英語で”masquerade”、仮装パーティ、仮面舞踏会、見せかけや、~のふりをする、他人に成り済ますなど様々な意味を持ちます。どれも本来の自分から別人になるニュアンスです。
語源はイタリア語、ベネチアの美しいマスカレードパレードの雰囲気を思いながら、本記事が参考になれば嬉しいです。