オランダと聞いて思い浮かべるのは、チューリップと風車ではないでしょうか。

色とりどりのチューリップが咲く大地と、のどかな空に映える風車。そんなオランダらしい風景が広がる場所がキンデルダイクです。

ロッテルダムの南東およそ15km、川沿いののどかな場所にあり、まるで絵本の中から飛び出したような風景が広がっています。

この記事では、そんなキンデルダイクの風車群の魅力や歴史、旅先で使える英語フレーズまでをご紹介します。

キンデルダイク-エルスハウトの風車群ってどんなところ?

オランダの世界遺産「キンデルダイク-エルスハウトの風車群」の歴史や魅力を英語で紹介

オランダの風車が並んだ穏やかな風景を、絵はがきなどで見たことがある方は多いのではないでしょうか。

それは、キンデルダイクという町で、世界遺産にも登録されています。キンデルダイクとその風車群について、みていきましょう。

キンデルダイクとは?

キンデルダイク(Kinderdijk)という地名は、「子どもの堤防(Child’s dike)」という意味があります。

伝説によると、この地名は、1421年の大洪水のあと、赤ちゃんが乗ったゆりかごがこの堤防に流れ着いたという話に由来しているそうです。

この地域は、自然、歴史、技術が調和した景観が人々を魅了しています。

 風車の特徴

ここの風車の羽の長さは1枚約14m、高さは4~5階建てのビルに相当します。回転することで、毎分1万リットルもの水を排水します。

風車ができた背景

オランダの国土の約4分の1は海面よりも低く、昔から多くの水害に見舞われてきました。もともと風車は小麦を挽くためのものでしたが、排水するための装置として改良されました。この技術によって、オランダは干拓地を農地へと変え、酪農や園芸が盛んな国になったのです。また、風車は現在では観光客にも人気です。

アクセスと観光地としての魅力

ロッテルダム中央駅からバスとフェリーを乗り継いで約1時間。風車群までは公共交通機関も整っており、日帰り旅行にも最適です。

春から夏にかけては緑と風車のコントラストが美しく、フォトスポットとしても大人気です!

歴史から見るキンデルダイクの風車

歴史から見るキンデルダイクの風車

キンデルダイクの風車群が建てられたのはおよそ1740年ごろ。目的は、農地を守るための灌漑設備(irrigation system)の一部として水を排水することでした。
オランダでは10世紀ごろから干拓が始まり、水路を作って土地を農地化してきましたが、自然排水だけでは限界がありました。その解決策として登場したのが、風車を動力とする排水ポンプです。

1950年頃まで、オランダ全土で約1,000基の風車が稼働していたといわれています。現在、キンデルダイクには19基が残り、かつての風景を今に伝えています。

Wikipedia

風車守の技術も世界遺産に

風車の管理・運転には、多くの知識と経験が求められます。
風向きや風の強さを見ながら羽の角度を調整したり、風の勢いが強すぎるときはブレーキをかけたりして、作業をします。風車の中に家族とともに住みながら、日々機械の点検や修理を行う生活は、自然との関係のなかに成り立っています。

オランダの「風車守の風車と水車の運転技術」は、風車守(miller)が風車や水車を動かし、修理を重ね良好な状態を保つための知識や技術が評価され、2017年12月、ユネスコ世界無形文化遺産に登録されました。

この技術で生計を立てている人の数は年々減少していますが、風車を動かす技術や風車守としての文化と歴史を、後世に伝える重要な役割も担っています。

Aさん
Craft of the miller operating windmills and watermills was designated as a UNESCO Intangible Cultural Heritage in 2017.
訳)「風車守の風車と水車の運転技術」は、知識や技術が評価され、2017年12月、ユネスコ世界無形文化遺産に登録されました。

英語で覚えたい!キンデルダイクにまつわる英語フレーズ

旅行や写真投稿にも使える便利な英語フレーズを紹介します。

Aさん
This windmill is huge!
訳)この風車、大きい!
Aさん
Kinderdijk is a perfect place to relax and enjoy nature.
訳)キンデルダイクは自然を楽しむのにぴったりの場所です。
Aさん
I was amazed by how the windmills drain the water.
訳)風車が水を排水する仕組みに驚きました。

英語で気持ちを表現してみると、旅の楽しさも倍増します!

 世界遺産「キンデルダイク-エルスハウトの風車群」とは?

1997年、キンデルダイク-エルスハウトの風車群は、ユネスコの世界遺産に登録されました。

Aさん
Mill Network at Kinderdijk-Elshout was designated as a UNESCO World Heritage Site in 1997.
訳)キンデルダイク-エルスハウトの風車群は、1997年にユネスコの世界遺産に登録されました。

正式名称は、Mill Network at Kinderdijk-Elshout

世界遺産に登録された理由は?

キンデルダイクの風車群が世界遺産に登録された主な理由は、次のような点です。

Aさん
The Mill Network at Kinderdijk-Elshout is an outstanding human-made landscape that the Dutch wisdom and indomitable spirit over 1,000 years.
訳)排水用の風車は1,000年にわたるオランダ人の知恵と不屈の精神を証明する景観である。
Aさん
The Mill Network at Kinderdijk-Elshout is an outstanding example of the development of Dutch drainage techniques which were copied and adapted in many parts of the world.
訳)オランダの風車の排水技術の発展は、世界の多くの地域で採用されている。
Aさん
The Mill Network at Kinderdijk-Elshout with its historic polder areas is an outstanding example of the development of Dutch drainage techniques which were copied and adapted in many parts of the world.
訳)キンデルダイク=エルスハウトの風車は現在でも稼働している。技術的にも非常に独的なシステムで、人類の建築史の重要な段階を示している。

UNESCO World Heritage Convention:Mill Network at Kinderdijk-Elshout

見どころいっぱい!キンデルダイクの楽しみ方

見どころいっぱい!キンデルダイクの楽しみ方

大自然と風車の絶景

風車と青空が広がる風景は写真映えします。夕暮れ時にはオレンジ色の幻想的な景色を楽しめます。

チューリップの咲く季節には、まさにオランダらしい「チューリップと風車」がコラボした風景が広がります。

Aさん
The windmills of Kinderdijk offer a fantastic landscape in every season.
訳)キンデルダイクの風車は、どの季節も幻想的な風景が見られます。

 風車の中を見学しよう

19基ある風車のうち、14基が現在も稼働中。そのうち2基は博物館として公開されています。

Nederwaard(ネーデルワールト)」:1738年製。風車の中での暮らしを見学できます

Blokweer(ブロックウェール)」:畑やヤギ小屋、作業小屋などが併設されており、当時の生活が体感できます。

Aさん
In Kinderdijk, two windmills are turned into a museum, and you can tour inside the windmills.
訳)キンデルダイクでは、2基の風車が博物館になっていて、風車の中を見学できます。

運河から風車を見る

運河クルーズは大人気です。「クルーザー」と「ホッパー」の2種類の遊覧船があり、異なるルートから風車群を楽しめます。

Aさん
The view from the water is absolutely stunning.
訳)水上からの景色は本当に素晴らしい。

風車の下に泊まる特別体験

古い製粉工場を改装したブティックホテル「ヤン ファン アーケル(Jan van Arkel)」では、風車のすぐ下で宿泊することも可能です。

静寂な夜に、風車の羽の音を聞きながら過ごす時間は思い出になることでしょう。

まとめ:英語で世界を旅しよう!

キンデルダイクの風車群は、オランダの歴史、文化、人々の知恵の結晶です。
英語でその魅力を学ぶことで、より深く旅先を楽しめるようになります。これからも、世界遺産を英語で巡る旅を一緒に楽しんでいきましょう!