「あの人はマイペースな人だから、あまり急かさないであげてね。」
「私ってマイペースな性格だから、自分のテンポを崩されると上手くいかないことが多いんだよね。」
以上のように、自分に最適なペースを持っている人のことや、のんびり屋さんのことを指して「マイペース」と言いますよね。
マイペースは英語の”my”と”pace”をそのままカタカナで表したものですが、実は英語では”my pace”と言っても通じないことはご存知でしょうか?
この記事では、そんな「マイペース」を表現できる正しい英語表現を紹介します。
この記事を読み終わる頃には、「マイペース」を英語のネイティブや外国人にも伝わる正しい表現が身についているのでぜひ最後まで読んでください。
ホント?”my pace”や”mypace”では意味が通じない
日本語では「マイペースで続けていきましょう」とか「彼はマイペースだからゆっくり見守りましょう」と言いますよね。
この「マイペース」は英語の”my pace”から来ていると考えられますが、実は英語では「マイペース」のことを”my pace”や”mypace”とは表現しません。
というのも、日本で使われるカタカナ英語の「マイペース」は、実は「※和製英語」だからです。
※和製英語:「ペットボトル」や「ガッツポーズ」など、英語ではないものをカタカナとして造語にしてしまう日本の言葉。それぞれ英語では、plastic bottle(ペットボトル)、fist pump(ガッツポーズ)と表現できます。
なので、「マイペース」を表現したいときは、相手に伝わりやすいように表現を工夫する必要があります。
「自分のペースで」は英語で?
前項でお伝えしたように、「マイペース」は和製英語なので”my pace”や”mypace”では英語を話す外国人には伝わりません。
英語で「マイペース」を伝えようとする際には、「持つ」や「自分の」を意味する”own”を使った表現で伝えることができます。
代表的なものをいくつか見てみましょう。
at one’s own speed
“At one’s own speed”は直訳すると「彼or彼女の持つスピードで」となり、転じて「彼or彼女のペースで」となります。
one’sの部分に人称代名詞のmy, your, his, her, itsが入って、「(人称代名詞)のペースで」の意味になるわけですね。
“Speed” は速さを意味し、活動や行動を「自分の速さ(スピード)で」行うことを指しています。
「自分のスピードで」が転じて「マイペースで」となるわけですね。
in one’s own time
“In one’s own time”は直訳すると「(人称代名詞の)持つ時間で」となり、転じて「(人称代名詞の)ペースで」の意味で使われます。
“Time” は時間を意味するので、自分の「時間」的制約やスケジュールに合わせた行動を指します。
「自分(人称代名詞)の時間で」の意味から、「自分のペースで」を意味するわけですね。
in one’s own rhythm
”In one’s own rhythm”は直訳すると「(人称代名詞の)持つリズムで」となります。
カタカナ英語の「リズム」でも「彼には彼のリズムがあるから」と言われると、「彼のペースで」というイメージで意味を連想できますよね。
“Rhythm” は独自のリズムやペースで行動することを表しています。
at one’s own leisure
”leisure”はあまり見慣れない英単語かもしれませんね。
“leisure” は余暇や自由な時間を意味します。
“at one’s own leisure”は「自分の余裕のある時間や自由な時間に活動する」ニュアンスなので、「自分の余裕のある時に活動してください。」から転じて「自分のペースで良いのでお願いします。」といった意味で使われるわけですね。
「マイペースな性格」を英語で表すと?
日本語で「マイペース」を使う際、「私ってマイペースな性格なんだよね」や「彼はマイペースな性格なんだ」のように、個人の「性格」として使われることもありますよね。
「性格」としての「マイペース」を表現する際には、以下の英語が使えます。
easygoing
“easygoing” は、リラックスしていて、ストレスを感じにくい性格を意味します。
マイペースで他人との摩擦が少ない人を表現するわけですね。
”easy”には「困難がない」というニュアンスがありますから、”easygoing”の中にある”easy”から「マイペースな人の、ゆったりとした性格」のイメージを連想しやすいですよね。
laid-back
“laid-back” は、のんびりとした性格や、余裕のある様子を表します。
何事もあまり気にせず、ゆったりとしたペースで物事に取り組む人を指します。
イメージしやすい例を挙げると、日本のマンガで「ゆるキャン△」という作品が人気になりましたが、このゆるキャン△の英名が”laid-back camp”なんです。
ゆるキャン△の「ゆる」は「ゆるい」を連想させる言葉ですから、「ゆるい=laid-back」と訳したわけですね。
free-spirited
“free-spirited” は、自由な精神を持ち、束縛されたり規則に縛られたりすることを嫌う性格を指します。
自分のペースで生きることを重視する人を表すので、「マイペースな性格」を意味するわけですね。
「周りに流されない人」は英語で何て言うの?
「マイペースな人」のニュアンスとして「周りに流されない、強い自分のマインドがある人」も挙げられますよね。
「周りに流されない人」を英語で意味するには、以下の表現が使えます。
Independent-minded
“Independent-minded” は、自立心が強く、他人の意見や影響に左右されないことを表します。
自分の考えや信念に基づいて行動し、周囲の影響を受けずに進むことができる人を指して使われるわけですね。
independentが「独立」や「独立した〜」を意味し、mindはカタカナで「マインド」と言われるように「性格、精神性」を意味します。
ですので、independentとmindを合わせて”Independent-minded”が「自分の考えや信念に基づいて行動し、周囲の影響を受けずに進むことができる人」の意味で使われるわけですね。
Strong-willed
“Strong-willed” は、強い意志力や決意を持ち、自分の信念に従って行動することを指します。
「他人の意見や圧力に屈しない強い意志を持つ人」を表して使われます。
strongは「強い」を意味しますし、willは”I will ~”と使われるように未来形の助動詞の意味もありますが、実は「何かに向かった強い意志」という意味でも使われます。
「強い」の意味のstrongと「意志」を表すwillが使われて、”strong-willed”になることで「他人の意見や圧力に屈しない強い意志を持つ人」の意味で使われるわけですね。
Unswayed
“Unswayed” は、他人の影響を受けずに毅然(きぜん)としている人を指します。
上述した”strong-willed”のように、他人の意見や圧力に左右されず、自分の信念に忠実であることを表します。
“sway”が「揺れる」を意味するので、頭に否定的な意味を持つ”un”がつくことで「揺れない、ぶれない」の意味になるので、「他人の意見にもぶれない様」を表現するわけですね。
まとめ
この記事では、実は英語では使われない「マイペース」について、正しく伝わる英語表現に変えてお伝えしました。
ここまでお読みのあなたは、「マイペース」を英語のネイティブや外国人にも伝わる正しい表現が身についているでしょう。
この記事でお伝えした内容が、あなたの英語表現をより豊かにできれば幸いです。