英語の”once”と聞くと、「一度」や「一回」、「いったん」といった意味が思い浮かぶでしょう。
そんな”once”ですが、単純な日本語訳の「一度」や「一回」、「いったん」を覚えているだけでは、実際の英文で使うイメージを掴みづらいでしょう。
そこでこの記事では、”once”の代表的な意味と使い方について、例文付きで紹介します。
この記事を読み終わる頃には、”once”の意味だけではなく、実際の使い方についても、あなた自身が英語を話す外国人のように適切に使えるだけの知識が身についているのでぜひ最後まで読んでください。
”once”が持つそれぞれの意味とは?
onceは主に以下の意味で使われます。
一度
onceの意味として最も一般的なのが「一度」という意味でしょう。
例えば、「有名人に会ったことはある?」と聞かれて、「一度だけ、俳優さんを見たことがありますよ。」と返したり
「一回だけ試してみてください、きっと素晴らしい体験が出来ますよ。」と言ったりと
「限定的な経験」を指して「一度」や「一回」を表現します。
【例文】
- She once visited Japan and fell in love with the culture and food.
彼女は一度日本を訪れ、文化と食べ物に魅了されました。 - I once ate at that restaurant, and the food was absolutely delicious.
そのレストランで一度食事をしましたが、料理がとても美味しかったです。 - I have only been to New York once, but it was an amazing experience.
私はニューヨークに一度しか行ったことがありませんが、素晴らしい経験でした。
かつて・以前
“once”を使って「かつて」や「以前」のように、過去について表現することもできます。
例えば、前項の例文のひとつの”She once visited Japan and fell in love with the culture and food.”(彼女は一度日本を訪れ、文化と食べ物に魅了されました。)を引き合いに出すとわかりやすいでしょう。
例文の”once”は「過去に一度ある」という「過去の経験」を表現しているので、「一度日本に訪れたことがある」とも訳せますし、文脈によっては「”かつて”日本に訪れたことがある」と訳すこともあるわけですね。
【例文】
- He was once a famous singer, but now he lives a quiet life.
彼はかつて有名な歌手でしたが、今は静かな生活を送っています。 - This building was once a hospital, but it’s now a museum.
この建物はかつて病院でしたが、現在は博物館になっています。 - Once a small town, it has now grown into a bustling city.
かつての小さな町が、今では賑やかな都市に成長しました。
〜するとすぐに
”once”は「〜するとすぐに」の意味で使われることもあります。
例えば、「到着したらすぐに知らせてね。」や、「エアコンを付ければすぐに暖かくなるよ。」といった感じで、何かの行動や変化が引き金になって、間を置かずに行動や変化が起こることを指しますね。
【例文】
- Once you arrive at the station, call me, and I’ll come pick you up.
駅に着いたらすぐに電話してね。迎えに行くよ。 - Once they saw the results, they felt relieved and celebrated.
結果を見た途端に彼らはホッとして、お祝いをしました。 - Once the sun sets, the city lights start to brighten the streets.
日が沈むとすぐに、街の灯りが通りを明るく照らし始めます。
【※補足】
英文法が得意な方は、「〜するとすぐに」を意味する英語と聞いて”as soon as~”が思い浮かぶかもしれませんね。
確かに”as soon as~”も「〜するとすぐに」を英語で表現でき、「”once”も”as soon as ~”も似た使い方ができる。」とも言えます。
”once”と”as soon as~”の違いを挙げるならば、”as soon as~”の方が少しフォーマルな表現で、かつ「緊急性が高い」と言え
対して”once”は少しカジュアルな表現で、かつ「緊急性は高くない」と言えます。
例えば、”As soon as he arrives, we’ll start the meeting.”(彼が到着したらすぐに会議を始めます。)という文章なら、ビジネスシーンで使えるフォーマルな文章で、なおかつ「彼が来たらすぐにでも会議を始めたい」という緊急性を感じることができます。
対して、”Once he arrives, we’ll start the meeting.”(彼が到着したら会議を始めます。)であれば、「彼が到着することで準備が整うので、自然と会議を始めてしまおう。」という感じの、比較的ゆるい雰囲気を感じることができます。
一度〜したら
“once”は「一度〜したら」の意味でも使われます。
例えば、「一度このパンを食べたら、他のパンは食べられなくなるよ。」といった感じで、この意味の”once”は「一度の経験、決定、変化がターニング・ポイントとなって、次の行動、変化、決定がされる」といった使い方がされます。
文字で解説するよりも、例文を見ながらの方がわかりやすいので、例文を見てみましょう。
【例文】
- Once you get used to it, the job becomes much easier to handle.
その仕事は一度慣れてしまえば、たいへん簡単にこなせるようになります。 - Once he makes up his mind, it’s hard to change his decision.
彼は一度こうと決めたら、決めたことを曲げるのは難しいです。 - Once you taste this dish, you’ll understand why it’s so popular.
一度この料理を味わったら、なぜ人気なのか分かるでしょう。
例文を見ると、1つ目の例文は「仕事に慣れる(経験)」ことがターニング・ポイントとなって、「簡単にこなせるようになる」という変化が起こっているのがわかりますね。
2つ目の例文も、「彼が一度こうと決める(決定)」ことがターニング・ポイントとなって、「決めたことを曲げるのが難しくなる」という変化が起こっています。
3つ目の例文も1つ目と同じ「経験」のパターンですね。
以上のように、「一度〜したら」を表す”once”は、変化や決定の「ターニング・ポイント」として機能しているイメージで使われるわけですね。
まとめ
この記事では、”once”の代表的な意味と使い方について、例文付きで紹介しました。
ここまでお読みのあなたは、”once”の意味だけではなく、実際の使い方についても、あなた自身が英語を話す外国人のように適切に使えるだけの知識が身についているでしょう。
この記事でお伝えした内容が、あなたの英語の表現力をより豊かにできれば幸いです。
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