「オペレーション」と聞いて、みなさんはどんなイメージを持ちますか?
いろいろなシーンでよく耳にする「オペレーション」ですが、もしかすると「ワンオペ」の方がなじみがある言葉かもしれませんね。

「オペレーション」とは、特定の目的のために行われるさまざまな活動や過程を指した英語由来のカタカナ言葉です。

「ワンオペ営業」や「ワンオペ育児」は、分業や分担すべき全ての業務を全て一人でこなすことを意味する「ワン・オペレーション」から来ています。
今回は、そんなワンオペでおなじみのカタカナ言葉「オペレーション」について、業界別にみた意味と英語”operation”の正しい使い方、類義語を紹介していきます。

「オペレーション」とは?

「オペレーション」とは?

「オペレーション」は、英語”operation”に由来したカタカナ言葉です。
「操作」「運転」「動作」などを意味するほか、特にビジネスにおいては、事業の運営や業務、作業のことを指して使われています。

  • 目標を達成するため、物事を運営していく手順(フロー)を定めること
  • 定められた手順やマニュアルに沿って実施していく一連の作業や実務のこと

「オペレーション」の管理や進みが悪いと、業務が滞り、生産性が落ちやすくなります。
製品やサービスの品質にばらつきが生じ、企業の信頼が損なわれる恐れもあり、ビジネスの円滑な進行に「オペレーション」の改善や向上は欠かません。

業界によって違う「オペレーション」の意味

「実務」や「作業」を意味する「オペレーション」ですが、具体的な業務内容は、業界や分野によって異なります。
業界別にみた「オペレーション」の意味を紹介しましょう。

製造業界 材料調達、生産ライン効率化、在庫管理、品質管理、配送など
小売業界 商品管理、販促活動、カスタマーセンター運営、アフターサポートなど
IT業界 ソフトやシステムの開発、運用、サーバー管理、セキュリティ対策、定期的なメンテナンス、エラー修正など
サービス・イベント業界 円滑に執り行うための計画、設営、人員配置、進行、スタッフ連携体制、トラブル対応など
飲食業界 メニュー開発、食材調達、在庫管理、調理と提供方法など
金融業界 金融機関において業務を円滑にミスなく進行するための実務作業
中央銀行による金融市場の調整のための公開市場操作

”operation”の意味

”operation”は、「活動」や「動作」「過程」など、特定の目的を達成するために必要な一連の活動や手順を意味する名詞です。
辞書では以下のように定義されており、日常生活からビジネスシーンまで幅広い分野で用いられています。

  • an activity that is planned to achieve something
    何かを達成するために計画されている活動
  • an act or process of working, doing something, being in action, or having an effect
    働くこと、何かをすること、作用すること、効果をもたらすことの行為または過程

参考:Cambridge Dictionary

医療の分野では、”a medical process in which doctors cut a body open in order to repair, remove, or replace an unhealthy or damaged part”(医師が体を切開して、不健康な部分や損傷した部分を修復、除去、交換する医療行為)とあり、「手術」のことを指して使われるのが一般的です。

”operation”の発音は、「オペレーション」とは言わず、どちらかというと「ォプレィシュン」のように読みます。

【イギリス英語】 /ˌɒp.ərˈeɪ.ʃən/
【アメリカ英語】 /ˌɑː.pəˈreɪ.ʃən/

カタカナでなじみがある英単語ほど、日本語寄りになって、間違ったまま発音しがちなので注意しましょう。

”operation”を使った例文

”operation”を使った例文

「作動」「運行」「運営」「手術」などさまざまな意味を持つ”operation”の使い方を、例文で紹介していきます。

事業・ビジネス

Aさん
The firm set up its own property development operation because it is winding down its operations abroad.
訳)同社は海外事業を縮小するため、独自の不動産開発ビジネスを立ち上げました。
Aさん
Less profitable business operations will have difficulty in finding financial support.
訳)収益性の低い事業は、財政支援を見つけるのが難しいです。

運営・活動

Aさん
Teamwork is essential to ensure the smooth operation of the department.
訳)部門を円滑に運営するためには、チームワークが不可欠です。
Aさん
He insists on setting up a franchise operation for them in Washington.
訳)彼は、ワシントンでフランチャイズ事業を立ち上げると主張しています。

動作・稼働

Aさん
The aircraft’s engine operation was normal.
訳)航空機のエンジン動作は正常でした。
Aさん
We expect the new system for assessing claims to come into operation early next year.
訳)来年早々には、クレームを査定する新しいシステムが稼動する予定です。

手術・医療行為

Aさん
He had a ten-hour operation to reduce the swelling in his brain.
訳)彼は、10時間にもおよぶ脳の腫れを抑える手術を受けました。
Aさん
We will know in a couple of days if the operation to restore her sight was successful.
訳)視力回復手術が成功したかどうかは、数日後にわかります。

救出・救助活動

Aさん
Following the earthquake, a large-scale rescue operation was launched.
訳)地震発生後、大規模な救助活動が開始されました。
Aさん
The rescue operation has been complicated by bad weather.
訳)救出活動は、悪天候のために非常に難しくなっています。

”operation”の類義語

最後に、”operation”と同じような意味を表す類義語を紹介します。
英語が苦手な方でも、一度は聞いたことがあるベーシックな英単語をまとめました。

  • process…過程、進行、方法、手順、工程
  • organization…組織体、組合、協会、構成
  • business…業務、仕事、営業、商業、事業
  • campaign…運動、勧誘、遊説、作戦
  • surgery…外科手術、外科的処置、手術室
  • performance…性能、実行、履行、執行
  • action…行動、働き、活動、実行、行為

 

まとめ

ワンオペでおなじみのカタカナ言葉「オペレーション」について、業界別にみた意味と英語”operation”の正しい使い方、類義語を紹介しました。

「オペレーション」は、英語”operation”に由来したカタカナ言葉です。
おもな意味は「操作」「運転」「動作」などですが、ほかにも、ビジネスにおける、商品の生産や販売、サービスの提供に必要とされるプロセスを指して使われます。

カタカナの「オペレーション」は、業界によって示す内容に違いがありますが、目的のために行う具体的な業務や作業を指していることは共通しています。
類義語も合わせて覚えておくことで、”operation”の意味がより理解しやすくなるでしょう。

カタカナの意味で迷ったときは、もとになっている単語を調べて正しく解釈するくせをつけておくと良いですよ。

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