「クレームブリュレ」を食べたことがある方は多いでしょう。
パリパリのキャラメリゼを割る瞬間は、なんともワクワクしますよね。
口の中でとろけるカスタードのバニラ香る優しい甘さはたまりません。

「クレームブリュレ」は、フランスに起源を持つといわれる、歴史あるヨーロッパのデザートです。
日本では、2001年に公開された名画「アメリ」が話題となって人気に火がつき、その名を世に馳せました。

今回は、世界中から愛されるデザート「クレームブリュレ」について、その魅力や英語表現、地元で有名なカフェを紹介していきます。

「クレームブリュレ」とは

「クレームブリュレ」とは

「クレームブリュレ」とは、卵黄、生クリーム、砂糖、バニラを混ぜて、オーブンで湯煎焼きし、冷ましてから「カソナード」という砂糖をふりバーナーなどで表面に焼き色をつけたデザートです。
低めの温度に設定したオーブンでじっくりと湯煎焼きすることで、ゆっくりと中まで火が通り、なめらかな口当たりに仕上がります。

生クリームと卵黄から作られるので、一般的なカスタードプリンよりも、とろりと柔らかく濃厚な味わいが特徴です。
お店によっては、食べる直前に目の前で、表面をフランベしてくれるところもあり、パリッとしたキャラメル層と、とろけるカスタードの絶妙なハーモニーが味わえます。

「クレームブリュレ」の起源

「クレームブリュレ」は、17世紀のフランスで発祥したといわれていますが、当時はイギリスやスペインでも似たようなカスタードデザートが作られており、明確な起源ははっきりしていません。

1691年、フランス人のフランソワ・マシアロ(François Massialot)が書いたレシピ本で初めて、「シナモンの香りがするオレンジとライム風味のクレーム・ブリュレ」と紹介されたのが始まりとされています。

日本においては、2001年に公開されたフランス映画「アメリ」で一気に有名になりました。
主人公アメリが大好物の「クレームブリュレ」をスプーンでコツコツと割って食べるシーンが話題になり、健気で芯のある可愛いアメリに憧れた方も多いのではないでしょうか。

「クレームブリュレ」の魅力

「クレームブリュレ」の魅力は、なんといっても、表面のパリパリとしたキャラメル層と、とろける濃厚なカスタードクリームにあります。

焦がしキャラメルの美しい見た目とバニラの甘い香りが食欲をそそるだけでなく、なめらかでクリーミーなカスタードは、食べた人を幸福感で満たしてくれます。

「クレームブリュレ」は、フレーバーを変えたり、トッピングを添えたりして、アレンジがしやすいところも魅力です。
バニラ風味が基本ですが、ヤギや羊のミルクを原料にしていたり、フランボワーズやオレンジなどのフルーツ、リキュールなどで味付けされていたり、また合わせる飲み物もエスプレッソや抹茶、紅茶など、さまざまな楽しみ方があります。

「クレームブリュレ」の英語

「クレームブリュレ」とは

「クレームブリュレ」は、英語で”crème brûlée”です。
「焦がしたクリーム」を意味するフランス語”crème brulée”から来ています。

辞書の定義も確認してみましょう。

crème brûlée

  • a cream or custard dessert covered with caramelized sugar
    キャラメリゼした砂糖で覆われたクリームやカスタードのデザート
  • a sweet food made from custard (= a sweet, soft mixture of milk, eggs, and sugar) with hard, burnt sugar on top
    カスタード(=牛乳、卵、砂糖を混ぜた甘くて柔らかいもの)の上に固い焦がした砂糖をのせた甘い食べ物

参考:Collins dictionary, Cambridge Dictionary

卵、牛乳、砂糖を原料に作ったカスタードの表面を焦がしてキャラメリゼしたデザートであることがわかりますね。

”crème brûlée”の発音記号は、 /ˌkrem bruːˈleɪ/ で、カタカナにすると「クレンブルレィ」のように読めます。
「クレーム」のように長音「ー」にはならず、最後の音も「レィ」となるので、カタカナのまま発音すると通じない可能性があります。
わたしたちが普段呼んでいる「クレームブリュレ」とは、発音が大きく異なるため注意が必要です。

例文

”crème brûlée”の例文を紹介します。
”crème brûlée”とはどのような食べ物なのかを説明するときには、以下のような表現ができます。

Aさん
Crème brûlée is a dessert consisting of a rich custard base topped with a layer of caramelized sugar.
訳)クレームブリュレは、表面にキャラメリゼされた砂糖がかかったカスタードベースのデザートです。

以下の例文では、”crème brûlée”の美味しいアレンジやトッピングを紹介しています。

Aさん
I would prefer a classic crème brûlée served with fresh raspberries on the side.
訳)クラシックなクレームブリュレにフレッシュなラズベリーを添えて食べるのが好きです。

”crème brûlée”の美味しさを伝えたいとき、誰かにおすすめしたいときは以下のような表現も良いでしょう。

Aさん
And for a perfect ending to any feast, treat yourself to such sumptuous desserts as the coconut-chocolate crème brûlée and the almond-crusted cheesecake with cherry sauce.
訳)ココナッツチョコレートのクレームブリュレや、チェリーソースを添えたアーモンドクラストチーズケーキなど、豪華なデザートをごちそうの締めくくりにどうぞ。

フランスの「クレームブリュレ」ならココ!

最後に、フランスを訪れたらぜひ立ち寄りたい、有名カフェを紹介します。

パリの下町モンマルトルのルピック通りにある「Café des Deux Moulin(カフェ・デ・ドゥ・ムーラン)」は、映画「アメリ」の舞台にもなった地元で知らない人はいない有名なカフェです。
人気デザートの「クレームブリュレ」は、大きくて平たい器に入っており、じっくりと焼き上げた濃厚なカスタードクリームと分厚いキャラメル層が特徴です。

2009年にリニューアルして当時と内装が様変わりしてしまったものの、カフェのシンボルともいえるアメリのポスターは健在です。
カウンターやソファなど当時のインテリアもそのまま残っているので、映画「アメリ」の雰囲気を十分に楽しめるでしょう。
世界中から「アメリ」のファンが訪れ、実際にアメリが食べていたクレームブリュレを注文するのだそうです。

Café des Deux Moulinの公式ホームページにも、しっかりメニューが載っています。

Crème brulée d’Amélie – La seule, l’unique et toujours faite maison- 8.90€
アメリのクレームブリュレ – 自家製にこだわった、唯一無二の一品 – 1440円
参考:Café des Deux Moulins

フランスへ行ったら、パリのCafé des Deux Moulinsで「アメリのクレームブリュレ」を堪能してみてはいかがでしょうか。

まとめ

世界中から愛されている「クレームブリュレ」について、その魅力と英語表現、地元で有名なカフェを紹介しました。

「クレームブリュレ」は、パリッ、トロッとした2つの食感と、濃厚な甘さが相まってたまらない美味しさを作り出す魅惑のデザートといえます。

固いキャラメル層をスプーンでコツコツと割りながら、とろけるクリームを食べれば、まるで自分がアメリになったような気分になれるかもしれません。
ときにはじっくりと「クレームブリュレ」を味わいながら、幸せを願う「アメリ」のごとく、夢や希望を捨てずに過ごしていきたいものですね。

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