世界にはたくさんの神話がありますが、その中でもインド神話はとても奥深い世界観を持っています。
今回は、ヒンドゥー教において重要な神様の一人、「ヴィシュヌ」についてご紹介します。
ヴィシュヌは「世界を守る神」として知られ、色鮮やかなイメージやたくさんの化身で有名です。
この記事では、ヴィシュヌについての基本的な知識を、日本語と英語を交えながら、ご紹介していきます!
ヴィシュヌとは?インド神話に登場する守護神
「ヴィシュヌ “Vishnu”」は、ヒンドゥー教における三大神のひとり。
「創造の神ブラフマー」「破壊の神シヴァ」と並び、世界を守り、維持する役割を担っています。インド神話では、人間や世界が危機に陥ったとき、ヴィシュヌが現れて秩序やバランスを取り戻す、とされています。
そのため、「守護神」や「維持の神」と呼ばれることもあります。
Vishnu is one of the three main gods in Hindu mythology.
ヴィシュヌは、インド神話に登場する三大神のひとりです。
He is known as the god of protection and preservation.
彼は、守護と維持の神として知られています。
Vishnu helps keep balance in the universe.
ヴィシュヌは、宇宙のバランスを保つ手助けをしています。
守護神ヴィシュヌの特徴
ヴィシュヌには、次のような特徴があります。
- 青い肌
- 4本の腕
- 手には「ほら貝」「円盤」「棍棒」「蓮の花」
- 巨大な鳥に乗っている
これらの特徴は、単なる飾りではなく、それぞれに意味や願いが込められています。
ヴィシュヌの特徴が持つ意味を確認しましょう。
青い肌:blue skin
ヴィシュヌの持つ青い肌は、広大な空や深い海のような「無限」や「永遠の命」を象徴しています。
Vishnu is shown with blue skin. His blue color represents infinity and eternal life.
ヴィシュヌは、青い肌で描かれます。青色は、無限と永遠の命を象徴しています。
4本の腕:four arms
4本の腕は、世界の四方(東西南北)すべてを守る力を意味しています。
He usually has four arms, symbolizing his ability to protect the whole world.
彼は通常、世界全体を守る力を象徴する4本の腕を持っています。
ほら貝・円盤・棍棒・蓮の花:shankha, chakra, gada, lotus
ヴィシュヌが、手に持つほら貝、円盤、棍棒、蓮の花にも特別な意味が込められています。
- ほら貝(shankha):生命のはじまり、神聖な音
- 円盤(chakra):時間の流れと正義、悪を滅ぼす武器
- 棍棒(gada):力と権威、悪を打ち砕くパワー
- 蓮の花(lotus):純粋さ、精神的な目覚め。神聖な存在の象徴
In his hands, he holds a conch, a discus, a mace, and a lotus. Each item symbolizes a special power or virtue.
彼は手に、ほら貝、円盤、棍棒、そして蓮の花を持っています。それぞれのアイテムは特別な力や徳を象徴しています。
巨大な鳥:Garuda
ヴィシュヌは、巨大な鳥ガルーダに乗って世界を飛び回り、人々を救いに向かいます。これは、高い視点で世界を見渡し、素早く救済に向かう力を表しています。
Vishnu rides a giant bird called Garuda. Garuda symbolizes speed, freedom, and a higher perspective.
ヴィシュヌは、ガルーダという巨大な鳥に乗っています。ガルーダは、スピード、自由、高い視点を象徴しています。
ヴィシュヌの化身(アバター)とは?
ヴィシュヌは、世界が危機に陥ったときに、人々や宇宙を救うため、さまざまな姿に変わって現れると信じられています。
この「神が別の姿をとって現れること」は、インド神話では「アバター “avatar”」と呼ばれます。
実はこの“avatar”、英語でもよく使われています。ゲームやSNSで「アバター」と言えば、自分の分身のキャラクターのことですよね?
その語源は、まさにこのインド神話の「アバター」なんです!
Vishnu is believed to take many forms when the world is in danger.
ヴィシュヌは、世界が危機に陥ったときに、さまざまな姿に変わって現れると信じられています。
This is called an “avatar” in Hindu mythology.
この「神が別の姿になること」を、インド神話では「アバター」と呼びます。
The English word “avatar” comes from this idea and is now used to mean a digital character in games and on social media.
英語の “avatar” はこの考え方から生まれ、今ではゲームやSNSで使うキャラクターの意味としても使われています。
インド神話では、ヴィシュヌはこれまでに10回、異なる姿で地上に現れたとされています。
この10の化身は「ダシャーヴァターラ“Dashavatara”」と呼ばれ、それぞれが異なる時代や状況に応じて登場し、悪や混乱を正してきました。
たとえば、魚の姿になって大洪水から世界を救ったり、未来には白馬に乗って再び世界に秩序をもたらすといった言い伝えもあります。
ここでは、その中でも特に有名で人気のある3つのアバターを英語でご紹介します。
ラーマ:Rama
弓と矢を持った青い肌の王様です。悪と戦って人々を守った英雄でもあります。
Rama is a noble king and an avatar of Vishnu who fought against evil to protect righteousness.
ラーマは、正義を守るために悪と戦った、ヴィシュヌの高貴な王としてのアバターです。
クリシュナ:Krishna
笛を吹く明るい青年の姿をしています。愛と知恵で人々をよい道へ導く神様です。
Krishna is a playful and wise avatar of Vishnu, often shown playing a flute and surrounded by followers.
クリシュナは、笛を吹きながら人々に囲まれる姿で描かれる、陽気で知恵に満ちたヴィシュヌのアバターです。
ナラシンハ:Narasimha
人の体とライオンの顔をもつ姿の、強い悪を打ち破った神様です。
Narasimha is a fierce and wrathful form of Vishnu, with the body of a man and the head of a lion.
ナラシンハは、ヴィシュヌの激しく怒れる姿であり、人間の体とライオンの頭を持っています。
まとめ
ヴィシュヌは、ヒンドゥー教における重要な神であり、神話と宗教の両面で語り継がれてきました。
その物語を英語で学ぶことで、言葉と文化の両方にふれることができます。
英語学習に少し疲れたときは、こんなふうに神話の世界をのぞいてみるのもおすすめです。
きっと、英語を学ぶ楽しさが広がりますよ。
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