メソポタミア文明の中心として知られるバビロンは、イラク中部に位置し、かつての世界の中心ともいえる都市でした。
歴史教科書や伝説で語られる「バベルの塔」や「空中庭園」で知られるこの場所は、壮大な歴史の舞台として、いまも多くの人々の興味を引きつけています。
2019年、バビロンはユネスコの世界文化遺産に登録され、改めてその重要性が世界に認識されました。
バビロンとは?

バビロンは、紀元前18世紀頃から栄えた都市で、古代バビロニア王国の首都でした。中でも有名なのが、ハンムラビ王(King Hammurabi)と、空中庭園(Hanging Gardens of Babylon)です。
英語で覚えておきたいフレーズ:
- Ancient civilization(古代文明)
- Archaeological site(考古学的遺跡)
- World Heritage Site(世界遺産)
バビロンは2019年にユネスコの世界文化遺産に登録されました(was inscribed on the UNESCO World Heritage List in 2019)。
文化的背景と神話
バビロンは、宗教・政治・経済の中心として栄えた都市でした。
都市にはジッグラト(聖塔)や神殿が立ち並び、マルドゥク神をはじめとする多くの神々が祀られていました。
また、「バベルの塔」の伝説や、「空中庭園」は後世の文化や芸術にも大きな影響を与えました。空中庭園は“世界七不思議”の一つに数えられていますが、その実在については今も議論が続いています。
見どころと世界遺産登録
バビロン遺跡には、イシュタル門の復元や、城壁跡、宮殿跡、神殿跡などが残されています。現地では部分的な復元と保護が進められており、訪れることで古代文明の息吹を肌で感じることができます。
ユネスコは2019年、イラク政府の保護活動と地域の人々の努力を評価し、ついに「バビロン」を世界文化遺産に登録しました。これにより、長年保護の対象外とされていたこの場所が、ようやく国際的な保護下に置かれることとなったのです。
教育と平和の架け橋としてのバビロン
バビロンは単なる歴史的遺跡ではなく、教育・平和・文化交流の拠点としても注目されています。戦争や混乱の続いた地域において、文化遺産が再生されることは、未来への希望の象徴となります。
バビロンは今、子どもたちに過去の英知を伝える教室であり、世界の人々が平和と共存を考えるための貴重な場所となっているのです。
未来へつなぐ遺産
気候変動、都市化、観光開発などの影響により、遺跡の保護は容易ではありません。しかし、世界中の研究者や市民の関心が集まることで、バビロンはこれからも保護され、学ばれ、語られていくべき存在です。
人類の記憶としてのバビロンは、過去と現在、そして未来をつなぐ“知の交差点”なのです
バビロンの遺跡を英語で見る

イシュタル門(Ishtar Gate)、ジッグラト(Ziggurat)、宮殿跡(Palace Ruins)など、バビロンの遺跡を訪れると、英語の観光ガイドブックやツアー案内によく登場する言葉に触れられます。
英語でよく使われる語彙:
- Ruins(遺跡)
- Temple(神殿)
- Gate(門)
- Restoration(修復)
旅行やオンライン学習で使える英語例文:
- “The ruins of Babylon tell the story of an ancient empire.”(バビロンの遺跡は、古代帝国の物語を語っている)
- “This site is protected by UNESCO.”(この遺跡はユネスコによって保護されている)
世界遺産バビロンをテーマにした作品

映像作品
『Lost Worlds: Babylon』(ヒストリーチャンネル)
ジャンル:ドキュメンタリー(英語音声・英語字幕対応)
ヒストリーチャンネル制作の歴史番組で、コンピューターグラフィックスを用いて古代バビロンの都市を再現しています。英語のナレーションは比較的明瞭で、専門的な語彙も学べます。
英語学習ポイント:
- アカデミック英語(academic vocabulary)
- 建築・歴史に関する語彙(e.g., “ziggurat”, “ancient empire”, “conquest”)
- 聞き取りやすいナレーションでリスニング練習に最適
活用法:
- 英語字幕をつけて視聴し、わからない単語をメモ
- 自分でナレーションを要約するトレーニング
『Babylon: The Great City』(BBC Earth)
ジャンル:歴史ドキュメンタリー(イギリス英語)
BBC Earthのドキュメンタリーでは、バビロンの繁栄と崩壊の過程が美しい映像とともに語られます。
英語学習ポイント:
- イギリス英語のアクセントに慣れる
- 歴史用語や宗教に関する表現に触れる
- 番組の構成(イントロ・本編・まとめ)を理解しながらディスカッションの練習にも活用可
書籍(Books)
『Babylon: Mesopotamia and the Birth of Civilization』
著者:Paul Kriwaczek(英語原著)
古代バビロニアの社会構造や文化を詳しく解説した書籍。中級〜上級英語学習者に適しています。
英語学習ポイント:
- 歴史的英語表現
- アカデミックな読解練習に最適
- ノンフィクション英語に触れることで語彙が広がる
『The Tower of Babel』 (英語絵本・児童向け)
著者:A. A. Milne(聖書をもとにした再話)
英語の絵本として再話されている「バベルの塔」の物語。子どもにも理解しやすい簡単な語彙と文法が使われているため、初級者におすすめです。
英語学習ポイント:
- 語彙レベルがやさしく、音読練習に最適
- 物語形式でリズムのある英語に親しめる
- 聖書の物語に触れながら文化理解が深まる
小説・フィクション(Novels and Fiction)
『Babylon Revisited』 by F. Scott Fitzgerald
ジャンル:短編小説(Modern Classics)
バビロンそのものを題材にしているわけではありませんが、「バビロン」を象徴として登場させている作品。歴史都市バビロンが「過去の栄光」「崩壊」のメタファーとして使われます。
英語学習ポイント:
- 比喩や象徴表現の学習に適している
- 文学的表現を通して英語の深みを学べる
- 短編なので学習教材として扱いやすい
オンライン教材・英語学習用サイト
British Museum: Mesopotamia (オンライン教材)
British Museum Mesopotamia for schools
イギリスの大英博物館が提供する子ども向けオンライン教材。英語でバビロンやメソポタミア文明について楽しく学べます。
英語学習ポイント:
- やさしい英語で解説
- クイズやアクティビティ付きで実践的
- 英語を「読む」「聞く」「考える」練習になる
まとめ
バビロンは、単なる遺跡ではなく、文明の起源と人類の英知を象徴する場所です。
私たちはそこから何を学び、どのように未来に活かしていくのかを考えるきっかけを得ることができます。
古代の石の下に眠る物語は、現代を生きる私たちにとって、決して過去のものではありません。
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