英検5級には、筆記試験ともう一つ、任意で受験できるスピーキングテストがあることを知っていますか?
5級は、リーディングとリスニングの一次試験だけで合否が判定されますが、希望者は、オンラインでスピーキングテストにチャレンジができます。
とはいえ、お子さんが初めて英検を受けるとなると、受験の流れや試験方法など、わからないことも多いと思います。
今回は、お子さんの英検5級受験を控えている保護者の方へ向けて、任意で受けられるスピーキングテストについて、受験方法や流れ、試験対策におけるの3つのコツをお伝えします。
スピーキングテストとは
国内最大級の英語資格として知られている英検では、「より多くの英語学習者にスピーキングテストを体験してほしい」という思いから、5級と4級の受験者全員にスピーキングテストを無料で提供しています。
- 受験は任意(一次試験の合否は問わない)
- オンラインでの録音形式
- 一次試験の合否閲覧日から受験可能
2016年度から導入が始まった5級と4級のスピーキングテストは、3級以上の二次試験のような対面式ではなく、オンラインでの録音形式で行います。
自宅や学校で、パソコンやスマートフォンなどの電子端末からスピーキングテスト受験サイトにアクセスするだけで、場所や時間に縛られることなく受験が可能です。
受験期間は、一次試験の合否閲覧日から1年間とされており、お子さんのペースに合わせて無理なく受験できます。
スピーキングテストの結果は、受験日から30日以内にウェブ上で発表され、一次試験の成績とは別に、「5級スピーキングテスト合格」という資格として認定されます。
スピーキングテストの受験方法
5級のスピーキングテストは、パソコンやスマートフォンなどの端末を利用した音声録音による試験です。
一次試験のように、公開会場での一斉実施はありません。
場所や時間に制約がないので、インターネットの環境が整っていれば、いつでもどこからでも自分の都合の良いときに受験できます。
スピーキングテストを受験するまでの流れ
スピーキングテストは、一次試験の合否結果発表日の翌日から受験が可能です。
受験できる回数は、1申込ごとに1回のみとなります。
- 一次試験を受験する
- 英検IDとパスワードを準備する
- 受験可能期間を確認する
- 受験サイトにアクセスして流れを確認する
- 受験に使用する端末(パソコン、スマートフォンなど)の動作環境チェック
- スピーキングテストを受験する
- 受験日から30日以内に合否結果をウェブで閲覧できる
iPhoneでの受験には対応していますが、iPadでの動作は推奨されていないので注意しましょう。
スピーキングテストの合否結果は、一次試験の合否とは別で認定され、成績表の郵送はありません。
スピーキングテストの構成
スピーキングテストは音声録音1回だけなので、以下の3つのテスト構成をしっかり把握しておき、万全の状態で挑むことをおすすめします。
1 | 動作環境の確認 |
(保護者の方が手伝っても良い) |
2 | テスト画面の解説 |
(保護者の方による補足説明も可) |
3 | スピーキングテストの受験 |
(受験者1人で行う) |
英検の公式サイトには、テストの模擬体験もできるページがありますので、受験前にシミュレーションしておくと良いでしょう。
英検5級のスピーキングテストのコツ
英検5級のスピーキングテストでは、20語程度の短い文章の黙読と音読の後、内容に関する質問と、受験者自身に関する質問が出題されます。
問題を正しく聞き取って理解し、すばやく解答するためには、英語をたくさん聞いて声に出して話すことで、英語に慣れておくことが何よりも重要です。
過去問や練習問題を活用しよう
スピーキングテストは、問題を繰り返し練習することで、頻出単語や決まったフレーズを覚えて本番に備えられます。
一次試験の過去問には、スピーキングテスト対策としてCDや問題カードが収録されているものもあるので、何度も聞いて流れをつかんでおきましょう。
5級のリーディングで必要な基礎的な文法知識があれば、黙読や音読はそこまで難しくはありません。
また質問を聞き取る力はリスニング力でもあるので、一次試験のリスニング練習がそのままスピーキングテストにもいかされます。
自分の音声を録音しょう
スマートフォンやタブレットなどの録音機能を使って、自分の発音や発話した音声を録音するのも、スピーキングテストのコツとして有効です。
自分では正しいと思って話していても、いざ録音された音声を聞いてみると、「全然違う…」ということはよくあります。
録音した音声と本来の正しい発音やアクセント、イントネーションとを比べることで、客観的に分析できます。
発話の仕方、表現の癖など、自分の英語の誤りや改善点を見つけられると、スピーキングの練習もより効果的に進められるでしょう。
前を向いて自信を持って話そう
スピーキングテストでは、自信を持って堂々と話す姿勢も忘れてはなりません。
緊張して下を向いてしまったり、声が小さくなってしまったりするかもしれませんが、前を向いて、自信を持って話せるように練習をしておくことが大切です。
アイコンタクトも発話の一部として意識するようにしましょう。
相手の目(画面)を見て、ハキハキと大きな声で英語を話すことで、アティチュード(態度)の評価アップにもつながります。
受験前には、保護者の方が相手役になって、模擬スピーキングテストを行ってみるのもおすすめです。
英語をただ話すだけではなく、「相手にしっかり伝える」という気持ちで、何度も練習しておきましょう。
英検5級のスピーキングテスト見本
英検のスピーキングテスト特設サイトでは、5級と4級の問題見本が公開されています。
初歩的な単語や熟語、基礎の文法が問われる5級のスピーキングテストでは、ごく身近で親しみのある話題が中心に出題されます。
【記載されている英文】
Sam’s Pet
Sam is 10 years old, and he has a dog. The dog’s name is Lisa. Lisa is black. Sam likes Lisa.(質問の前に、英文を黙読・音読する)
【読まれる質問】
No. 1 Please look at the passage. How old is Sam?
正答:He is 10 years old.
No. 2 What color is Lisa?
正答:She is black.
No. 3 What animal do you like?
正答:I like lions.
大きなイラストとともに記載された2行ほどの短い文章を黙読・音読した後、質問文に解答します。
質問文の聞き取りでは、”What”や”Who”などの5W1Hの疑問詞の理解が必須となります。
基礎の文法とリーディングで求められる単語をしっかり覚え、正しい発音で言えるようにしておきましょう。
スピーキングテストは、一次試験で測るリーディング力とリスニング力が、自分のものになっているか、実践できているかが試される試験です。
発話の練習には、英文の音読やCDを聞いてのシャドーイングをしたり、英語のアニメや動画を見ながらまねをしたり、本格的に学びたい場合は英会話教室やオンラインレッスンを活用したりするのも効果的ですよ。
まとめ
お子さんの英検5級受験を控えている保護者の方へ向けて、任意で受けられるスピーキングテストについて、受験方法や問題の流れ、試験対策におけるの3つのコツを紹介しました。
5級のスピーキングテストは対面式ではないため、マンツーマンで感じるようなプレッシャーもなく、小学生からでも取り組みやすいテストといえます。
インターネット環境と対応端末があれば、いつでもどこでも気軽に受けられるので、自宅や慣れた場所でリラックスして受験できるのが魅力です。
5級の一次試験の合否とは別の、「スピーキングテスト合格」という認定は、初級レベルの英語が話せる証明になります。
基本的な英語を、「読めて、聞けて、話せる」ということは、これからのお子さんの英語学習に大きく影響することでしょう。
英検5級の一次試験が終わったら、使える英語力を養う良い機会として、ぜひスピーキングテストも受験してみてくださいね。