アメリカの食べ物の一つと言えば、大きいお肉の塊をジューシーに焼いたステーキです。ステーキは、アメリカ人にとって日常的に食べられる食べ物です。ただ、アメリカと日本のステーキの食べ方は、文化や食の価値観の違いが表れていて、比べるととても興味深いのがポイントです。今回は、アメリカでのステーキの食べられ方やこだわりポイントなど、面白いステーキの世界に触れていきます。

アメリカと日本ではステーキの食べられ方が違う?

肉の焼き加減を英語で学ぼう

アメリカと日本は、ステーキの食べられ方が異なります。量や焼き加減、ソースまで様々な違いがあるので、まずその違いを理解してみましょう。

肉のサイズとボリューム感

アメリカのステーキはとにかく大きいです。また、厚みもあるものの、脂少なめなのが基本です。
量としては300g〜500gが普通のサイズで、1ポンド(約450g)以上のものを食べる方ももザラにいます。とにかく、「がっつり肉を食う」ことにこだわりがある方がアメリカには多いです。

一方で、日本のステーキはアメリカの者に比べて比較的小ぶりです。量としては150g〜250gくらいが一般的です。日本ジんは、比較的お肉の質を大事にして、味わって食べる傾向が強いと言えるでしょう。

焼き加減の好み

ステーキの焼きがゲンにも、それぞれの国の特徴があります。アメリカでは、「ミディアムレア」が人気の焼き加減です。肉のジューシーさを楽しむために、比較的赤みを残す方が多いです。焼き加減を細かく選ぶ文化が根付いていて、レストランで注文時に言わないと「聞かれる」のが普通。

一方で日本では、どちらかというと「よく焼いた」ステーキが好まれる傾向です。焼き加減の種類は知らない人もまだ多いです。

ステーキソース・味付け

アメリカと日本では、味付けの仕方にも違いがあります。アメリカでは、基本は「塩・こしょう」で焼いて、何もかけずに肉そのものを味わうのが王道だとされています。
ソースを使う場合もありますが、バターやガーリック、グレービーなどシンプルなものが多いです。

日本では、ステーキソース(玉ねぎベース・甘辛醤油系など)をたっぷりかける人が多い。
ソースの味で食べる文化とも言えるでしょう。

カットの仕方・食べ方

アメリカでは、ナイフとフォークで自分で切って食べるのが当たり前です。「切って出す」という発想がそもそもあまりありません。日本では、レストランではすでにカットされて提供される店も多いです。箸で食べられるようにしているお店もあります(特に和風ステーキ)。

ユニークな点・面白い文化

アメリカならではの面白さとしては、肉の部位がユニークで「Tボーン」や「トマホーク」など、骨付き巨大ステーキが人気です。これらはあまり日本で見ることがありません。また、BBQ文化と強く結びついていて、家庭でも週末だけでなく平日から自宅の庭のコンロなどで焼く方も多いです。

ステーキレストランの格差も大きく、$10の庶民店から$300の高級店まで様々な形態のお店があります。

また、肉の熟成(エイジング)文化が盛んです。ドライエイジドステーキが人気で、お肉の質にこだわる方は専門店で購入することが多いです。

日本ならではの面白さとしては、和牛のサシ(霜降り)を芸術的に評価することがあります。ステーキといえば、高級料理という印象が根強いく、いまだにその脂肪やお肉の見た目の美しさにもこだわる方が多いです。また、「鉄板焼き」スタイル(目の前で焼いてもらう)が近年観光客にも人気です。

州ごとのステーキの特徴

アメリカでは、週ごとにもステーキの作り方に特徴があります。例えば、テキサス州はグリルやスモークが中心で、厚切りのリブアイやストリップを強火で焼き、外にしっかりとした焼き目をつけて内側はジューシーに仕上げます。また、バーベキュー文化が非常に盛んで、ウッドチップ(ペカン、メスキート等)を使ったスモークも行われます。熟成肉やスモークされたブリスケットも人気です

カリフォルニア州では、「tri‑tip(トライティップ)」という三角形の赤身肉を、オークの炭火で焼くスタイルが定番です。シンプルな塩胡椒でグリルし、Santa Maria バーベキューとして知られます。

参考:FOOD&WINE

肉の焼き加減を英語で学ぼう

肉の焼き加減を英語で学ぼう

英語でステーキの焼き加減を知っておくと、海外のレストランでも自信を持って注文できます。

農林水産省の説明によると、焼き加減ごとに内部温度と焼き時間の目安が明確に示されています 。

  • Rare(レア)
    内部温度:55〜65℃
    焼き方:片面を強火30秒、弱火にして1分、返して同様。中心は生でジューシー。

  • Medium Rare(ミディアムレア)
    内部温度:約65℃
    焼き方:片面強火30秒+弱火1分30秒、返して同じ。中心は赤く肉汁がじんわり。

  • Medium(ミディアム)
    内部温度:65〜70℃
    焼き方:強火30秒→弱火2分、返して同じ。中心はピンク、肉汁少なめ。

  • Well Done(ウェルダン)
    内部温度:70〜80℃
    焼き方:強火30秒→弱火2分30秒、返して同じ。肉汁ほぼなし。そこから更に焼くと「ベリーウェルダン」になります。

参考:農林水産省

まず「Rare(レア)」は、表面だけ軽く焼かれていて、中はほとんど生のままの状態です。肉の中心は赤くて冷たく、生っぽさが強い焼き方です。

次に「Medium Rare(ミディアムレア)」は、中心が赤く温かくなっていて、外側はしっかり焼かれています。ジューシーで柔らかく、多くの人が好む焼き加減です。迷ったら、まずはこれを選ぶのが無難です。

「Medium(ミディアム)」は、中心がほんのりピンクで、全体的にしっかり火が通っています。ジューシーさもありながら、赤身が苦手な人にも食べやすい焼き加減です。

「Medium Well(ミディアムウェル)」という焼き加減もあります。これは、中心にわずかにピンクが残っている程度で、かなりしっかり焼かれている状態です。肉の色はほぼ茶色で、歯ごたえもしっかりしてきます。

最後に「Well Done(ウェルダン)」は、完全に中まで火が通った状態です。肉の中は全体的に茶色く、ピンク色は残っていません。日本では比較的好まれる焼き加減ですが、アメリカでは「ちょっともったいない」と思われることもあります。

レストランで注文する時には、たとえば”I’d like a steak, medium rare, please.”(ステーキをミディアムレアでお願いします)というふうに言えば大丈夫です。また、店員さんから”How would you like your steak cooked?”(焼き加減はいかがなさいますか?)と聞かれることがあるので、そのときは焼き加減の単語で答えましょう。

このように、英語で焼き加減を覚えておくと、食事の場がよりスムーズに、そして楽しくなります。以下、レストランでの焼き加減を英語で注文する一例を紹介します。

Aさん
Are you ready to order?
訳)注文はいたしますか?

Bさん
Yes, I’d like the ribeye steak, please.
訳)リブアイステーキをお願いします。

Aさん
How would you like it cooked?
訳)どのように焼きましょうか。

Bさん
Medium rare, please.
訳)ミディアムレアでお願いします。

ステーキはアメリカのソウルフード

いかがでしたか。ステーキは、アメリカと日本ではその焼き方やこだわりが異なり、欧米に旅行に行った際は、がっつりと赤身肉が楽しめるはずです。焼き加減にもこだわる人があるため、レストランで注文する際は自分の好みの焼き方をしっかりと英語で説明できるようにしましょう。