日常会話やビジネスシーンでよく使う「当面の間」という表現、日本語では一時的な状況や当面の方針を伝えるときに便利なフレーズですが、英語ではどのように表現するのでしょうか?今回は、「当面の間」に相当する英語表現をニュアンスの違いとともに、例文を使って解説します。
「当面の間」「当分の間」は”for the time being””indefinitely”

「当分の間」は色々な言い方ができますので、いくつか紹介します。
“for the time being“
“for the time being“は「当面の間」「当分の間」の意味で使うとてもポピュラーな表現です。
for the time being
- for a limited period 限られた期間
- at this time 今回は
Used to say that although one set of conditions exists now, the situation could change.
現在ある条件が存在するものの、状況が変化する可能性があることを示すために使われる。
I heard that group is going on hiatus for the time being.
あのグループ、当面の間活動休止するんだってね。
No way! What am I supposed to do with my life now?
ほんとに?これからどうやって生きてけばいいのー?
「活動休止」を”hiatus“と言い、”go on hiatus“で「活動を休止する」の意味になります。芸能活動や音楽活動を休止するときによく使う表現です。
We will be closed for the time being due to renovations.
We are planning to open next spring.
店舗の改装のため、当分の間お休みします。
来年の春にオープンする予定です。.
For real? What am I supposed to eat for lunch from now on?
ほんとに?これからお昼に何を食べればいいの?
“indefinitely“
「当面の間」「当分の間」の意味で”indefinitely“もよく使われます。「いつまでか分からないけど、とりあえず中断・継続・保留しておく」といった、不確かで終わりが見えない感じを表します。英英辞典で確認してみましょう。
indefinitely
for a period of time with no fixed end
for an unlimited or unknown amount of time
一定期間、終了時期が定められていない場合
無制限または未知の期間
She will be on leave indefinitely starting next month.
彼女は来月から当分の間、休暇を取ります。
Do you mean she’s going to quit the job?
辞めちゃうってことですか?
That’s not what I meant.
It simply means that her return date is not decided yet.
そういう意味ではありません。ただ、いつ復帰するかは未定ということです。
“for a while”と”for the time being”の違い
ここで、”for a while“と”for the time being“の違いを確認しましょう。
“for a while“は「しばらくの間」「短期間」の意味で、具体的な期間は曖昧だが、「短めの期間」や「一定の時間」といったイメージです。過去について言うときにも使えます。
I was busy for a while, but now I’m free from overtime.
しばらく忙しかったけど、今は残業から解放されたよ。
一方、”for the time being“は「当面の間」「今のところ」「さしあたり」の意味で、将来的には変わるかもしれないが、今現在はその状態が続いている、というイメージです。“for the time being“は、現在の状況を説明したり、これからの予測や見通しを伝えるときに使います。
Let’s use this system for the time being until we find a better one.
もっといいものが見つかるまで、当面はこのシステムを使いましょう。
I agree.
そうですね。
「とりあえず」のカジュアルな言い方は”for now””for a bit”
「とりあえず」の意味のスラングやカジュアルな言い方を見てみましょう。
for now
“for now”はビジネスでも日常会話でもとてもよく使う表現です。一時的な決断や状況を表します。まだ確定していない、状況が暫定的であることを柔らかく伝えることができます。
Let’s just get drinks for now and decide on food later.
とりあえず飲み物だけ頼んで、あとから食べ物を決めよう。
All right.
そうしよう。
for a bit
“for a bit”は、「とりあえず」のカジュアルでやわらかい表現で、日常会話でよく使います。文字通り、「ちょっとの間」といった短い時間のイメージで、軽いニュアンスになります。
You just moved recently, right?
How do you like your new apartment?
最近引越ししたんだよね?
新しいアパートはどう?
I’m happy with things as they are for a bit.
Unlike before, at least my neighbor isn’t a band guy who practices late at night.
とりあえず満足してるよ。
前と違って、少なくともお隣さんは夜中に練習するバンドマンじゃないからね。
“unlike before“は「前とは違って」、”at least“は「少なくとも」の意味です。全体で「前の部屋よりはマシだ」というニュアンスになります。
ビジネスシーンで使う「当面の間」は”until further notice”
ビジネスシーンで「当面の間」「当座は」と言うときは、”until further notice“の表現がしっくりきます。例文で使い方を確認してみましょう。
“until further notice“は直訳すると「さらなる通知まで」ですが、「次のお知らせがあるまで」つまり「当面の間」の意味になります。
Please note that the service will be unavailable until further notice.
Due to a possible hacking attempt, we have disabled user logins and temporarily shut down the service.
サービスは当面の間ご利用いただけませんのでご了承ください。
ハッキングされた可能性があるため、ログインを無効にし、サービスを一時停止しています。
“due to a possible hacking attempt“は「ハッキング(不正アクセス)された可能性があるため」の意味です。
“note“は動詞で「留意する」「心に留めておく」「知っておく」の意味があります。”Please note that ~“で「~をご承知おきください」「~のでご了承ください」という意味になり、相手に重要な情報や注意点を伝えるときに使います。
Until further notice, limited express services will be suspended.
All trains will stop at all stations .
当面の間、特急電車は運休します。
すべての電車が各駅停車となります。
“suspend”は「一時的に止める」「中断する」の意味です。「特急電車」は”limited express“、各駅停車は”stop at all stations“「すべての駅に停車する」で表現します。
まとめ
今回は「当面の間」「とりあえず」の表現を解説しました。ポピュラーな表現は”for the time being“”indefinitely“です。ビジネスシーンでは、状況に応じて”until further notice“も使ってみてくださいね。

