英語を学ぶ、英語を使う上で「前置詞」は必ずと言って良いほど出会う品詞です。
そんな前置詞ですが、on, in, at, to, from, for, before, after, between, into, onto, forwardなど、種類が多い上に、動詞や文章の意味によって適切に使い分ける必要があります。
また、英語がうまい人に「前置詞ってどうやって使い分けてる?」と聞いても、「最終的には感覚ですねぇ…」と、頻繁に使うにしてはどのように学んで良いのかも曖昧(あいまい)になりがちです。
さらには、theやa,anなどの、「冠詞」と区別する必要があるなど、混乱しやすい品詞でもあります。
そこでこの記事では、前置詞を「丸暗記」するのではなく、「どのように学べば良いか」「どんな風にイメージできるようになるのか」に焦点を当ててお伝えします。
前置詞とは?
前置詞とは、at, to, for, fromなど、名詞や代名詞の前に置くことで、文章をつなぐ働きを持つ英語の品詞です。
「前置詞」と名前が付くとおり、名詞や代名詞の「前に置く品詞」というわけですね。
日本語でいう「私”が”、昨日”から”、来週”まで”」など、後置詞や助詞の役割を持ちます。
※ 「a, an, the」は前置詞ではなく冠詞なので注意しましょう。
冠詞は「不特定多数を指すか、何かひとつを指すのかを区別する品詞」だと覚えておけば、正しく前置詞と区別できるようになりますよ。
例
”A” cat(不定冠詞、不特定多数を指す)→たくさんいるネコの中で、どれでも良いのでネコを一匹
”The” cat(定冠詞、特定のものを指す)→すでに話に出てきたネコ、他のどれでもない”その”ネコを指す。
前置詞を英語で言うと?
前置詞は英語で「Preposition」と言います。
「Pre」が”前に”を表す接頭辞、Positionが「位置」を表して「前置詞」の意味となります。
略称でPrepと表記されることも多いです。
Prepは英語の辞書や教科書でよく使われる略称です。
前置詞の意味や用法などを調べた時に探してみてください。「どの品詞か」を表すために「Prep」の文字を見つけることが出来ますよ。
前置詞と目的語
前置詞は名詞や代名詞の前に置くことは先述しましたよね。
しかし、名詞や代名詞の前に必ず置かれるとは限りません。
特に目的語を必要とする場合、動詞に注目する必要があります。
- We arrived at the station.
- We reached the station.
この例文はどちらも同じ「私たちはその駅に着いた。」の意味です。
しかし、Arriveの時はatを使い、Reachの時は前置詞を使っていないことがわかります。(Theは前置詞ではなく冠詞です。)
両者の違いは何なのでしょうか?
これは動詞の性質である「自動詞と他動詞」の違いによって生じています。
Atを用いたArriveは自動詞です。
自動詞は「I arrive .(私は到着しました。)」だけで文章が成立します。
「”自”分で文章が成り立つから自動詞」というわけですね。
この自動詞が目的語をとる時、「自分は自動詞だけど、今は目的語を取っていますよ!」のサインとして前置詞がついているイメージです。
対して、Reachを「〜に到着する」の意味で使うときは他動詞としてつかいます。
他動詞は、「目的語ありきで使われる動詞」です。
なので、目的語を取る時に、わざわざ「目的語を取りますよ!」のサインである前置詞は用いないわけです。(用いると、ネイティブスピーカーは強い不自然さを感じます。)
- 目的語を取る時の前置詞には注意が必要
- 目的語を取る際は、動詞の種類に注目
- 自動詞は前置詞有り、他動詞は前置詞なし
↑の3点を覚えておけばOKです。
自動詞と他動詞についての詳細な解説はこちら↓
「自動詞と他動詞の違いとは?どうして見分ける必要があるの?わかりやすい例題と一緒に解説!」
前置詞の覚え方
ところであなたは、前置詞の意味と使い方を集中して覚えたことはあるでしょうか?
多くの人は、inやonなどの意味や使い方だけを集中して覚えないでしょう。
なぜなら、英単語のように意味を覚えるよりも、英単語と前置詞の使い方と一緒にイメージで覚えた方が効果的だからです。
なのでここでは、効果的な前置詞の覚え方についてお伝えします。
英単語と一緒に覚える
英単語帳を開いてみてください。
英単語帳は英単語の意味だけでなく、相性の良い前置詞や実際の使い方、例文などとも一緒に載せてあります。
例えば、Refrain(控える)の英単語には、「Refrain (from)」のように相性の良い前置詞も一緒に載っています。
英単語帳を使って英単語を覚える際に、一緒に相性の良い前置詞も覚えてしまうと効率的です。
英文法と一緒に覚える
英文法では、英文の構造やルールを学びます。
その際に、前置詞のおおまかなイメージや「この意味の英文では、この前置詞を使う」などの知識も出てきます。
英文法を学んで英語のルールを覚える際に、前置詞のイメージも一緒に掴んでおくことが可能です。
英文読解や英作文で知識を統合する
英単語と英文法で前置詞の知識がついたら、英文読解や英作文で知識を統合しましょう。
英文読解と英作文は、英単語力と英文法力を総動員させる作業です。
なので、「ここではtoとforのどっちを使うのかな?」「この意味で使う動詞は自動詞かな?他動詞かな?」など、これまでつけてきた英単語と英文法の知識と一緒に、覚えてきた前置詞もセットで使います。
「英単語と英文法で基礎を整えて、英文読解や英作文で知識を統合する。」というイメージですね。
知識を蓄えるだけでなく、「統合」することで、「丸暗記」を避けて、「感覚的に」前置詞を正しく使うことができるようになります。
前置詞のイメージと使い分け
前置詞にはたくさんの種類があります。
例:on, in, at, to, from, for, before, after, between, into, onto, forward……
「えー!?これだけの単語を、意味だけじゃなくて、動詞との相性も覚えないといけないの!?」
そう思う方も多いでしょう。
しかし、ご安心ください。
これらの前置詞と、相性の良い動詞など全てを丸暗記する必要はありません。
例えば、Look forやSearch forなど、「探すときはFor」
Look at, Gaze atなど、「見るときはAt」など、自分なりにパターンをつかめればOKです。
最初からパターンを掴もうとするのではなく、英単語や英文法を覚える過程、英文読解や英作文で使う過程で「このイメージだとatかな?toかな?」といった感じで、試行錯誤をしながら身につけていくイメージで覚えていくと効果的です。
まとめ
この記事では、英語の前置詞を覚えるために役立つ以下のことをお伝えしました。
- 前置詞とは、名詞や代名詞の前に置き、文章をつなぐ働きを持った品詞を指す
- 英文が目的語を取る時、動詞の種類で前置詞を使うか使わないか注意をする必要がある
- 前置詞は、英単語帳、英文法書、英文読解や英作文でイメージを掴むと効果的に覚えられる
- 「探す時はFor、見る時はat」など、自分なりのイメージを掴むとGood
ここまでお読みいただいたあなたは、もう丸暗記に頼らず前置詞をイメージで掴む勉強法に取り組むことができます。
この記事でお伝えした内容が、あなたのお役に立てたら幸いです。