「スラングを使った英会話ができたらかっこいい」と思う日本人は多いです。

日本で学ぶ英語の教科書には載っていない、生の活きた英語だと感じるからでしょう。

確かに、英語を話しているはずなのに教科書英語や試験英語では耳にしない言葉を使っていると「本物感」が出て「やるな!」とか「かっこいい!」と思われます。

その反面、使い所を理解した上で適切に使い分けないと、思わぬトラブルや望まぬ誤解を生んでしまうもろ刃の剣でもあります。

この記事では、そんな「使えたらかっこいい反面、適切に使えないと痛い目を見る」英語のスラングについて、かっこよく使えるようになる知識と表現をお伝えします。

使えたらかっこいい英語のスラングまとめ

使えたらかっこいい英語のスラングまとめ

英会話でとっさに使えたらかっこいい英語のスラングをまとめてみました。

挨拶で使えたらかっこいい英語のスラング

まずは挨拶で使える英語のスラングです。

What’s up?

What’s up?は「調子はどう?」の意味で、教科書で一番最初に習う “How are you?” と同じ使い方をされるスラング表現です。

What’s up?は元々、「(主に具合が悪そうな人、何かおかしい物事を見て)どうしたの?」という意味で使われる表現なのですが、転じて “How are you?” をカジュアルな(砕けた感じで)表現するスラングになっています。

「どうしたの?」以外にも、単に挨拶として「やぁ」という意味で使われることも多いです。

Aさん
Hey, what’s up?

やぁ、最近どう?

Bさん
Hi, Nothing much.

やぁ、特段何もないよ。

I’m off

I’m offは「それじゃあもう行くよ」や「それじゃあね」といった意味で、自分がその場から立ち去るときに使えるスラング表現です。

家族など、同居している人に「行ってくるね〜」と言うときにも使えます。

例文↓

Aさん
I’m off.

行ってくるね

Bさん
Don’t be late coming back.

帰り遅くならないようにね

Aさん
I won’t.

遅くならないよ

また、”I’m off to ~”の形で「〜しに行くよ」の意味にもなります。

 

Aさん
Where are you off to?

どこに行くの?

Bさん
Just around.

ちょっとそこまで

Hit you up

別れの際に “Hit you up”という表現を使うこともあります。

Hit you upは「また連絡するよ」という意味で使われるスラング表現です。

日本でも別れ際に「じゃあね、また連絡するよ」と言うことがありますよね。

このように、頻繁にやり取りする仲の相手に使えるかっこいいスラング表現だと言えます。

Aさん
Hit me up when you finish work.

じゃあね、また仕事終わったら連絡して。

Aさん
Hit you up on SNS.

じゃあね、またSNSで連絡するね。

chill / chill out

chill / chill out は「くつろぐ、まったりする」という意味になります。テストや仕事の大きなプロジェクトが終わった後、くつろぎたいときに、この表現がよく使われます。例文を見てみましょう。

Aさん
We’re done with the big project, so let’s just chill out tonight.

大きなプロジェクトが終わったので、今夜はくつろごう。

Bさん
Yeah. Let’s chill at our favorite bar.

うん。お気に入りのバーでくつろごう。

hang out (with)

hang out は「一緒にブラブラする、つるむ」という意味でよく使われます。使い方を見てみましょう。

Aさん
Who are you hanging out with these days?
あなたは最近誰と一緒にブラブラしてるの?
Bさん
I’m hanging out with my friend Tom these days.
最近は友達のトムとつるんでるよ。

hit the books

hit the books は、直訳すると「本をたたく、打つ」という意味ですが、それが転じて「真剣に勉強する」という意味のスラングです。

Aさん
The big exam is coming up soon.
大きな試験がもうすぐやって来るね。
Bさん
Yes. It’s time to hit the books.
うん。真剣に勉強すべき時だね。

zone out

zone out は「気が散って、周りで起きていることに注意を払わないこと」を意味します。授業を受けているのに、他のことが気になって内容が頭に入ってこなかったり、テレビや映画を観ているけれど、気が散って内容が入ってこなかったりした経験はないですか。

そういった場合に、zone out はよく使われます。英語の教科書などではあまり見かけない表現ですが、英会話では日常的によく使われる表現なので、覚えておくと、活かせる時があるでしょう。

Aさん
I zoned out during the screening of that movie, and missed how it ended.
あの映画の上映中に気が散って、どうやって終わったかを見逃しました。

zone out = be distracted と覚えておくといいです。

テンション上がる時に使える英語のスラング表現

続いて会話の中でテンションが上がる時に使えるスラング表現をお伝えします。

awesome

awesomeは「素晴らしい」や「すごく良いね」を表すスラング表現で、”fantastic” や “wonderful” を少しカジュアルな(砕けた)感じで使える表現です。

スラング表現の中でも口語(話し言葉)ではよく使われ、例えば洋服屋の店員さんもお客さんに対して使うくらいには普段遣いできる表現だと言えます。

Aさん
Your performance was awesome.
あなたの演技、すごかった!
Aさん
This band is extremely awesome.
このバンド、めちゃくちゃかっこいいのよ。

cheers

cheersは「ありがとう」とお礼を言う時に使えるスラング表現です。

元々は、日本語で言う「かんぱーい!」の意味で使われていましたが、現在ではスラング表現で「ありがとう」と軽くお礼を言う時に使われます。

例文↓

Aさん
Here’s your change.

こちらお客様のお釣りです。

Bさん
Cheers.

ありがとう

sick

sickはスラング表現になると「最高」「かっこいい」といった意味で使われます。

元々の意味が「病気」ですから、そのネガティブなイメージとは対象的な意味ですよね。

これは日本語で言う「ヤバい」のように、元々はネガティブなイメージの言葉が、転じて逆にポジティブな意味で使われる現象に似ていますね。

Aさん
Your car is sick!
あなたの車、超カッコいいね!
Aさん
This is sick!
これヤバいね!(ポジティブな意味で)

salty

saltyは、スラング表現では「怒っている」という意味になります。例文を見ておきましょう。

Aさん
My friend got very salty after I didn’t text back right away.
私の友達は、テキストメールをすぐに返さなかった後、すごく怒りました。
Bさん
You are sometimes so busy that you can’t text back right away.
君は時々すごく忙しいから、テキストメールにすぐに返信できないよね。

legit

legit は「良いもの、価値のあるもの」という意味になります。これは、legitimate の略で「正統派の、本物の」という意味になります。

Aさん
That 60% off sale at the shopping street is really legit.
その商店街の60%オフのセールは、本当に価値があります。

英語の略語もスラングでは定番

英語の略語もスラングでは定番

英語の略語もスラングでは定番です。

日本語でも「意味不明」のことを「イミフ」、検索エンジンで調べることを「ググる(検索エンジンのGoogleから)」と言ったりしますよね。

同じように、英語でもカジュアルな場面では略語を使ってスラングになる場合も多いです。

スラングで使われる英語の略語一覧

スラングで使われる英語の略語を以下のように一覧にしてみました。

Sup?

Sup?はWhat’s up?の略語表現です。

日本語で言う「というか」を「てか」や「つーか」と言うようなイメージですね。

What’s up?よりも、よりカジュアルな(砕けた)使われ方がされます。

Aさん
Hey, sup!

やぁ

Bさん
Hi, sup!

やぁ

Wassup?

Wassup?もSup?と同じでWhat’s up?の略語です。

先述した「てか」と「つーか」みたいな関係ですね。

Aさん
Hey, wassup!

やぁ

Bさん
Hi, wassup!
やぁ

Fab

Fabは “Fabulous” の略語表現です。

Fabulousが「素晴らしい」や「とても素敵な」を意味する英単語で、Fabも同じ意味で使われます。(短縮されただけで、別の意味になってはいません。)

Aさん
Your smile is fab.
あなたの笑顔はとっても素敵

余談ですが、有名なイギリスのバンドであるBeatlesを、「素敵な4人組」という意味で”Fab4″という愛称で呼ぶ人もいます。

Epic

Epic は、”Especially awesome, big, strong, incredible”の略です。厳密に言えば、Especially が Epicと略されています。

「特別すばらしい、大きい、強い、すごい」という意味で、Epic を使っています。

Aさん
Did you watch Kingdom 4: Return of the Great General?
キングダム 4 大将軍の帰還は観た?
Bさん
Yes, I did. It was so epic.
観たよ。特別すばらしかった。

Roomie

Roomie は roommate の略です。日本では大学生などが部屋をルームシェアしているというケースは少ないですが、アメリカの大学生はよくルームシェアをしています。

ルームシェアをしている学生同士が仲良しかというとそうでもなくて、都市部では家賃がとても高いので、家賃を折半するという目的でルームシェアをしています。

大学近くのスーパーマーケットなどに、ルームメート募集のチラシが貼ってあり、そのチラシを見て連絡する学生もいます。ルームメートを見つけるのは、家賃を折半するという目的のためだけなので、ルームメート同士はとてもドライな関係です。

Aさん
I saw your flyer at the supermarket that said roommates wanted.
私はスーパーマーケットで、ルームメート募集と言うあなたのチラシを見ました。
Bさん
Good. Thank you for calling me.
いいですね。お電話ありがとうございます。

英語3文字の略語でおしゃれなスラングも

英語3文字の略語でおしゃれなスラングも

英語では言葉を略すだけでなく、頭文字をとって3文字だけで英語フレーズを表すこともあります。

主にEmailやメッセージアプリで使われることが多く、一部は「ネットスラング(インターネットで主に使われるスラング)」から広まったものもあります。

この項では特に有名な英語の頭文字3文字のスラングをお伝えします。

BFF

BFFは “Best Friend Forever” の頭文字を取った略語のスラングで、「永遠の友達」を意味します。

ここ数年でインスタグラムのハッシュタグでも見かけるくらい浸透しましたから、見たことがある人も多いでしょう。

日本語でも「ズッ友(ずっと友達)」というスラングがありますから、その感覚で使ってOKです。

LOL

LOLは “Laugh Out Loud”の略語で、意味は「爆笑」といった感じです。

日本語で言う「笑」や “ww” に近い感覚ですね。

こちらも主にSNSやメッセージアプリなどで使われることが多い略語です。

IDK

IDKは「I Don’t Know」の頭文字を取った略語です。

I don’t knowはご存知の通り「知りません」や「知らなーい」といったニュアンスです。

よく使うフレーズだからこそ、頭文字3文字だけで入力できる略語が、メッセージアプリなどで好んで使われるわけですね。

まとめ

この記事では、教科書英語や試験英語ではあまり見かけない英語のスラング表現をお伝えしました。

スラング表現は時と場合、相手を判断して使う必要がありますが、その分使いこなせれば他の英語学習者よりも小じゃれた英語を使うことができます。スラングは、基本的に友達や親しい間柄の人同士の間で使うものなので、公式の場や先生や上司に対して使うのはよくないです。

ここまでお読みのあなたなら、代表的な英語のスラングを使うのに十分な知識を得たことでしょう。機会があれば、TPOを判断した上で使ってみてください。

この記事でお伝えしたことが、あなたの英語表現をより豊かにできれば幸いです。