「ブレスト」という言葉を聞いたことはありますか?
「ブレインストーミング」の略語で、おもにビジネスシーンで使われている言葉です。
複数人で集まって、アイディアを出し合う会議の手法のことを「ブレインストーミング」と言います。
一つのテーマについて自由に意見を出して、新たな発想を生み出すのが目的とされています。
「ブレインストーミング」は、英語”brainstorming”をそのままカタカナ表記した言葉です。
そもそも「ブレスト」の元になっている”brainstorming”には、どのような意味があるのでしょうか。
今回は、ビジネスで多用されるカタカナ略語「ブレスト」について、英語”brainstorming”の意味と使い方、類語を紹介していきます。
「ブレスト」の意味
「ブレスト」とは、「ブレインストーミング」の略語で、新しいアイディアや解決策を生み出すことを目的として行われる会議の手法を表します。
同じような意味の表現には、「グループディスカッション」や「ミーティング」「ワークショップ」などがあり、ブレストの参加者は、自由な発想で多くの意見を出し合い、より良いアイディア、または問題の改善策などを引き出します。
「ブレスト」の活用の幅はとても広く、特にビジネスシーンにおいては、新規プロジェクトの立ち上げやイベントの企画、トラブルシューティングなど、さまざまな会議で実施されています。
「ブレスト」には以下のような使い方があります。
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ビジネスシーンで多用されている「ブレスト」ですが、業界や職場環境によっては、あまりなじみがないという方もいるでしょう。
「ブレストって何?」と聞かれたときは、「自由な発想による意見交換の場」と説明するとわかりやすいですよ。
「ブレスト」を上手に進めるポイント
自由な意見交換を意味する「ブレスト」ですが、やり方を間違うと、だらだらと関係ない話をしただけで終わってしまい、時間のムダになってしまいます。
「ブレスト」を上手に進めるために大切なポイントを紹介します。
進行と書記の担当を決める
「ブレスト」を円滑に行うには、進行役と書記役をあらかじめ決めておくことが重要です。
二役は、意見を出しやすい状況を作れるよう、スムーズに話し合いを進めていく必要があります。
どちらかというと意見を出すよりも裏方的な役回りなので、出てきたアイディアを組み合わせて会議全体をコントロールしていくようにしましょう。
課題やテーマは明確にする
「ブレスト」で話し合う課題やテーマは明確にし、事前に参加者全員に周知しておくことが大切です。
参加者一人ひとりが意見やアイディアを準備しておくことで、方向性の不一致や見当違いな意見を除けるので、「ブレスト」が効率的に進み有意義な時間になるでしょう。
批判や否定を避け自由な発想を受け入れる
「ブレスト」の目的は、短時間でより多くのアイディアを引き出すことです。
出てきたアイディアを批判したり否定したりしてしまうと、参加者の意欲やモチベーションが下がり意見が出なくなってしまいます。
まずは全ての意見を肯定し、いったん受け入れることで、より多くの意見が出しやすくなるでしょう。
質より量を重視する
「ブレスト」は、たくさんアイディアを出すのが目的なので、新たなアイディアが出なくなるまで続けるのが基本です。
まずは挙げられるだけのアイディアを全て出し切ってから、ようやく内容を吟味していく段階へ移ります。
結論は急がず、テーマや課題に沿って良いと思う意見を出し合うことが重要です。
もし時間や期限にゆとりがある場合は、アイディアを出した翌日に、スッキリした頭で結論を出すというのも効果的です。
”brainstorming”の意味
「ブレスト」の元になっている”brainstorming”は、集団や特定のグループで、自由な思考や発想からアイディアを出し合うミーティング方法です。
アメリカの実業家アレックス・オズボーン※が提唱した手法として知られており、問題解決や商品企画などの会議で広く使われています。
※Alex. F. Osborn(アレックス・ファイクニー・オズボーン)
アメリカの広告会社の重役で、ブレインストーミングを考案したことで知られる実業家
「ブレインストーミングの父」とも呼ばれている
著書:創造力を生かす(1969年)
”brainstorming”は、辞書で以下のように定義されています。
an activity or business method in which people meet in a group to suggest a lot of new ideas to choose from for possible development
人々がグループで集まり、開発の可能性について多くの新しいアイデアを提案する活動またはビジネス手法
”brainstorming”の発音記号は、 /ˈbreɪnˌstɔː.mɪŋ/ で「ブレィンストゥミン」のように読みます。
なお、カタカナ略語の「ブレスト」は、”brainstorming”を略した日本ならではの省略表現なので、日本語の会話でしか通用しません。
英会話では、カタカナや略語に惑わされず、正しい発音で話せるようになっておきましょう。
”brainstorming”を使った例文
”brainstorming”を使った例文を紹介します。
エッセイを書く前に、ブレインストーミングを試してみてください。
ブレインストーミング中に、たくさんの名案が生み出されました。
グループに分かれて教育に関するブレインストーミングセッションを行いました。
彼らは2時間もブレインストーミングを続けているが、有益な方法は思いつかないようです。
ブレインストーミングにおいて、他者の発言に反対意見を述べてはいけません。
”brainstorming”の類語
「ブレスト」は、「フリーディスカッション」や「自由討論」といった日本語でも表現されます。
英語”brainstorming”も同様に、”idea”や”plan”などの英語に言い換えが可能です。
”brainstorming”と似たような意味を持つ類語を紹介します。
idea
”idea”は、「着想」や「ひらめき」を表す英語です。
日本語の「アイディア」よりもっと幅広く「概念」や「考え方」のような意味もあります。
あなたのアイディアを他のチームと共有するのはいかがでしょうか?
plan
”plan”は、「計画」や「計画する」を意味する英語です。
具体的な計画や戦略、スケジュールなどを立てる際に使われます。
彼女にとっての最善の答えは、子どもたちを自宅で教育することでした。
thought
”thought”は、「考える」の過去形および過去分詞形です。
名詞としては、「考え」や「考え方」という意味で使われます。
いろいろ考えた結果、仕事を辞めて旅に出ることにしました。
suggestion
”suggestion”は、「提案」や「示唆」を意味する英語です。
具体的な意見や考えを他人へ提示する際に使われます。
当ウェブサイトをより良くするための改善案はありますか?
brainwave
”brainwave”は、直訳すると「脳波」ですが、一般的には「ひらめき」や「アイディア」を表すことが多い単語です。
突然頭に浮かんだひらめきや思いつきなどを指しており、直感的な洞察や創造的な思考を意味しています。
良いアイディアにも、悪いアイディアにも使われるため、文脈によってどちらの意味になるのか判断する必要があります。
どうしたらいいのかわからなくて、でもあるときひらめいたのです。
まとめ
ビジネスで多用されるカタカナ略語「ブレスト」について、英語”brainstorming”の意味と使い方、類語を紹介しました。
「ブレスト」は、「ブレインストーミング」を略したカタカナ言葉で、英語の”brainstorming”に由来しています。
”brainstorming”は、実業家アレックス・オズボーンが提唱したミーティング手法で、自由な発想でたくさんアイディアを出し合うのが目的です。
ビジネスシーンでは耳にすることも多い「ブレスト」。
言葉自体を知らなかったり、やり方がわからなかったりするような場合は、”brainstorming”本来の意味に立ち返り、効率的かつ合理的な話し合いを進められると良いですね。
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