「〜もまた」という意味の熟語として、授業や受験勉強で一度は目にしたことがある”as well as”。
海外ドラマや映画はもちろん、最近ではYouTubeやTikTokなどのインターネット動画でもはよく登場するので、比較的馴染みのある英語といえますね。
とはいえ、用法によっていろいろな意味を持っており、”also”や”either”など似たような意味の英語もたくさんあります。
“as well as”の意味を改めて聞かれたら、「どんな意味だっけ?」「どうやって使うの?」と困ってしまう人も少なくないのではないでしょうか。
そこで今回は、日常会話やビジネス、フォーマルシーンで多用される“as well as”の意味と使い方をはじめ、“also”や“either”との違いや使い分けについて解説していきます。
“as well as”の意味は3つある
“as well as”は、「〜もまた」や「〜も同様に」といったように、ある事柄に加えて別の事柄も含むことを表した英語です。
“and”と同じような意味で使われることが多いですが、”A as well as B”の「BだけでなくAもも」という比較して強調するようなニュアンスも持っています。
“as well as”には大きく分けて3つの意味があります。
- 「~だけでなく…も」「~に加えて…も」
- 「~と同様に」「~はもちろんのこと」
- 「~と同じくらい上手」「~と同じくらい良い」
出典:Weblio英和辞書
英英辞典には、“in addition”と“and also”と同義であると定義されています。
in addition; and also
それに加えて、また
3つの意味のうち、1.と2.は何かを追加的に説明して内容を補う役割を持っているのに対し、3.は2つのもの(人)を比較して表現するときに使われます。
“as well as”がどの意味を表しているかは、センテンス全体を読んで文脈から判断しなければなりません。
また、異なる単語の音同士がつながって発音されるリンキングが起きると、”as well as”がはっきり聞こえない場合もあります。
パッと見て聞いて、すぐに意味を特定するのは難しいですが、”as well as”を含んだ文の前後の流れから正しく解釈できるようにしていきましょう。
「~だけでなく…も」「~に加えて…も」
“as well as”の意味で最も代表的なのが、「〜だけでなく…も」「〜に加えて…も」です。
基本形は< A as well as B >または< As well as B, A 〜 >で、AとBにはそれぞれ同等の名詞や名詞句、動名詞などが入ります。
(形容詞や副詞、動詞のほかにも、さまざまな句や節、文などが入る場合もあります。)
“and”にも言い換えられますが、2つのうちどちらか一方をより強調したいときは、”as well as”が使われることが多いでしょう。
“A as well as B”は、Bを引き合いに出してAを強調する「BだけでなくAも」と訳すのが一般的です。
日本語では強調したいことを最後に言う傾向がありますが、英語は逆で、強調したいことは最初に述べると覚えておいてくださいね。
【例文】
Alison speaks Chinese as well as French.
訳)アリソンは、フランス語だけでなく中国語も話せます。
I have visited New Zealand as well as Australia.
訳)わたしはオーストラリアだけでなくニュージーランドも訪れたことがあります。
This science museum is open on weekends as well as weekdays.
訳)この科学博物館は、平日だけでなく週末も開いています。
「~はもちろん、同様に」「~に加えて」
“as well as”には、「〜はもちろん、同様に」や「〜に加えて」といった意味もあります。
1つ目の「〜だけでなく…も」とかなり意味が似ているので、迷ったときは前後の文脈から判断しましょう。
【例文】
William is talented in music as well as sports.
訳)ウィリアムは、スポーツはもちろん、音楽の才能もあります。
The movie contained humor as well as drama.
訳)その映画には、ドラマはもちろんユーモアもありました。
My mother loves white wine as well as red wine.
訳)母は、赤ワインと同じくらい白ワインも好きです。
「~と同じくらい上手」「~と同じくらい良い」
最後に紹介するのは、原級比較の”as well as”です。
程度が同じくらいの2つを比べるときに使われる原級比較は、< as + 形容詞 / 副詞 + as >を基本形として「同じくらい〜だ」という意味を表します。
「上手」の意味の形容詞”well”を当てはめ、”as well as”で「〜と同じくらい上手」という意味になります。
【例文】
Michelle cooks as well as Lindsay.
訳)ミシェルは、リンジーと同じくらい料理が上手です。
Samantha plays the violin as well as a professional musician.
訳)サマンサは、プロと同じくらい上手にヴァイオリンを弾きます。
You can do it just as well as your father.
訳)あなたも、お父さんと同じように上手くできますよ。
“also”の意味は「~もまた」「さらに」
“as well as”と似ている英語で、”also”を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
基本形は、< also + 一般動詞 >あるいは< be動詞 + also>となり、「~もまた」という意味を表します。
“also”が文末に置かれることはほとんどありません。
英英辞典でも“in addition”と定義されており、追加や補足を付け足すときに使われる単語であることがわかります。
in addition
さらに加えて
【例文】
My parents were also returning late yesterday.
訳)両親は、昨日も帰りが遅かったです。
The train is more expensive, but also faster than the bus.
訳)電車は割高ですが、バスよりも速いです。
His main job is a teacher, but he is also known as a novelist.
訳)彼の本業は教師ですが、小説家としても知られています。
“either”の意味は「…もまた~ない」
“as well as”と”also”は、肯定文や疑問文で用いられることが多いですが、「〜ほど…ない」「〜だけでなく…も」といったような内容の一部を否定するときにも使われます。
“as well as”や”also”のほかに、否定の英語表現として”either”を見たことはありませんか。
“either”は、相手が述べた否定文に対して「自分も同じだ」と同調するときに、文末に置いて「…もまた〜ない」を表現します。
英英辞典にも“negative sentences”とあるように、否定文において”also”や”too”の代わりに使う単語であることがわかります。
used in negative sentences instead of “also” or “too”
否定文で “also”や”too”の代わりに使用する
【例文】
Susan hasn’t finished her homework either.
訳)スーザンも、まだ宿題が終わっていません。
I’m tired and can’t walk anymore either.
訳)わたしも疲れて、これ以上は歩けません。
George is not coming to today’s party either.
訳)今日のパーティーには、ジョージも来ないそうです。
“either”には、ほかにも、選択肢を挙げて「どちらでも」という意味があるので、合わせて覚えておくとよいでしょう。
You can choose either seat.
訳)どちらの席を選んでも構いませんよ。
“either”をさらに詳しく解説した以下の記事もおすすめです。
まとめ
“as well as”の意味と使い方をはじめ、”also”や”either”との違いや使い分けについて解説しました。
日常会話やビジネス、フォーマルシーンで多用される”as well as”は、実際の会話では使ったことがないという人も少なくないでしょう。
ただがむしゃらに意味を丸暗記していても、英語の実践力はなかなか身に付きません。
伝わる英語をスラスラ話せるようになるには、地道な練習が必要です。
“and”の代わりとしてよく使われる”as well as”のような表現は、普段の会話に積極的に取り入れることをおすすめします。
どんどん使って話して、英語力を伸ばしていきましょう!
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