“Please do not disturb”
海外で宿泊するホテルで、ドアノブにかけるこんなカードがあります。これは、どのような意味なのでしょうか?
このサインの意味をサクッと分かる方であれば、本記事の大部分を理解されていることになります。
記事では、覚えると便利な英語disturbについて、意味や使い方を解説します。ネイティブがよく使うフレーズも紹介しましょう。
disturbの意味
disturbのカタカナ語の読み方はディスターブのようにします。まずは、日常生活においてどのように使われるのか、disturbの持つ意味について紹介します。
動詞disturbの意味
disturbは動詞です。もともと「静けさや秩序を乱して混乱させる」というニュアンスで使われていました。
【動詞disturbの意味】
邪魔する・妨害する・起こす・目覚めさせる・揺さぶる・困らせる・不安にさせる
平和や静けさを乱し、睡眠・リラックス・プライバシーを妨害するようなとき、または物理的に揺さぶるというに使用するのが単語disturbです。邪魔をすることで、その相手が困ってしまうようなときの英語としてdisturbを覚えましょう。
disturbを使えば、以下のように様々な表現にすることができます。
disturb the silence 静寂を破る
disturb my concentration 集中力を妨げる
disturb the building 建物を破壊する
don’t disturbの意味
ここで紹介するのはdon’t disturbというフレーズです。don’tで否定していますが、どのような意味かイメージできますか?
don’t disturb
don’t disturbは、邪魔をされたくないことを示すときの表現です。「邪魔しないで」「邪魔しないでください」「邪魔するなよ」など、その状況によってニュアンスが変わります。
また、don’t disturb meとすることによって「私の邪魔しないで」に、don’t disturb herで「彼女の邪魔しないようにね」になります。
例えば、記事執筆中の筆者にイギリス人夫が今日あったことなど何かと話しかけてくるとします。すると、筆者は執筆への集中力が欠けてしまいます。そんなとき、以下のような会話をすることになります。
訳)ちょっと邪魔しないで。執筆してる最中なのよ。
訳)あ、オッケー、ごめん。
訳)後でまた教えて。
このような会話はともすれば筆者がイギリス人夫に対して失礼になります。が、あくまでも一例として捉えてください(笑)いずれにしても、don’t disturbは何か大切なことをしている最中に、それを遮る相手に使う表現ということを押さえましょう。
ホテルでみる“Please do not disturb”
ここで冒頭に戻って、ホテルのドアにかけるカード“Please do not disturb”の意味を解説しましょう。このカードは部屋外側のドアノブにかけ、朝ゆっくり寝たい、もっと部屋で過ごしたいというときに、スタッフに掃除、部屋の整えに入室して欲しくないことを伝える客側のメッセージが書かれたものです。
“Please do not disturb”または”Do not disturb”のように書かれているのは「起こさないでください」になります。というのも、disturbには「起こす・目覚めさせる」という意味があるからですね。
ちなみに、このカードの裏側には”Please make up room”(部屋の掃除をお願いします)などと書かれています。
また、ビデオコールが行なわれている部屋に”Video Call in Progress. Do not disturb. Thank you”、会議中の部屋に”Meeting in Progress. Do not disturb. Thank you”というカードが掲げられていることがあります。どちらも途中で入室しないでください(妨害しないで・邪魔しないで)というニュアンスを述べています。
「邪魔する」の英語2選
ここで紹介するのは「邪魔する」と言いたい場合の英語、disturbとinterruptという2選です。
disturb
では、disturbをどのように使うのか例文で具体的にみていきます。disturbの動詞活用は、disturb-disturbed-disturbedです。
訳)そんなたくさん質問するの止めて、私の英語鑑賞の時間を邪魔しているよ~
ここまで、disturbについてみてきましたので、この例文は進行形you’re disturbingで「邪魔している」というのも理解できますね。
interrupt
interrupt(インターラプト)にはある行動または会話などを「邪魔する・妨害する」に加え「中断する・遮る」という意味があります。
訳)私が話している間は邪魔をしないでください。
邪魔をしないでということは、口を挟まないで、割り込まないで、という意味ですね。行動または会話などを「邪魔する」ときのinterruptをよく表している例文です。
「邪魔される」の英語
主語が邪魔をするのではなく、誰かから「邪魔される」というときの英語disturbもみておきましょう。
be disturbed
邪魔をされるので、この場合の英文は受け身形で表現することになります。受け身の作り方は「主語+be動詞+過去分詞」ですので、主語+be動詞 disturbedの応用で表現します。
訳)突然の電話で集中力が乱されました。
訳)自分の楽しい時間を過ごしているとき、誰にも邪魔されたくないわ。
disturbedの意味
disturbedはdisturbの過去形・過去分詞ですが、形容詞の意味もあります。
形容詞disturbedで「動揺した」
訳)真夜中に地震が起こり、私は動揺しました。
disturbに「不安にさせる」という意味もありましたね。突然の地震で気持ちが動揺した、不安になった、というときにdisturbedで表現できます。
distract, disrupt, disturb, interfereの違い
ここでは「邪魔をする」という意味を持つ以下の単語についてそれぞれの使い方を紹介します。
distract, disrupt, disturb, interfere
distract, disrupt, disturb, interfereの意味
disturbに似たスペリングの単語が2つ並びました。そしてinterfereと、どれも「邪魔をする」という意味があります。
distractは「注意をそらす」のニュアンスを持ち、例えば、勉強に集中しなければならないときに誰かからメッセージが入ってきて注意がそれるようなときに使います。
disruptには何かが正常に機能しているのに、それが何かによって妨げられる場合の単語です。イギリスの電車はよく遅れますが、強風や大雨で正常に機能しないような場合にdisruptが使用されます。
本記事で紹介しているdisturbは邪魔をすることでその相手が困ってしまうようなときの英語です。
最後にinterfereですが、特に他人の行動または置かれている状況について「干渉する・妨げる」ことで邪魔するという意味があります。おもにネガティブなニュアンスで使用されます。
ネイティブがよく使う”Sorry to disturb you”
最後に、ネイティブが良く使うフレーズSorry to disturb youを紹介します。誰かにこう言われたら、どのような意味かわかりますか?
Sorry to disturb you
Sorry to disturb you(またはI’m sorry to disturb you)は、誰かが会話をしているところに、自分が割って入るようなシーンで使われるフレーズです。どうしても会話中の人に聞かなければならないことがあったりして、その人たちのおしゃべりを邪魔して申し訳ないというニュアンスが含まれます。通常、butを続けて言い、自分が伝えるべきことを話します。
訳)すみませんが、あなたのスカーフが床に落ちていますよ。
訳)すみませんが、もう行かないといけません。
スカーフを落とした人にそれを伝えたい、またおしゃべりに花を咲かせている友達にもう行く時間だと伝える、このような状況にぜひSorry to disturb youの一言でスタートできるように練習しましょう。
まとめ
【動詞disturbの意味】
邪魔する・妨害する・起こす・目覚めさせる・揺さぶる・困らせる・不安にさせる
邪魔をすることでその相手が困ってしまうようなときの英語disturb、またdon’t disturb、Sorry to disturb youも合わせて使えるようにしていきましょう。
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