枕カバー、ブックカバー、乗っていないときのバイクにかけるカバー、カバーはかなり親しみのある言葉ですね。この「カバー」の英語も多くの人が知っている単語になりますが、覆う以外に多くの意味があることを知っていますか?

記事では、英語coverが持つ様々な意味、使い方を例文で解説します。この機会に、知っている単語を最大限に使えるようにしていきましょう。

カバーの英語coverの意味

カバーの英語coverの意味

coverは動詞と名詞として使用されますが、本当に多くの意味を持つ単語です。その語源は「覆う・隠す」の意味を持つラテン語coperireであり、カタカナ語の発音はカヴァのようにしましょう。
以下、動詞と名詞に分け、それぞれを例文とともに紹介します。

動詞coverの意味

まずは、coverが動詞として使用される場合の意味を以下、ざっと挙げます。皆さんが使っている意味はどれですか?

まず、多くの人にとって馴染みのある意味として、何かを保護したり見えなくする「覆う(おおう)」「覆い隠す」「かぶせる」「掛ける」「包む」があります。これらはカタカナで「カバーする」という言い方としても使用されます。

Aさん
The umbrella was too small to cover his whole body.
訳)その傘は小さすぎて、彼の全身を覆うことができませんでした。

次は、言われてみれば「あ、そうだった」と思い出すような「対応する」「引き受ける」という意味のcoverです。何かに対して責任を持ったり、ある仕事を誰かに代わって担当し、一時的に行なうようなシーンで使用されます。

Aさん
I can cover for her shift while she is away.
訳)彼女が留守の間、私が彼女のシフトを引き受けられますよ。

さらには、coverにはある問題やトピックなどを「扱う・取り扱う」「報道する」の意味があります。なお、関連表現であるcoverageには、テレビのニュース番組や新聞で主題に関して報道する活動を指します。

Aさん
The BBC news covers all sort of events from all over the world.
訳)BBCニュースは、世界中のあらゆる種類の出来事を報道します。

その他にも、アーティストが他人の曲を「カバーする」や、損失などを「補填する」という使い方も動詞coverで表現できます。

名詞coverの意味

次にみていくのは、名詞coverの意味です。
言葉そのままで「カバー・覆うもの」は、寝具に関連するものに使用されることもよくあります。例えば、sheet cover(シーツカバー)やbed cover(ベッドカバー)のようにして使います。また英語圏での就職活動で重要なものに履歴を送る際につけるcover letterもありますが、これは企業へ熱意や意欲を伝える内容のレターです。
そして、動詞の意味からも連想できる「報道・放送」「対象・範囲」「補償の範囲」といったものがあります。

Aさん
I always use a cover for my motorbike to protect it from rain and dust.
訳)雨や埃からバイクを守るために、私はいつもバイクにカバーをかけます。
Aさん
The British band released a cover of a Rolling Stone’s song.
訳)イギリスのバンドが、ローリング・ストーンズの曲のカバーをリリースしました。

ちなみに、日本語の枕カバーですが、英語にするとpillowcaseまたはpillow protectorです。pillow coverではありませんので少し注意しましょう。

「カバーする 」の言い換え2選

次に「カバーする」という表現の言い換えを紹介します。ここでは、wrapそしてscreenという2つの単語を例文とともに取り上げます。

wrap

wrapは動詞で、物理的にも比喩的にも「包む・覆う」の意味を持ちます。ギフトを包むラッピングペーパー(包装紙)も英語wrapping paperです。ちなみに、食品などを包む日本のサランラップはイギリス英語ではcling filmになります。

Aさん
British people wrap gifts by themselves using wrapping paper as there is usually no service like Japan’s.
訳)日本のようなサービスがないので、イギリス人は包装紙を使って自分で贈り物を包みます。

screen

screenは画面など様々な意味を持ちますが「〜を覆う・隠す」として使われる単語です。特に、視界を妨げるような場面で使用されます。

Aさん
We closed the blind to screen out the sunlight.
訳)私たちは日光を遮るためにブラインドを下ろしました。

「カバーする」の言い換え – ビジネス

続けて、ビジネスにおける「カバーする」の言い換え表現をみていきましょう。物事の「取り扱い」を慎重にし、しかるべきデータを保護するということからprotectを取り上げます。

protect

protectは皆さんもご存知のとおり「保護する・守る」の意味を持つ動詞です。基本的に、危険や損害から何かを保護するときに使用し、ビジネスにおいても重要です。

Aさん
The company must protect their personal information.
訳)企業は個人情報を保護しなければなりません。
Aさん
One of the ways to protect your business is to find a good attorney.
訳)ビジネスを保護する方法のひとつは、優秀な弁護士を見つけることです。

cover for meの意味

ここからは、coverを使ったフレーズ”cover for me”の紹介です。動詞coverの解説で、ある仕事を誰かに代わって担当し、一時的に行なうようなシーンで使用されることを解説しましたが、ここではcover for meの形で紹介します。

cover for me

cover for meは、もしあなたが将来海外で働く、または国内の外資企業にいるのであればぜひ覚えて使いたいフレーズです。仕事を休まなければならない状況になった場合に「代わりとして行なってもらう」ことを依頼する表現のためです。

Aさん
I’ll go and see a doctor for my stomach tomorrow. Are you able to cover for me?
訳)明日、胃のことで医者に行くんです。仕事の代わりを務めてくれますか?

例文のように、代わりをしてもらう人がmeです。cover for someoneとして様々な人を置き換えて使うことができます。

Aさん
He is busy, but has been covering for her these last 2 days.
訳)彼は多忙だが、ここ2日間、彼女の代わりに働いているよ。

cover with

cover with

続けて、cover with ◯◯のパターンをみていきましょう。前置詞withにはもともと「〜とともに」という意味がありますが、coverと組み合わせるとどのように使われるのでしょう。

cover with ◯◯で「◯◯で覆う」

coverを「覆う」「覆い隠す」「かぶせる」「掛ける」「包む」として使うとき、では何によってそれをするのかという部分をwithで表現します。したがって、cover with ◯◯で「◯◯で覆う」になり、表面や物体に何かがついていて覆われている状態を表します。

Aさん
Can you please cover the plate with aluminium foil?
訳)そのお皿をアルミホイルで覆ってもらえるかな?

この例文のように、cover XXX with ◯◯にし「XXXを◯◯で覆う」にするパターンにも慣れていきましょう。

Aさん
I found that my face was covered with blood.
訳)顔が血だらけになっていることに気づきました。

この例文はwas covered withとし、受け身形になっています。このような言い方もできるようにしていきましょう。

「負担する」の意味と英語

特に、費用を負担をするときにもcoverが使用できます。物事を行なうのに伴って、必要となる金銭の支払いを引き受けるときの英語をみていきます。

coverで「費用を負担する」

動詞coverには「引き受ける」の意味があることを上で解説しました。費用を負担するということは引き受けると捉えてもよいでしょう。

Aさん
The business owner mentioned that he will cover future expenses.
訳)その事業主は、将来の費用を負担すると述べた。
Aさん
The insurance company covered the cost of the car damage.
訳)保険会社が車の損害の費用を負担しました。

coversの意味

これまで動詞および名詞のcoverについて様々な意味をみてきました。最後はcoversの形を紹介しましょう。

動詞と名詞としてのcovers

coversは以下の2つのパターンで使用されます。
動詞coversは、主語が三人称+単数+現在という条件が揃った場合に使用します。He covers/She covers/It coversなどが実際の使い方です。

Aさん
The snow covers everything, and it looks beautiful.
訳)雪がすべてを覆い、とても美しく見えます。

なお、名詞coverは可算名詞であることから、2つ以上の複数のときにはcoversと-sを付けます。

Aさん
There are two table covers to choose from.
訳)テーブルカバーは2種類からお選びいただけます。

動詞と名詞のcoversを使うパターンをしっかり使い分けしていきましょう。

まとめ

「覆う」を基本に、様々なものをカバーするときの英語coverを紹介しました。coverをしっかり理解すれば、様々なシーンで使うことができます。知っている単語を最大限に使えるようにしていくことで表現が増えるという良い例がcoverと言えるでしょう。

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