クリティカルという日本語があります。英語criticalからきている言葉ですが、この単語がどのような意味を持つかはっきりと説明できるでしょうか?
この記事では、英語criticalについて意味と使い方を解説します。ビジネスでもよく使用されるcriticalを理解する機会にしてください。
criticalの意味と使い方
criticalは形容詞です。カタカナ語の読み方はクリティカルのようにします。ビジネスでも頻繁に使われるのはどのような意味からなのでしょうか?
criticalの意味3つ
criticalの語源は「決定」「判断」という意味のギリシャ語krisisです。そしてcriticalの基本的な意味は、以下の3つになります。
批判的な
危機的な
重要な・重大な
ひとつ目の「批判的な」が多くの人が持つcriticalのイメージかもしれません。ある物事、または人物に対して厳しい評価や批判を行なう際に使用します。批判とは、良いところ、悪いところをはっきり見分けて評価することです。ちなみに、非難は欠点や過ちを指摘し責めることを指します。
なお、関連するcriticism(クリティシズム)にすると「批判・非難」の名詞です。
ビジネスで使用されるクリティカルですが、危機的なということでは、病気または負った負傷が重篤という状態にもcriticalが使用されます。
criticalの使い方
ここでは、例文でcriticalの具体的な使い方をみていきます。上で紹介した「批判的な」「危機的な」「重要な・重大な」の順で紹介しましょう。
訳)その批評家は、批判的なレビューをすることで有名です。
批判的な評論を英語でcritical reviewとしています。
criticalの関連用語である主語criticは、コンテンツや製品を事前に定義された基準や期待値としっかりと比較する人を指します。一方、reviewerとすると、単にレビューするだけになります。
訳)友人の容態は現在重篤で、私たちは皆、彼女が回復することを祈っています。
重篤や危篤を危機的な状態とし、criticalで表現しています。
訳)チームは、オウンゴールという致命的なミスによりゲームに負けました。
重要な・重大なミスは致命的ミス、痛恨のミスと言い表せるでしょう。このように、何かを大きく左右するようなものについてcriticalを使います。この例文では、オウンゴールが試合結果を左右したということですね。
critical thinkingの意味
次に、皆さんが聞いたことがあるかもしれないフレーズcritical thinkingをみていきましょう。
critical thinkingで「批判的思考」
criticalの「批判的な」という意味の使い方で代表的なフレーズがcritical thinkingです。critical thinkingは日本語の「批判的思考」を意味します。
批判的思考とは、物事に対し疑いの目を持って考えることによって本質を見極める思考法です。問題を分析して評価、判断しますが、So what? Why so? True?と問い続けることが重要になります。
訳)批判的思考には、問題の特定・質問をすること・論理的な答えや解決策を見つけることなど、いくつかの原則が含まれます。
critical thinkingを身につけるには
批判的思考に関する記事は多くあります。どのようにこの思考を身につけるかという点が気になりますね。本記事では、オーストラリアのMonash Universityという大学のページから紹介します。
・思考の目的と背景を明確にする
・情報源に疑問を持つ
・議論を特定する
・情報源と議論を分析する
・他者の議論を評価する
・独自の議論を作成または統合する
仕事における思考だけでなく、情報が溢れる時代に個人個人もクリティカルシンキングのやり方を身につけることが大切かもしれません。
引用:Monash University “What is critical thinking?”
critical massの意味
続けて、critical massというフレーズをみていきます。massは「集団・多数」といった大きなまとまりを意味し、mass media(マスメディア)のようにも使われます。
critical massはマーケティング用語
クリティカルマスという言葉があります。これは英語critical massからきており、商品やサービスの世間への普及率が一気に跳ね上がる分岐点となる普及率を指し「臨界量」という表現でも使われます。元々は物理学の言葉が、現在ではマーケティング用語として使われています。
訳)臨界量とは、製品が市場で自立できる様になるポイントである。
クリティカルマスに到達すると、製品の需要が急速に増加し、より多くを販売しやすくなる状態になります。
critical pathの意味
さらに続けましょう。ここではcritical pathというフレーズを紹介します。
プロジェクト管理におけるcritical path
あるプロジェクトを管理するとき、全工程を最短の時間で完了するための重要な作業経路があります。経路をpathが表し、英語でcritical pathとなります。
訳)クリティカルパスは、開始から終了までの最長パス(時間的)です。
「重要な」の意味を持つcriticalが使われている理由がわかりますね。なお、クリティカルパスに重点が置かれたcritical path methodというメソッドもあります。略してCPMです。
critical periodの意味
次に、critical periodという表現を紹介します。periodと言えば「期間・時期」ですね。
critical periodで「臨界期」
臨界期とは、ある時期を過ぎるとその後、学習が上達しなくなる限界の時期を言います。英語学習でも英語耳になるには臨界期までに・・・といった情報を目にすることがあります。この臨界期を英語にするとcritical periodです。
訳)外国語を学ぶ上での臨界期は、幼児期であるとよく考えられています。
臨界期は重要な時期と考えられるためにcriticalが使用されているんですね。
critical – ビジネス
criticalはその持つ意味からもビジネスシーンでよく使われる言葉です。そこで、どのように使われているかを紹介しましょう。
critical in ビジネス
例えばクリティカルな問題であれば、もし対応を間違えればその企業またはプロジェクトに大きな損害が発生してしまうような、極めて深刻で重大な問題になります。これは、危機的な問題とも表現されます。また、事業を継続するために不可欠な活動、機能やシステムなどもcriticalが表現します。mission-critical(必須の・極めて重要な)という言葉もありますが、これらはcriticalの危機的、重要といった意味からきています。クリティカルと聞いたら、その事案が緊急性を持って対応すべきだという認識を持つくらいのレベルになります。
訳)私たちはその危機的な問題について、社内会議を開きました。
訳)重大なミスを犯すことは避けなければならない。そうしなければ多大な損失を被ることになるだろう。
critical issue(危機的な問題)、critical mistake(重大なミス)、どちらも体制にとって深刻です。
critical factorの意味
最後に紹介するフレーズはcritical factorです。factorには「要因」の意味がありますが、この表現の意味をみていきましょう。
critical factorで「重要な要因」
factorの意味からも分かるとおり、critical factorは何かの成功または失敗を決定づける非常に重要な要因を指します。
critical success factor/CSFなら「重大な成功要因」、critical failure factor/CFFであれば「重大な不成功(失敗)要因」です。さらに、critical factor analysisは重要な要因の分析、こちらもともに覚えましょう。
critical factorはビジネスはもとより科学の分野でも使用される表現です。
訳)この重要は要素は、あらゆる雇用主が最適な候補者を見つけるための面接に役立ちます。
この例文にある重要な要素とは、例えば職務固有のスキル、コミュニケーションスキル、問題解決能力に加えて熱意といったものになります。
まとめ
criticalの意味は以下の3つです。
批判的な
危機的な
重要な・重大な
critical thinkingやcritical massといったビジネスで使用されるフレーズも紹介しました。この記事をきっかけにcriticalを使えるようにしていきましょう。
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