品川区は、義務教育9年間を通してより充実した学びを得られるよう小中9年間の一貫カリキュラムを採り入れており、英語教育にも独自カリキュラムを設けて本格的に取り組んでいます。さて、その英語教育とは具体的にどのようなものなのでしょうか。

この記事では、品川区の英語教育について深堀りし、その素晴らしい取り組みをたくさん紹介していきます。その取り組みがお子さんや生徒さんの英語教育で参考になるかもしれません。

品川区には英語教育改革モデル校が!

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昨今では小学校から英語の授業が採り入れられているとはいえ、公立小学校での英語の授業は今、3、4年生で週1回、5、6年生で週2回で、各45分です。

そんな中、品川区は、平成18年(2006年)から英語教育改革モデル校を設置し、小学校1年生から英語教育を導入しています中でも、他校に先駆けて独自の英語プログラムを展開しているのは小山台小学校です。しかも、その英語の授業がオールイングリッシュだというから、すごいですね。

「小1からオールイングリッシュで英語の授業って厳しいのでは?」と思ってしまいますが、小学校1年生からの英語教育を20年近く導入している小山台小学校の取り組みについて紹介します。

小山台小学校では、低学年のうちは、子どもたちが飽きないように、アルファベット、月の名前、動物の名前などを中心に歌や手遊びなどを交えつつ、次々と授業を進めています。「桃太郎」などの紙芝居を英語で読み聞かせすると、子どもたちも集中して、真剣に英語の物語に耳を傾けます。

小学3年生からはより「授業」に近いイメージになり、物語だけでなく、机の上でアルファベットの読み書きの勉強も本格的にスタートします。高学年では、同じ桃太郎を英語で暗唱する授業もあります。

参考サイト:日経xwoman:小1から「学びの英語」で ことばを育てる『楽しいだけで終わらせない! 品川区小山台小学校』

欧米と同じようにアルファベットや基本的な単語の学習もやっていますが、日本の昔話を紙芝居を使って英語で読み聞かせし、高学年になるとそれを英語で暗唱されるところに、英語学習をローカライズしている工夫が垣間見られますね。

品川区の子供英語教育

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品川区では、平成18年(2006年)から公立小学校で1年生から英語の授業を実施していますが、その具体的なカリキュラムを紹介します。

小学校1・2年生

学級担任とALTによる授業は年間35時間設けられています。子供たちはALTの話すネイティブの英語を聞くことで、英語の音声に慣れ親しんでいます。

Aさん
I envy students living in Shinagawa-ku who can learn English by listening to native English speakers in public schools from the first grade of elementary school.
訳)小学校1年生から、公立の学校でネイティブの英語を聞いて英語を学べる品川区在住の生徒さんがうらやましいです。
Bさん
Indeed. Progress in English conversation starts with listening to a lot of native English speakers and becoming familiar with them.
訳)確かに。英会話の上達ってまずはネイティブの英語をたくさん聞いて、慣れ親しむことから始まるよね。

小学校3~6年生

3・4年生は年間35時間、英語の授業を受け、5・6年生は年間70時間、英語の授業を受けます。

学級担任とJTE(英語専科指導員)がチームを組んで英語の授業を行っています。生徒たちは文部科学省作成教材や教科書を指導して学ぶとともに、系統的なリタラシー学習や物語を題材にした学習に取り組んでいます。

Aさん
In Shinagawa Ward, when elementary school students are in 3rd grade or later, JTEs (Japanese Teacher of English), not ALTs, team up with classroom teachers to teach English.
訳)品川区では、生徒が小学校3年生以降になると、ALTじゃなくてJTEが学級担任とチームを組んで、英語を教えるのですね。
Bさん
When students are in the third and fourth grades, they focus more on reading and writing English, and I believe that Japanese teachers do so because they are more successful in teaching reading and writing.
訳)生徒が3、4年生になると、英語の読み書きに重点を置くので、日本人の先生の方が読み書きを教えた方が成果が出るから、そうしていると思います。

参考サイト:品川区の教育「品川教育ルネサンス」- For The Next Generation

品川区の英語検定対策

品川区は小学校低学年から本格的な英語教育を行っていますが、その英語検定対策は、どのようなものなのでしょうか。

品川区の中学校や高校でも、高校入試や大学入試に向けて、英語検定対策の授業を採り入れています。

学研オンライン英会話 for schoolを採用している教育機関もありますし、個人で学研Kimini オンライン英会話学研教室の英語レッスンをご利用されている生徒さんもおられます。

学研教室の英語レッスンのいいところは、デジタル教材とプリント教材の両方を使い、インプットとアウトプットを重ねることで、「聞く、話す、読む、書く」の4技能をバランスよく養成できることです。英語の知識・技能の習得だけでなく、英語で考え、自己表現する活動が充実したプログラムになっています。

品川区の英語留学プログラム

品川区の英語留学プログラム

品川区には、区立中学校の生徒を対象とした24日間の英語留学プログラムがあります。このプログラムは、友好都市であるニュージーランドのオークランド市にある公立校リンフィールドカレッジで開催する夏期語学研修に、区内在住の青少年を派遣し、語学力ならびに国際感覚の向上を図るものです。

中学校校長の推薦により、各学校ごとに応募しますが、募集人数は年に15名程度で、過去に海外に長期滞在や留学経験がなく、筆記試験や面接試験に合格した生徒が参加できます。

区のサポートにより、リーズナブルな料金で24日間も海外ホームステイを体験して、英語留学できるなんて、素晴らしいですね。品川区にお住いのお子さんの英語を勉強するモチベーションも上がるのではないでしょうか。

参考:公益財団法人品川区国際友好協会

まとめ

いかがでしたか。品川区の英語教育について解説しました。品川区は小中9年間の一貫カリキュラムを採用し、小学校1年生から英語教育を導入していること、英語教育改革モデル校を設置していること、中学生を対象とした英語留学プログラムもあることが分かりましたね。

品川区にお住いの方にはご存知の内容ばかりだったでしょうが、小学校低学年からの英語教育の進め方などについて、他の地域にお住いの方にも参考になったのではないでしょうか。