相手への愛情を示して、髪を撫でたり頬を撫でたりする人は多いでしょう。
日本語では同じ「撫でる」でも、ペットのお腹をわしゃわしゃ撫でるのと、泣いている子どもの背中を撫でるのでは、力加減もスピードも全然違いますよね。
状況によって印象が異なる「撫でる」という行為を、英語では何と言うのでしょうか?
今回は、「撫でる」を意味する5つの英語 stroke, caress, pat, rub, pet について、意味の違いと使い分け方を紹介します。
何度も繰り返し撫でる “stroke”
“stroke”は、何度も繰り返し撫でることを意味する英語です。
軽く触れるというよりは、「撫でまわす」「わしゃわしゃ撫でる」ようなイメージがあります。
人にも動物にも使えるので、子ども、恋人、ペットなどさまざまなシチュエーションでよく登場する単語です。
英英辞書にも”repeatedly”とあるように、繰り返し何度も撫でることを意味しているとわかります。
to move a hand, another part of the body, or an object gently over something or someone, usually repeatedly
(手や体または物に対して繰り返し優しく動かすこと)
“stroke”を使った例文で使い方を練習してみましょう。
会話例1
I hadn’t seen my parents’ dog for a long time, so I stroked him.
訳)実家で飼っている犬に久しぶりに会ったから、わしゃわしゃ撫でてきた。
Sweet. I always stroke my cat when I’m sad.
訳)いいね。僕は落ち込んだときにいつも飼い猫を撫でるんだ。
会話例2
She is so cute! Which point of stroking makes her happiest?
訳)かわいい!どこを撫でると喜ぶ?
She loves getting her head and chin stroked.
訳)頭とあごを撫でられるのがすごく好きだよ。
会話例3
When I was little, my grandmother often stroked my head.
訳)小さい頃、おばあちゃんがよく頭を撫でてくれたわ。
I loved it when my grandmother stroked my head, too.
訳)僕もおばあちゃんに頭を撫でられるのが大好きだったなあ。
愛を込めて撫でる “caress”
“caress”は、愛を込めて撫でることを意味する英語です。
親子や夫婦、恋人など、愛情に満ちた関係において、愛を込めて触れたりやさしく撫でたりするときに使われます。
英英辞書では”touch or kiss”とあるように、「撫でる」のほかに「愛撫する」「抱きしめる」などと訳すこともできます。
to touch or kiss someone in a gentle and loving way
(優しく愛情を込めて誰かに触れたりキスをしたりすること)
“caress”を使った例文を紹介します。
会話例1
Parents usually caress their children as a sign of affection.
訳)親は、愛の証として子どもを撫でるのよ。
I remember my mother telling me, “Even if I’m tired, I always feel happy when I caress my child’s head.”
訳)「疲れていても、子どもの頭を撫でるといつも幸せな気持ちになる」って、お母さんが言っていたなあ。
会話例2
My father caressed my forehead and told me not to worry.
訳)お父さんがわたしのおでこを撫でて、「心配するな」と言ってくれたの。
No matter what happens, parents are your ally.
訳)親はいつだって味方でいてくれるからね。
風や音楽が肌や耳に心地よく触れるときにも、”caress”を使って表現します。
I love soft music like this song because it feels like a fond caress.
訳)こういうやさしい音楽って耳に心地よく響くから大好き。
Same. This song makes me feel calm.
訳)うん、この曲は癒されるね。
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軽い力でやさしく撫でる “pat”
“pat”は、軽い力でやさしく撫でることを表す英語です。
手のひらで頭や背中などを軽くトントンたたくのをイメージするとわかりやすいでしょう。
相手を励ますときや慰めるとき、また落ち着かせるときなどによく使われます。
英英辞書にも”with the hand flat”と書かれており、手のひらでやさしく撫でることを意味しているとわかります。
to touch someone or something gently and usually repeatedly with the hand flat
(手を平らにして、やさしく何度も触れること)
“pat”も例文を参考に使い方を覚えていきましょう。
会話例1
To soothe her sobs, what did he do?
訳)すすり泣きを落ち着かせるために、どうしたの?
Her brother was patting her back the whole time.
訳)彼女のお兄さんがずっと背中を撫でていたよ。
会話例2
Her father gently patted her on the head.
訳)彼女のお父さんが、頭をやさしくポンポンと撫でていたわ。
She should be the apple of his eye.
訳)かわいくて仕方ないんだね。※the apple of ~’s eye:目に入れても痛くない
会話例3
Do you like to be patted on the head?
訳)頭を撫でられるのが好きなの?
Yeah, I’m an adult now, but I still feel relieved when my father pats my head.
訳)うん、大人になった今でも、父に頭を撫でられるとほっとするんだ。
マッサージのように撫でる “rub”
“rub”は、「こする」「摩擦する」という意味を持ち、マッサージのように撫でることを表す英語です。
人や物の表面を手でこすったり摩擦したりするときによく使われます。
「こする」や「撫でる」、「さする」だけでなく、「揉む」や「マッサージする」と言いたいときにも”rub”で表現できます。
英英辞書には”to press or be pressed”とあり、力を加えて撫でるようなニュアンスがあることがわかります。
to press or be pressed against something with a circular or up-and-down repeated movement
(円を描くまたは上下を繰り返すような動きで、押したり押されたりすること)
“rub”は使った例文は以下の通りです。
会話例1
My youngest daughter Risa loves to have her head rubbed.
訳)末っ子のリサは、頭を撫でられるのが大好き。
She is such a baby.
訳)甘えん坊だなあ。
会話例2
Momo, my cat, rubbed her head against my foot.
訳)愛猫のモモが、私の足に頭をこすりつけてきたの。
You always end up carrying and rubbing her tummy, right?
訳)ついつい抱っこしてお腹をなでなでしてあげちゃうんでしょ?
“rub”を名詞として使った言い方もあります。
I’ll give you a backrub.
訳)背中をマッサージしてあげるね。
Thank you so much! I’m so happy.
訳)ありがとう!嬉しいよ。
ペットを撫でる “pet”
“pet”は、ペットを撫でるときに使われる英語です。
英英辞書には”an animal, child, etc.”とありますが、ペットをかわいがる、甘やかすといった意味を持つので、飼っている動物に対して使われることが多いです。
If you pet an animal, child, etc., you touch it, him, or her gently and kindly with your hands:
(動物や子どもなどを撫でるときに、その手でそっとやさしく触れること)
“pet”を使った例文を紹介します。
会話例1
Is it okay if I pet your dog Coco?
訳)ココちゃん、撫でてもいいかな?
Of course! She always demands to be petted endlessly.
訳)もちろんだよ!いつだってなでなでしてってせがむんだから。
会話例2
My husband really likes petting our dog Haru.
訳)夫は、(愛犬の)ハルを撫でるのが大好きなのよ。
He smiles happily every time he is petted.
訳)撫でられるたびに、嬉しそうな表情するもんね。
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まとめ
「撫でる」を意味する5つの英語 stroke, caress, pat, rub, petについて、意味の違いと使い分け方を例文とともに紹介しました。
“stroke”は、「わしゃわしゃと撫でまわす」、”caress”は、「愛情たっぷりに撫でる」ですね。
“pat”は、「やさしくトントン」のニュアンスで、”rub”は、「こする」「マッサージ」をイメージすると覚えやすいです。
ペットを撫でるときには”pet”を使いましょう。
同じ「撫でる」でも、英語にすると意味や使い方が異なります。
今回紹介した例文を参考にたくさん練習し、表現の幅を広げていけるといいですね。