誰かに何かの指示や命令を出されたとき、「ラジャー!」と返事をしたことはありませんか?
特に疑問も持たずなんとなく使っている人がほとんどかと思いますが、「ラジャー」が何語で本当はどんな意味があるのか知っている人は多くないでしょう。
カタカナで表記されているものは、すべて英語からきていると認識してしまいがちですが、じつはそうでない場合も多々あります。
今回は、返事をするときの「ラジャー」の正しい意味を解説するとともに、「了解しました」や「かしこまりました」などと言いたいときに使える英語表現を紹介していきます。
「ラジャー」の語源は “Roger.”
「ラジャー」は、軍隊の無線用語”Roger.”が語源となっている英語です。
“Roger.”は、無線用語にある音声コードのひとつで、相手からメッセージを受け取った際の “Received and understood.”の意味を表しています。
“Roger.”だけだと男性の名前を言っていると間違われることもあるので、”Roger that.”と言うのが一般的です。
無線でのやりとりは、通信状態が良くないと正しく聞き取れなかったり、間違って受け取られたりしてしまいます。
通信状態が悪くても、聞き間違いのないように文字を伝えるために定められたのがPhonetic Alphabet(フォネティックコード)です。
フォネティックコードとは、別名「音声コード」とも呼ばれており、電話や無線で正確なスペルを伝えるための国際的な頭文字の規則表のことを指します。
聞き間違いを防ぐためのフォネティックコードは、航空業界や旅行業界でも取り入れられており、下記のNATO Phonetic Alphabet以外にも、独自でコードを定めている企業もあります。
電話で名前を確認したいときや、絶対に間違いたくないような場面では、下記の音声コードを使ってみるとよいでしょう。
【例文1】
Could you please spell your name for me?
訳)お名前のスペルを教えていただけますか?
Okay. My name is Kato. K for Kilo, A for Alfa, T for Tango, O for Oscar.
訳)はい。加藤と申します。スペルはKiloのK、AlfaのA、TangoのT、OscarのOです。
A | Alfa(アルファ) | N | November(ノヴェンバー) |
B | Bravo(ブラヴォー) | O | Oscar (オスカー) |
C | Charlie (チャーリー) | P | Papa(パパ) |
D | Delta(デルタ) | Q | Quebec(ケベック) |
E | Echo(エコー) | R | Romeo (ロメオ) |
F | Foxtrot (フォックストロット) | S | Sierra(シエラ) |
G | Golf(ゴルフ) | T | Tango(タンゴ) |
H | Hotel(ホテル) | U | Uniform(ユニフォーム) |
I | India(インディア) | V | Victor(ヴィクター) |
J | Juliett(ジュリエット) | W | Whiskey(ウィスキー) |
K | Kilo(キロ) | X | Xray(エックスレイ) |
L | Lima(リマ) | Y | Yankee(ヤンキー) |
M | Mike(マイク) | Z | Zulu(ズールー) |
「ラジャー」と同義の英語表現
無線用語”Roger.”は、カタカナ読みで「ラジャー」に変化し、「了解」の意味で使われるようになりました。
英語には「了解」の意味を持つ返事の表現がとてもたくさんありますが、なかでも「ラジャー」のように理解したことを一言で表せる使いやすいものを紹介します。
“I understand.”「了解です」
“I understand.”は、「了解です」や「わかりました」を表す最も一般的な英語です。
比較的フォーマルな表現なので、相手や状況を選ばず使える万能なフレーズといえます。
同じように使えるものに“Sure.”や“OK.”、“No problem”などもありますよ。
“I understand.”と同じ単語を使っていても、”Understood.”と一言で終わらせる言い方は、場合によっては失礼に当たることもあります。
目上の人には使わないように注意しましょう。
【例文1】
We leave tomorrow at 7 p.m.
訳)明日は朝7時に出発します。
I understand.
訳)了解です。
【例文2】
It will be there in 5 minutes.
訳)あと5分で着きます。
OK. I’ll be waiting.
訳)わかりました。待っていますね。
【例文3】
Can you do me a favor?
訳)ちょっといいですか?
Sure! What do you need?
訳)大丈夫ですよ。どうかしましたか?
【例文4】
Could you have these bags taken up to my room?
訳)この荷物をわたしの部屋に運んでもらえますか?
No problem.
訳)了解しました。
“Certainly.”「かしこまりました」
“Certainly.”は、「かしこまりました」や「承知しました」を意味する丁寧な英語です。
ホテルやレストランなど、お客様を相手にする仕事などでよく耳にすることが多いのではないでしょうか。
同じようなニュアンスで、日本人にも馴染みのある“Of course.”も使えます。
相手に好印象を与える丁寧な表現として便利なのでぜひ覚えておきましょう。
ビジネスシーンでは、先輩や上司に対して“I’ll get on it right away.”や“I’ll work on it right away.”(すぐにとりかかります)というフレーズもよく使われるので覚えておくと役立ちますよ。
【例文1】
I’d like to make a reservation for next weekend.
訳)来週末の予約をしたいのですが。
Certainly. Our concierge will be happy to do that for you.
訳)かしこまりました。喜んで承ります。
【例文2】
Can I pay by credit card?
訳)クレジットカードで支払いたいのですが。
Of course. Swipe the card, please.
訳)かしこまりました。カードを読み取り機に通してください。
【例文3】
Could you please report this situation immediately?
訳)すぐにこの状況を報告してもらえませんか?
I’ll get on it right away.
訳)承知いたしました(すぐに報告いたします)。
【例文4】
I can’t find the file you sent me. Could you resend it?
訳)送ってもらったファイルが見当たらなくて、もう一度送ってもらえませんか?
I’ll work on it right away.
訳)かしこまりました(すぐに送ります)。
“Got it!”「わかったよ!」
“Got it!”は、「わかったよ!」や「オッケー!」と言いたいときに便利な英語です。
家族や友達、職場の同僚など、親しい間柄でよく使われます。
同じようなカジュアル表現は、ほかにも、“Sure thing!”や“Yeah!”、“Yup!”などがあります。
明るいトーンで語尾を上げて短く言うことが多いですが、軽さを抑えたいという場合には、少し落ち着いた口調でゆっくり伝えるのがおすすめです。
【例文1】
Could you set up my new laptop for me?
訳)新しいノートパソコンのセットアップをしてもらえない?
Got it! I’ll handle it.
訳)オッケー!僕に任せて。
【例文2】
I want you to look after my cat while we are on our vacation.
訳)休暇中、うちの猫の世話を頼みたいんだけど。
Sure thing!
訳)いいよ!
【例文3】
I guess we’d better book a hotel room as soon as we can.
訳)早めにホテルを予約しておいた方がいいと思うなあ。
Yeah! I can do that.
訳)わかった!僕が予約しておくよ。
【例文4】
Can you come with me right now?
訳)今すぐ一緒に来てくれる?
Yup! Just give me a minute.
訳)わかった!ちょっと待ってて。
まとめ
返事をするときに使う「ラジャー」の正しい意味を解説するとともに、「了解しました」や「かしこまりました」などと言いたいときに便利な英語表現を紹介しました。
「ラジャー」の語源は、軍隊で使われていた無線用語”Roger.”だったとは驚きですね。
日本でも海外と取引のある企業では、オリジナルで音声コードを定めているところもあるので、仕事で耳にする機会があるかもしれません。
日常会話だけでなくビジネスシーンでも、指示や頼み事に対して、「了解です」や「かしこまりました」などと返事をする場面は非常に多いでしょう。
状況に合わせたいろいろな言い方を知っておくと、表現の幅が広がり、より豊かなコミュニケーションにもつながりますよ。
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