“due”は、TOEICや入試などで必ずや登場する超頻出の英単語です。
単語自体は目にしたことがあっても、意味や訳を正しく説明できるという人はあまり多くないのではないでしょうか。
英和辞典には非常にたくさんの意味が載っているので、「どの意味が当てはまるかわからない」「いつも正確に訳せない」と悩んでしまっても仕方ありません。
そこで今回は、和訳が多すぎて混乱しがちな英単語“due”について、絶対に押さえておきたいコアイメージと品詞別にみた意味と使い方を解説していきます。
“due”が意味するコアイメージ
文脈によって意味が多岐にわたっている”due”は、語源から考えると理解しやすいです。
“due”の語源は、ラテン語の”dē-“(反-)と”habeō”(持っている)が合わさってできた”dēhibeō”(借りがある)といわれています。
借りがある=義務を負っているということを表し、すなわち「借りを返すべき」という意味になりました。
“due”には、この「〜されるべき」というラテン語由来の意味がとても強く残っていることを覚えておいてください。
“due”を英和辞典で調べると、以下のように多くの意味と訳が載っていますが、これらの意味をすべて暗記する必要はありません。
“due”の意味は、あくまでも語源となった”dēhibeō”の「〜されるべき」をコアイメージとして持っておくと良いでしょう。
<形容詞としての意味>
期限が来て、予定されて、当然与えられるべき、適切な、しかるべき、何かが期限に達している、予定されている<名詞 可算名詞としての意味>
支払い期日、定期的に支払われるべき会費、料金、費用<副詞としての意味>
(方角・方向が)ちょうど、正確に、真~参考:Weblio英和辞書
形容詞の”due”
“due”には形容詞、名詞、副詞の意味があると述べましたが、なかでも1番使用頻度の高いのが形容詞としての用法です。
形容詞の”due”には、おもに以下のような意味があります。
- (金銭などが)支払われるべき、与えられるべき
- 支払い期限の来た、提出期限の来た、満期の
- 直ちに、あるいは要求に応じて支払うべき、支払いが可能な
そうはいっても、日本語からはいまいちイメージしづらい、直訳したとしてもなんだかピンとこないという人も多いでしょう。
意味が多くて理解しきれない単語は、英英辞書で調べるのがおすすめです。
ケンブリッジ英英辞典によれば、”due”due”due “は以下のように定義されています。
expected to happen, arrive, etc. at a particular time
特定の時刻に起こる、到着する、などと予想されること
“expected”(予想された)や”scheduled”(予定された)と聞くと、かなりイメージしやすくなったのではないでしょうか。
“expected to happen, arrive”と“a particular time”とあることから、ある特定のときに何かが起こると予想されていたり、到着が予定されていたりすることを表しているとわかります。
When is your baby due?
訳)出産予定日はいつですか?
I am due for a two-week vacation.
訳)休暇は2週間取る予定です。
The payment is due tomorrow.
訳)支払いは明日が期限です。
“due”の後には、「ある特定の時間」が続くことが多いので、決まった日付や時間などもヒントになりますよ。
【使用例】
- due in April(月)
- due on Friday(曜日)
- due at six o’clock(時間)
- due next week / next month(来週 / 来月)
Their first baby son is due in June.
訳)6月に、彼らの第一子となる男の赤ちゃんが生まれる予定です。
The monthly rent is due on Sunday.
訳)日曜日が家賃の支払い期日です。
His train is due in five minutes.
訳)彼が乗る電車は、あと5分で到着予定です。
The next bus is due at four o’clock.
訳)次のバスは、4時に到着予定です。
名詞の”due”
“due”が名詞として使われるときは、以下のような意味になります。
“dues”と必ず複数形になるのも忘れないようにしましょう。
- 与えられるべきもの、しかるべきもの
- 当然払わなくてはならない費用
- 会費、料金、使用料、手数料
- 支払期限、支払期日
英英辞書にも“the official payments”とあるので、必ず支払うべき正当な費用のことを指しているとわかります。
the official payments that you make to an organization you belong to
所属する組織や団体への正式な支払いのこと
Please pay your dues to the treasurer.
訳)料金は会計係へお支払いください。
Annual membership dues must be paid in full.
訳)年会費は全額支払われなければなりません。
Dues for the laboratory are collected at the beginning of the semester.
訳)研究室の使用料は、学期の始めに集金されます。
副詞の”due”
“due”は副詞として「直接」「正確に」、また方角を示して「真~」などの意味で使われることもあります。
英英辞書でも以下のように定義されているので、”due”に続き”north”や”south”など方角を指す単語が出てきたときは副詞としての意味を思い出しましょう。
(of north, south, east, or west) exactly, straight
(北、南、東、または西の)正確な、まっすぐな
My father and I went due East to reach the beach.
訳)父とわたしは、ビーチを目指して真東に向かいました。
The ship is due north of our current position.
訳)その船は現在位置から真っすぐ北の方角にあります。
The highway runs due south for fifty miles.
訳)高速道路は真南に50マイル続いています。
“due”を使った頻出フレーズ
意味がたくさんある”due”を使った英語表現をすべて挙げていったらきりがありません。
ここでは、よく使われる頻出フレーズを厳選して紹介していきます。
“due to~”
“due to〜”または”be due to〜”で、「〜する予定」、「〜のために」、「〜が原因で」という意味になります。
最もよく使われる必須のフレーズなので、しっかり覚えておきましょう。
I am due to speak tonight.
訳)今夜、わたしは講演の予定があります。
The cancellation of the concert was due to the rain.
訳)雨でコンサートが中止されました。
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“be due for~”
“(人)+be due for〜”は、「(人に)これから起こる予定」を意味する表現としておさえておきたいフレーズです。
When are you due for a vacation?
訳)休暇はいつになる予定ですか?
A colleague of mine is due for a promotion next month.
訳)同僚が来月、昇進する予定です。
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“due out”
“due out”には、「出る」「発売される」といった意味があります。
“out”がついているので、何かが外に出るのをイメージするとわかりやすいでしょう。
Would you like me to check when it’s due out?
訳)何日にリリースされるか確認しましょうか?
Her new book is due out next week.
訳)来週、彼女の最新作が発売されます。
“due up”
“due up”とは、次に行動する順番が来たこと、あるいは順番が回って来ることを表した英語です。
「デューアップ」のようにおもに野球の打順を指す言葉として知られていますが、順番やターン制のあるスポーツや活動など幅広く使われています。
Cassie is due up next in the presentation.
訳)キャシーが次にプレゼンする番です。
Who is due up to clean the classroom this week?
訳)今週、教室を掃除する順番は誰ですか?
“in due course”
“in due course”は、「適当なときに」「そのうち」「やがて」などを意味する表現です。
時期が来たら物事が起こるということを指しており、同じ意味で”in due course of time”とも言います。
You will be allowed to take responsibility in due course.
訳)そのうち責任を持てるようになるでしょう。
They’ll get to this question in due course of time.
訳)彼らは、いずれこの質問をし始めると思います。
まとめ
和訳が多すぎて混乱しがちな英単語”due”について、絶対に押さえておきたいコアイメージと品詞別にみた意味と使い方を解説しました。
“due”には非常に多くの意味と使い方があるので、すべてを暗記して使いこなすのは極めて難しいといえます。
“due”の意味でおさえておきたいニュアンスはたった1つ、語源であるラテン語の「〜されるべき」です。
この意味を軸に、メインとなる形容詞的用法をはじめ、名詞や副詞など文脈や場面に応じて適切な訳を使い分けていきましょう。
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